Monologue7 (Hasumi)

ホンモノ志向!?

イチローや中田英寿が好きだ。「なぜなんだろう?」と考えてみる。別にベースボールやサッカーが好きなわけではない。完全な門外漢である。でも、彼らの試合は理屈抜きで、純粋に楽しむことができる。スポーツだけではない。将棋の羽生善治も好きだ。彼らを見ていると、わくわくする。彼らは全員が、他人を楽しませる術を心得た、究極のエンターティナーである。このような、なんによらず輝いている人、輝くための努力を怠らない人を、私は、どうも本能的に好む傾向がある。私の脳裡には、ホンモノを見極めようとする感覚が、自然と刻み込まれているようだ。

翻って研究者の世界に目を向けてみる。生物学ひとつ取ってみても、現代は専門分野が細分化し、誰が、どれくらいの仕事をしているのかを把握することが、困難になってきている。にもかかわらず、どんな分野でも、ホンモノはすぐに分かってしまう。必然的に、見せ掛けだけの人、中身のない人も分かるようになる。私自身もホンモノになりたくて、日夜、研鑽を続けている。それは自分の専門分野で、世界最高のエキスパートを目指す、終わりのない旅でもある。