また巧妙になってきた


「未承諾広告」というのがある。名簿業者から入手した何千何万もの電子メールアドレス宛に、事業者がダイレクトメール(DM)を勝手に送り付ける類のものである。最近は、これの変種で「未承諾&承諾(既資料請求・未解除)広告」というのが現れている(下記)



To: mhasumi@bio.sc.niigata-u.ac.jp
X-Mailer: Easy DM free
Message-ID: <20030802.1444310531@evo-hamal.freemail.ne.jp>
Date: Sat, 02 Aug 2003 23:44:32 +0900
From: PC1台で100万円を稼いだ方法(実績有)
Subject: PC1台で手間なし自動化100万円を稼いだ方法(実績有)
Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP

未承諾&承諾(既資料請求・未解除)広告
<事業者>オート企画*この配信は、以前、資料請求をして頂いた方・前回の配信後に次回配信解除が無かった方にお送りしております。もし今後ご不要の場合、もしくは資料請求をされた覚えの無い方は、お手数ですがこのアドレスに空メールを返信してください。すぐに削除いたします。

(以下、省略)



最初に注目していただきたいのは「私の電子メールアドレス宛に、メールが送られている」という点である。これは一見、自分のアドレスが、事業者から特定されているような印象を受ける。しかし、ここで使用されているメーラー「Easy DM free」が意味するところは「このメールソフトが、何千何万とある電子メールアドレス宛にランダムにメールを送っている」ということである。

つまり、メールで述べられている「この配信は、以前、資料請求をして頂いた方・前回の配信後に次回配信解除が無かった方にお送りしております(1)」というのは、真っ赤な嘘である。従って、次の「もし今後ご不要の場合、もしくは資料請求をされた覚えの無い方は、お手数ですがこのアドレスに空メールを返信してください。すぐに削除いたします」という文章を信じて、事業者にメールを返信すれば、今度こそ本当に、自分のアドレスが特定されることになる。

その結果、特定されたアドレスの持ち主は「スパムメールに応答する暇な人」と判断され、こういった事業者にとっては恰好の、メール送付対象とされてしまう。

スパムメールには絶対に応答しないこと、これが一番の対策である。

[脚注]
(1) 自分で言うのも何だが、私は記憶力がよい。だから、こういった類のスパムメールはすぐに削除するけれども「これと同一内容のメールが、同一事業者から送付されたことはない」と断言することができる。今回、私が初めて受け取った配信を、一体どうやったら資料請求したり、次回配信解除したり出来るのだろう。他人を馬鹿にするのも、ほどがあるというものである。


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