卵巣の色彩変化

Ovary (September)Ovary (October)

クロサンショウウオのメスの卵巣と輸卵管の変化(Hasumi, 1996)。fb=脂肪体、os=卵管子宮部、ov=卵巣、pc=卵管曲部、pr=卵管直部。スケール=1cm。

(A) 9月下旬: 卵巣卵(卵黄顆粒の蓄積した濾胞)の表層部では、メラニン色素が沈着を開始する。卵巣卵は、8月下旬には萌葱色を呈した。

(B) 10月下旬: メラニンの沈着が完了すると卵巣卵は暗褐色の層を持つが、その内側では、卵の植物極は萌葱色のままである。このとき輸卵管と卵管子宮部は、エストラジオール17βの血漿濃度と相まって、著しく発達する(Hasumi et al., 1993)。


脚注(2016年10月24日): 卵管子宮部(ovisacs)と卵嚢(egg sacs)という用語が混同されている。McDowell and Shinozaki (2015)は、deposited ovisacs (Hasumi, 2001)のように引用しているが、そのような用語(i.e., deposited ovisacs)についての記述はHasumi (2001)には見当たらないし、卵管子宮部が体外に産出されることは物理的に有り得ない。

McDowell, W. T., and N. Shinozaki. 2015. A synopsis and larval description of Hynobius kimurae Dunn 1923 (Caudata: Hynobiidae). Bulletin of the Chicago Herpetological Society 50: 13-18.


Copyright 2004-2016 Masato Hasumi, Dr. Sci. All rights reserved.
| Top Page | | English |