1年生の練習内容 

2001年月号A         作成:平成13年7月30日(Rev.A) 

目   次

攻守に分かれたチームでの1対1のシュートゲーム

ターンの練習

2対2でのボールの奪い合いからシュート

インサイドキックの得点ゲーム(6月号の一部修正)

スローイン

攻守に分かれたチームでの1対1のシュートゲーム

 

 6月号で紹介した“1対1のシュートゲーム”と、“ディフェンスを抜くゲーム”をミックスさせたものがここで紹介する内容である。これは実戦によくでてくるシュートに至るまでの練習を楽しみながらできる。ただし、普通の試合と異なり、ちょうど野球の表と裏の攻防のように、完全にチームが攻撃サイドか守備サイドに分かれて戦う形式となる。こうすることで、守備なら守備だけ、攻撃なら攻撃だけという同じパターンを繰り返し練習できる。

 以下はその手順だ。

 

@まず、チームを2つに分ける。次に先攻か後攻かをジャンケンで決めてもらう。また、同時に負けたチームにはゼッケンをつけてもらう。

A次にルールを説明する。

 「どちらも5分間だけ攻撃できます。5分間の間に点を多くとったチームが勝ちです。

まず、守備のチームは1人がゴール前のコーンで囲んだ四角の中で、相手チームの子の攻撃を阻止します。攻撃側が一回りしたら交代してください。もう1人はキーパーです。キーパーはペナルティエリア内であればどこでも手を使えます。キーパーも交代でやるようにします。一応、前に守備をやっていた子がキーパーになってください。

次に攻撃のチームはドリブルで四角の中を突破して、シュートを打ってください。四角の中に入ったらシュートを打ってもかまいません。前の人のシュートが終わったら次の人に交代です。」

 B笛を吹いて開始の合図をすると、各人工夫して抜きにかかるが思うように行かなかったりうまくいったりで、ハプニングの連続だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ターンの練習

 進行方向を180度変えるのがターンである。どんな時に使うかというと、例えばドリブルしている時にしつこく併走してくる敵を振り切る場合や、ゴールライン等に向かって転がったボールを全力で追って止めると同時に体の向きを反転させる場合などである。緩急のリズムをうまくつければ、攻撃時のフェイントとして強力な武器になる。

 ターンの種類としては、

@インサイド・ターン(インサイドで止めた後にターン)

Aアウトサイド・ターン(アウトサイドで止めた後にターン)

B足の裏のターン(足の裏で止めた後にターン)

Cクライフ・ターン(インサイドで止めながら立ち足の後ろにボールを通してターン)

というようなものがある。

 

 1年生には「B足の裏のターン」から始めた。まずコーチから次の順序で見本を数回やってみせた。

@ドリブルしている途中で、前に転がっているボールを利き足の裏で上から押さえて後ろに引く。

Aすぐに体を反転させて180度ターンをする。この時、右足でボールを引いたら左回りで反転するのがポイント。(やってみれば分かるが右回りより素早く反転できる。)

ボールを足の裏で止める。

 

ボールを後ろへ引く。

 

同時にすばやくターンする。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  次に距離7〜8m位の平行なラインを引いてドリブル+ターン競争をさせることにしたが、確認のため、一人ずつ順番にやらせた。やり方がおかしな子にはその場で何回かやらせて修正させた。案の定、コーチの真似が出来ない部分はほとんどが反転の仕方だった。

  皆が一通り終わったら全員をラインに並ばせた。

  「それでは今から競争をします。ラインのところまで行ったら足の裏で止めて反転して戻ってください。3往復したら、最初に並んだライン上にボールを止めてください。それではラインから出ないように並んでー・・・。ヨーイ、ドン」と言うと皆一斉にドリブルを開始した。まだ、逆に回ろうとしてすばやく反転が出来ない子もいたが、ほぼ半数以上はなんとか出来るようになった。

2対2でのボールの奪い合いからシュート

6月までは、ボールの奪い合いからシュートする練習は1対1だけだった。しかしもう7月になったので、そろそろ2対2にしてチームプレーの要素を少し加えることにした。今回は初めてのトライなので、1対1でのボールの奪い合いを2ラウンドやって、ボールを奪うことに慣れてから行った。

 まず、「好きな子と組んでください。」と言って2人組になってもらう。次に2人組の代表に出て来てもらい、組み合わせを決める。ジャンケンをさせて決めるが、出したグー・チョキ・パーの数が少ない方から負けにすると早く勝負がつく。

「今から2人組同士で1個のボールを取り合いします。ペナルティエリアから外にボールが出たら、出た所から相手のキックインで再開します。スタートの合図から1分位したらコーチが10,9,8,7・・・とカウントダウンをします。・・・1、0、シュート、と言ったら初めてシュートが打てます。シュートは必ず味方のパスを蹴ってください。相手から奪ったボールを、そのまま持ち込んでシュートしてもゴールとは認められません。シュートを入れられた組は罰として、腕立て伏せ1回をしなければいけません。それではまずじゃんけんをしてください。勝った組が最初にボールを持つ方です。準備できたかな?」と言って、準備が出来たのを確かめてから「ピーッ」と笛を鳴らす。すると、一斉にボールの取り合いが始まった。今度は人いるので上手な子も簡単にはボールキープができない。チームワークのある方が余計にボールをキープ出来る。頃合を見計らって、カウントダウンを始めると皆勢いが増す。次にシュートの合図をすると、一斉にゴールを狙いだしたが、味方のパスをシュートしなければならないので、思うように入らない。1分位経ってようやく終了した。

この練習は疲れるので2ラウンド位で充分だと思う。これが終わったら軽い運動(シュート練習等)に切り替えた方が良い。

ボールキープを1分位した後に合図で一斉にシュートするが、味方のパスをダイレクトで打たないとゴールとは認めない。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


インサイドキックの得点ゲーム(6月号の一部修正)

ゲーム形式のインサイドキックについては、6月号に紹介した。その時は、やる前に直径2〜3m位の円を10〜12m位離して人数分作った。しかし、この作業はかなり面倒なので、ゴールラインとペナルティエリアのラインを利用し、小さいコーンを2m間隔で並べるように修正した。これなら、準備も簡単で、しかも目標がコーンの間を通せば得点が1点ということで、子供たちにも分かり易くなった。

 

インサイドキックについては、まだまだきちんと出来ていない子が多い。もっとも高学年になっても出来ない子もいるほど難しい部類の蹴り方ではあるのだが。しかし、これが全員きちんと出来ないといつまでも味方同士で正確なパスができないままとなり、後でチームプレーに相当影響してくる。

現在は、以下の点を注意している。

  @蹴るときに立ち足がボールの横に置かれること。

  Aボールは足のインサイド(くるぶしの下の面積が広い部分)に当てる。

⇒これが皆なかなか出来ないが、見本を見せて何回も練習させるしかなさそう。

 

 ついでに、トラップ等パス交換時の基本動作も併せて指導した。

  Bトラップはインサイドで行う。足の裏で上から押さえつけようとしないこと。

  C相手から蹴られたボールには、止まって待つのではなく、前方に迎えに行く。

  D蹴った後は、あとずさりして元の位置まで戻る。

 

 

蹴ったボールが相手のコーン間を通れば1点。

誰かが10点取った所でゲーム終了。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


スローイン

 試合中に相手チームがタッチライン(外側のラインの長い方)からボールを出すと、出たところから自分のチームのスローインとなる。

スローインは、遠くの味方に正確にボールを渡せないようにするためにか、以下の様にいろいろ質面倒くさいルールになっている。

  @両手でボールを持ち、頭の後ろから頭の上を通り越して投げ入れる。

・途中(頭の上)でボールを離してはいけない。

・ボールを頭の上から後ろに引かずにそのまま前に投げ入れてはいけない。

・お辞儀をしてはいけない。(ボールが頭を越える前に投げてしまうことになるから)

  A投げる時に片足でもラインを越えてはいけない。

  B投げる時には両手に均等に力を入れて顔を向けた方に真っ直ぐ投げ入れる。

・どちらかの手に力が入ったような投げ方はいけない。

・体をひねって投げてはいけない。

  C投げる時に途中で急に方向を変えてはいけない。

  D投げている途中で両足共地面から離れないこと。

これは、大人でもなかなか出来ない内容だ。ワールドカップやJリーグですら時々ファールスローが出るくらいだ。

 1年生にはまだ早すぎると思っていたが、2年生との練習試合や、対外試合もけっこうあり、そうも言っていられなくなった。スローインのミスでその都度相手ボールになっていたのでは時間のロスにもなり、また指導者は何を教えているのかと思われてもまずいからである。

この練習は、霞ヶ丘SC、神陵台SCとの練習試合の合間に集中的にやった。普段はつまらない練習の部類なのでなかなかやれないが、すぐに実戦が控えていることで子供たちの集中力が増しており、覚えさせるには絶好のチャンスだったからである。

 まずは、コーチから実際にスローインの正しい動作を口で言いながら見せた。次にファールスローとなる悪い見本を全て説明しながら見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 一列に並ばせて順番にやらせたが、最初は何回言っても足を上げてしまう子が多かった。しかし、山上コーチの叱咤激励が功を奏して、20分後には全員がなんとかミス無くできるようになった。