2年生の練習内容 

2002年11月号           作成:平成14年11月23日 

目   次

ボール蹴りだしゲーム

ドリブルで敵(コーチ)をかわしてからシュート

高く上がったボールをショートバウンドさせてトラップ

ボール蹴り出しゲーム

 大分寒くなってきたので、準備運動がてらすぐに暖まることができる練習をやってみた。狭いエリアに全員が入り、ボールをキープしながら他の子のボールを蹴りだすゲームだ。

全員にくまなく練習させる工夫

 一度ボールを出された子は二度と入れずに外で待ち、最後に残った子が勝ちとなるのが一般的なルールだ。しかし、それではほとんどの子が外で長い時間待つことになり、練習としてはあまり感心できない。そこで、ボールを出されても戻れるようにルールを変えてみた。ただし、ただ単に戻らせては出した子も出された子も張り合いがなくなってしまう。簡単なことでよいから何かしら罰則をさせるようにしてみた。

エリアは円が良い

 エリアは、ペナルティエリアの様な四角形よりセンターサークルの様な円の方がずっとよいと思う。エリアが四角形だと真っ先に4角を陣取ってしまう子が出てきてこのゲームをつまらなくしてしまうからである。円であれば、どこも端は同じなので逃げるのに有利なところが出来ない。

ルール説明

「全員ボールを持ってセンターサークルの中に入ってください。今から合図したら自分のボールをドリブルしながら隙を見つけて他の子のボールを蹴りだしてください。蹴りだされた子は他の子のボールを蹴りだしてはいけません。すぐに自分のボールを取ってくること。腕立て伏せを1回だけすればサークルの中へ戻れます。勝負は1分間です。」と言ってからスタートの合図をして始める。

問題が起きたらすかさず罰則を追加

@アンフェアなプレー

このゲームでは、他の子のボールを蹴りだしたときに快感を得られる反面、出されると悔しい思いをするので、誰もさぼらずに夢中でやる。しかし、注意して見ていないとそのうちにもめごとが起こってくる。事の発端はアンフェアなプレーだ。間違って足を蹴ったのに対してお返しをするとか、ボールを出されたのにすぐにサークルから出ずに他の子のボールを蹴り出したりするようなプレーが増えてきて、だんだん険悪な状況になってくる。そういう問題が出てきたらすぐに注意するだけでなく、次のラウンド開始時に罰則を加える。例えば、「ボールを出された後で他の子のボールを蹴ったらグランドを1周させます。」などと言ってから始める。

Aじっとして動かない子

 隙は他の子のボールを蹴りだそうとするときに出来る。そのうち、ボールを追うよりじっとしていた方がボールを出されずに済むことに気づく子がでてくる。一箇所にじっとして動かなくなったらこの練習の意味がなくなってしまう。そういう子が出てきたらルールを追加する。例えば、「今度は終わるまでに他の子のボールを最低5回蹴りだしてください。出来なかったら10回腕立て伏せです。」というようなことを言ってから始めるとうまくいく。

ドリブルで敵(コーチ)をかわしてからシュート 

ドリブルで敵を抜く練習はこれまでいろいろやってきたが、守備は子供にやらせていた。守備の子がきちんとやっていれば練習になるが、ただ突っ立っているだけの様な子が守備をするとまったく練習にならない。抜く時にいろいろなアドバイスをしたり、悪い所を細かく指摘できるように、コーチ自身が直接守備者になってみた。

抜き方の基本

まず子供たちを集めて以下に示す基本的な抜き方をいくつか見せる。具体的な形を見せてイメージを植えつけるためだ。

@斜め左へ向かってドリブルし、守備の子が左に動いたら一度左足を大きく踏み込んで左から抜きにかかるようなふりをしてから急に右足アウトサイドで斜め右に方向を変える。

Aドリブルして守備の子に近づき、直前で急に右足のインサイドで切り返し、ボールを左横に出す。

Bドリブルして守備の子に近づき、直前でボールを右側(守備の子にとっては左側)から前方に出すと同時に左側からそのボールを追う。

やり方

ペナルティエリアのすぐ前に四角いエリア(横幅は7m位、縦は3m位)を作り、角にコーンを置く。四角いエリアから7m以上離れた所にスタートポイントを示すコーンを置き、そこに一列に並ばせる。コーチが1人四角いエリアの中に入る。

次にキーパーを決める。もう1人のコーチがやるか、いなければ子供でもよい。子供にやらせる場合は、まず希望者を募って順番を決め、5点入れられたら交替と言ってからやらせる。

「それでは順番にドリブルでこのエリアの中を通り抜けてからシュートしてください。次の順番の子は、前の子がエリアに入ったらスタートしてください。先に10点入れた子が優勝です。」と言って始める。

ねらいと効果

 抜く時にいろいろ声を掛けて指導する。上手な子には厳しいマークを、下手な子にはある程度守備を甘くしてやる。また、わざと右か左に寄ってある程度の隙を作って守備をする。子供達はその隙を狙ってくる。早く抜けようと自然とスピードがついたドリブルになる。真っ直ぐ正面に大きく蹴って走るだけの子には大きくクリアして痛い目にあわせ、そんなことでは突破できないことを早く気づかせてやる。

共通して言う掛け声は以下の2点だ。

@横にかわしてから縦に抜け!

Aスピードに乗って来い! 

高く上がったボールをショートバウンドさせてトラップ

空中を飛んでくるボールをきちんとトラップ出来るか出来ないかで、攻めの時は決定的なチャンスに、守りの時は目測を誤って頭を越えたりして突然のピンチを招いたりする。低学年では高く飛んできたボールが落ちる所を瞬時に見極められない子が大半である。高学年の子でもうまくできない子がけっこういる。しかもすぐにはこの感覚をつかめない。だから、低学年のうちからこのトラップ練習を数多くやるようにしている。今までは2人一組で向かい合っての練習ばかりだったが、今回は高く上がったボールをショートバウンドさせてトラップするだけでなくシュートを加えてみた。

見本

まずコーチが見本を見せる。ボールの跳ね際に足のインサイドを持って行く。うまくタイミングを合わせてショートバウンドさせるとボールに逆スピンがかかってボールは勢いをなくす。すかさずドリブルで持ち込んでシュートをする。

やり方

子供達を一列に並べて1人ずつ順番に行う。最初はコーチが手で投げ上げたボールをゴールから10m位の位置でトラップをし、ついでドリブルからシュートをさせる。キーパーはコーチがやる。慣れてきたら20m位離れた所に並ばせて、パントキックで高く蹴り上げたボールをトラップ後シュートをさせる。

うまくいかない子のパターンと対応策

・はずむボールを足の裏で上から強く押さえつけようとする。

 →足の裏を使ってもよいが、足の力を抜いて弾むところに単に出すだけで済むことを教える。

・目測を誤ってバウンドしたボールが頭を越えてしまう。

 →「頭を越えたら恥!次は失敗するな!」と叱って次は越えないように真剣にやらせる。

・ショートバウンドする前にボールに触ってしまう。

 →順番を待っている間に「できない子はこちらで特訓!」と言って2m位の距離からボールを投げ上げてショートバウンドのトラップをやらせる。うまくいったら「合格!はーい、次の子」と言って次々に特訓を繰り返す。