2年生の練習内容 

2002年5月号               改定:平成14年6月15日 

目   次

キーパー練習

走りこんだ所へパス

キーパー練習

 キーパーというポジションは、遊びなら進んでやる子も、いざ試合になるといやがる。理由の一つは攻めに参加できないから。もう一つは、試合に負けた時にキーパーのせいにされるからだ。全員が嫌がっては試合が出来ない。困るのはコーチの方だ。そこで今の時点ではキーパーは固定せず、全員が練習の中で同じ様に経験できるようにしている。キーパーの経験を少しずつでもさせておけば「キーパーなんか一度もやったことない」というような言い訳はできなくなるし、コーチから指名してもそれほど嫌がらずにやる。

今回は全員がキーパーだけをやる練習にしてみた。

 

準備

ゴールの両サイドにコーンを1つずつ置き、半分ずつに分けてコーンから順番に横に並んでもらう。ペナルティエリア中央のすぐ外側あたりにボールを置くエリアを作り、全員に手でボールを入れさせる。

 

ルール説明

「今からキーパー練習をします。最初は右側の子、次は左側の子というように交互にキーパーをします。コーチが出したボールを落とさずにキャッチできたら1点をもらえます。合計で5点取ると優勝です。コーチからボールを投げる前には必ずコーンを触っていてください。キーパーが終わったら必ずボールを手で円の中に入れること。」

@「最初は、コーチが投げる高いボールをキャッチしてください。必ず手のひらを上にしてがっちりと胸に抱え込むこと。」

誰かが5点取ったら、次の課題に移る。

A「今度はゴロのボールを蹴ります。両手を出してがっちりと胸に抱え込んでください。」

さらに、誰かが5点取ったら、次の課題に移る。

B「今度はバウンドするボールを投げます。両手を出してがっちりと胸に抱え込んでください。」

 

効果

 高いボールと早いボールには反応が極端に遅い子が多い。これは低学年の特徴である。こうしたボールに出来るだけ反応できるようにさせるのが目的だ。上手な子でも手先だけで取ろうとすると大抵は落としてしまう。胸を使ってがっちりと取ることを覚えれば試合でも自信がつくはずだ。

この後、試しに顔に向けて投げ、両手を顔の前に出して取らせる練習をやってみたが、うまく出来る子はほとんどいなかった。うっかりすると、顔面に直撃してしまうので、途中でやめた。もうちょっと大きくなってからやることにする。

 

 

走りこんだ所へパス

2年生になってから練習試合を何回かやったが、人数がある程度を超えると相も変わらず団子サッカーになってしまう。ドリブルもパスもほとんど無しで、団子の中で互いに前に蹴りあっているだけの子が大多数だ。これまで色々な練習をしてきたのになかなか試合では練習成果が出てこない。練習の成果が出るには、相手が1人、味方が1人位が限度のようだ。周りに人がたくさんいて選択肢が2つ以上あると混乱してより単純な方に走ってしまうからだと思われる。今回は、団子サッカーから少しずつ脱皮を図るために、まずは味方が走りこんだ所にパスをする感覚を身に付けさせる練習をやってみた。

単調でハードな内容にならないように以下の2点を練習の条件に入れることはこれまでと同じだ。

@勝ち負けがはっきりしていること。

A得点をしたことが、自分のチームの勝利に貢献すること。

 

チーム分け

まず全員を集合させて一列に並ばせる。「前から順番に番号を言ってください。番号を言った子はすぐに座ってください」。こうすると、たちまち順番が決まってしまう。そこで、たとえば12人いたら、「1,2,5,6,9、10番の子はゼッケンをつけてください。」と言って、ゼッケンをつけさせる。

 

準備

下図に示したように大きなコーンを左右対称に2つずつ置く。手前のコーンはスタート地点。斜め前のコーンはボールをもらう時にその外側を回らせるためだ。ボールを置くエリアを作り、全員に手でボールを入れさせる。得点用の小さなコーンをボールの置いてある後ろに各チーム分10個ずつ置く。

 

ルール説明

「まず、各チームの順番を決めてください。その順番でキーパーを交替します。ルールを説明します。最初にどちらか一方のチームの子が手前のコーンの所からスタートし、斜め前のコーンの外側を回ります。次の順番の子は前方に回りこんできた子に合わせてインサイドでパスを出してください。パスをもらった子は相手チームのキーパーと勝負してゴールを狙うこと。得点できた子は小さなコーンを自陣へ持っていってください。」と言ってから始める。

 

ねらいと効果

 ねらいは2つ。1つは、走りながらボールをもらう感覚を身に付けること。もう一つは、走っている子のスピードに合わせてパスを出すことだ。パスはコーチがやってしまうことが多いが、敢えて子供にやらせることだ。走ってきた味方の子のスピードに合わせるには、強すぎても弱すぎてもダメで、その加減が難しい。しかし、しばらくやらせると、結構うまくなってくる。また、何人かのキーパーはパスカットを狙って突っ込んでくる。これを見ながらトラップしたりするのは結構実戦に近いと思う。