2年生の練習内容 

2002年9月号           改定:平成14年10月12日 

目   次

ボールリフティング競争

ワールドカップ

休憩前の課題

ボールリフティング競争

 ボールリフティングは基本中の基本練習と考えて毎回最初にやっているが、この頃は半分以上の子があまり気が乗らない感じだ。ふざけてぜんぜんやらない子もいる。もう2年生になって半年が経過したのに、誰一人として10回を超えられない。これではまずいと思い、今月よりやり方を変えることにした。それは、これまでのように「目標は連続5回です」というような課題達成型を止め、全員の中で一番回数の多かった子をリフティングチャンピオンとしてみんなの前で発表する形式とした。

やり方

 全員を集めて、「今から一斉にリフティング競争をします。3分間で連続何回できるかの競争です。笛がなったら始めてください。」と言ってから「ピーーッ。」と笛を吹いた。

 今度は皆一生懸命だ。皆連続回数を増やそうと必死でやっている。

そのうちにあきらめていい加減にやり始めた子が増えてきたら、「ハーイ。あと1分」などと残り時間を言う。そうすると、ほとんどの子が思い直して一生懸命やりだす。

動機付け

しばらくして3分が経過したので、全員を一箇所に集めて、「それでは、回数の確認をします。2回しかできなかった子は座ってください。」と言うと、さすがに2回しかできない子はいなかった。

「それでは3回できた子は座ってください。」と言うと、今度は半分以上の子が座った。

このように続けて最後に8回できた子が4人残ったので「今日のチャンピオンはこの4人です。拍手―っ。」と言って終わりにした。

人間は、「他人に勝つ」ことや「他の子より優れている」ということを皆の見ている前で認めてもらいたがる。大人より子供の方がその傾向が強いような気がする。自主性が出るまではこの特性を利用してやっていこうと思う。

ワールドカップ 

久しぶりに「ワールドカップ」をやってみた。これまでは、別の形式での1対1や2対2を数多く練習してきたので、そろそろ人数の少ないミニゲームに時間を多く割いて試合感覚を早く身につけさせようと思う。

この「ワールドカップ」は、1チームの人数が3人、多くても4人が限度だ。それ以上だと自主的にゲームに参加できない子が出てきてこの練習の主目的である自主性が養えなくなってしまう。グランドが半面確保できれば条件はクリアできる。コートを単純に3分割または4等分するだけで楽にコートが作れるからだ。準備に手間をかけていると子供達は好き勝手な行動に出て収集がつかなくなってしまうので、まずは充分なコートの確保ができるかどうかでワールドカップをやれるか判断している。

例えば人数が26人の日もあったが、3人チームを6組、4人チームを2組作り、全部で8組作って同時に4試合ができるようにした。

ルール

1.1試合の時間は3分〜5分。

2.ジャンケンでキックオフする方を決める。

3.キックオフは相手にボールをパスして相手がそのボールを返すことで開始。

4.ゴールに入ったら、入れられた方から相手にパスしてそのボールを返すことで再開。

5.ゴールの周りにキーパーエリアを半円でつくり、この中は守備側であったら誰でも手を使えることにする。

6.コートは例えば4試合分が同時にできるように4つ作ったら、各々のコートに対して「ワールドカップ」、「Jリーグ」、「神戸リーグ」、「少年リーグ」といったような、ランクが容易にわかる名前をつける。もちろんトップランクはワールドカップだ。

7.勝ったチームは上位へ、負けたチームは下位へ移動する。引き分けの場合はジャンケンで勝ち負けを決める。

ねらいと効果

上位を狙おうと皆一生懸命やるので確実に力が付く。

勝ち負けが移動という分かりやすい形で出てくるので、やりがいがある。

同じチームで続けるので、連帯感やチームワークができる。

休憩前の課題

休憩前の課題も少しずつ変えてきている。休憩ごとに以下に示したように違う課題を与えていく。

1.リフティングシュート

 ボールをリフティングして直接ゴールに入れる。リフティングは連続最低2回は行うように指示する。

 最初のスタートラインはペナルティエリアの外で、段々前にずらしていく。

2.トラップからシュート

ボールを手で投げ上げて次の3箇所でトラップしてからシュート(合計3点入れる)。

   @頭  A胸  Bインステップ

最初のスタートラインはペナルティエリアの外で、段々前にずらしていく。

3.頭越えのボールを反転してシュート

ゴールを背にして足で上げた頭越えのボールを反転してノーバウンドまたはワンバウンドでシュートする。

4.パントキック

ペナルティエリアの外からパントキックでゴールのバーを越える。

5.ジャンプボレーとオーバーヘッド

ゴールから2m位離れた距離から直接入れる。

ジャンプボレーは、体がゴールの方を向いた状態から手で投げ上げたボールを空中でインステップに当てる。空中でボールを蹴るには、右利きの場合、まず右足で踏み切って左足を前に上げその反動で右足で蹴る。この時つま先が地面の方を向いていないと、ボールは高く上がってしまう。

オーバーヘッドは、ゴールを背にした状態から手で投げ上げたボールをジャンプボレーと同じやり方で、空中でインステップに当てる。つま先はジャンプボレーの時とは逆に上を向いていないと後ろに飛ばない。オーバーヘッドというと普通は後ろに倒れこむが、この場合は立ったままボールが頭を越えて行けば良しとする。