3年生の練習内容 2003年5月号 作成:平成15年5月24日 |
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●正面から来る敵を横にかわす 試合会場では場所が十分確保ができないことが多い。こういう時には、7〜10m位の距離を空けたところにマーカーを置いてそれぞれのマーカーの後ろに1列に並ばせていろいろな基本練習をさせている。 今回は、正面から来る敵を横にかわす練習をやってみた。
練習のポイント 1.パスアンドゴーの徹底 大抵の子はパスした後ボールの行方を見てしまう。Aにはパスした後ダッシュしてBに近づかせる。パスアンドゴーが原則だ。さらにBに近づかずに反対側の列の後ろに直接行ってしまう子もでてくるので要注意だ。 2.トラップする瞬間を狙わせる Aには真っ直ぐ全力でBに向かってボールを取りに行かせる。横にかわすという基本練習なので始めからワンサイドカットのような回り込むボールへの寄りはさせないほうが良い。そういうやり方は相手が100%横にかわせるようになった時点である。まずはBまでの最短距離を全力で近づかせてBがトラップする瞬間を狙わせた方がよい。 3.相手をぎりぎりまで引き付けてから横にかわす Aがまだ近づかないうちに斜め前にボールを出してしまう子も出てくる。これではAをかわせずにボールを触られてしまう確率が高くなる。ぎりぎりまでAを引き付けてからであれば、ちょっと横にボールを出すだけでAをかわせるはずだ。 4.Aの勝負は1回だけ 一度かわされたAがしつこくBのボールを奪いにいくと後ろで待っている子の練習ができなくなるので、Aのボールを奪いにいける回数は1回までとする。 5.かわした後はすぐにパス Aをかわした後、Bにはすぐにパスをさせるように言う。ドリブルをさせてしまうとCまでのパスの距離が短くなり、CにとってはせまってくるBをかわすのが難しくなるからだ。また、試合では敵をかわした後はドリブルではなくパスを先に考えさせた方がよいのでその練習にもなっている。 結果 まだこの練習のやり方が理解できない子がまじっているブロックでは、まともな練習にならなかった。まず、パスがインサイドでできない。パスがそれる。パスしたのに、走らない。走ってもボールを取りに行かない。ボールが自分にパスされたら前へ蹴ってしまう。かわしたのにパスせずにドリブルで相手のところまでいってしまう。1人でもそういう子がいたらこの練習は続けられないので、時々練習を止めてできない子に個別指導をした。 基礎がしっかりしている子が集まったブロックでは、何回か注意をしているうちに半分以上ができるようになった。かわすタイミングも、回を重ねる毎に要領を得てきた。何よりミニゲームで正面から突っ込んでくる相手を横にかわせる子が増えてきたのは、この練習の成果ではないかと思う。 |
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●パントキックから2対2の競り合い 以下は最近の公式試合や練習試合での反省点である。 @高い球の処理がうまくできない。目測を誤って頭上を越えてしまうか、トラップしてもボールが体から大きく離れてしまう。 A大きなエリアになる程判断力が鈍り、高く上がったボールへ寄るスピードが遅くなる。最初から見ているだけで近寄ろうとしない子もいる。 B長い距離のドリブル突破ができない。途中で力尽きて取られるか、強く蹴りすぎて相手のゴールキックになってしまう。 C大きなエリアでオープンスペースにいる味方を見つけられない。ゆえにフリーな味方にパス(特に横方向)を出すことが出来ない。 今回は、これらの問題を同時に改善しようと下の図に示した練習をやってみた。 この練習はいきなりやるのではなく、導入練習としての「1対1の競り合い&シュート」をしばらくやって、1対1の勝負勘をつかませてからにした。 練習準備 全員を半分に分け、片方のチームにビブスを付けさせる。ハーフコートにミニゴールを2つ置き、ゴールキーパーを互いのチームから1人ずつ出す。各チームをさらに2つに分けてタッチラインに向かい合わせになるように並ばせる。一方のタッチラインに円を作ってボールを集めさせる。 説明 「今からパントキックで上げたボールを、2対2で競り合ってシュートをしてください。それぞれの場所から1名ずつ、各チーム2人ずつの2対2の競り合いです。キーパーも競り合いに参加してもかまいませんが、キーパーはシュートができません。また、ハーフラインから出られません。ボールがラインの外に出たら引き分けとします。ゴールが決まったチームは得点板に記入してください。勝負が終わったらボールは必ず円の中に戻してください。それでは、各列の先頭の子は手を上げてください。」 効果 @高く上がったボールに対してとりあえず落下地点に走りこむ感覚が身についてくる。どこではずむか目測がつかない子でも何回かやっているうちに誤差が少なくなってくる。 Aキーパーになった子は、待っている時間帯がなく連続でこのゲームに参加できるので、好んでやる。しかもハーフラインまで自分の意思で動けるので、広い範囲でのキーパーの攻撃や守備感覚を覚えさせられる。 Bゴールを決めるまでの選択肢が多くあり、実際の試合に近い感覚を身につけられる。長い距離のドリブル突破からシュート、フリーな味方へのパス、フリーな位置でボールをもらう動き、キーパーの動きを見てシュートする、などなど。
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