羽 山 (はやま) 横 穴

                                     ▼ 原町市中大田字天狗田・字西畑
                                     ▼ 常磐線原町駅バス小高行羽山嶽下車3分

 相馬馬追祭・雲雀ヶ原の南隣に原町市営陸上競技場があり、そこから旧浜街道に沿って700mほど南に行くと、右手に羽山岳があります。バスを降りて羽山木戸跡を通るとすぐ目の前に丘が見えて、その頂上近くにコンクリートで外装された羽山横穴(国史跡)があります。
 羽山横穴は、1973(昭和四八)年四月、羽山岳斜面の宅地造成中に発見されました。横穴とは横穴古墳のことで、古墳時代末期の豪族の墓です。埋葬した部屋を玄室といい、玄室は一辺が2.7m〜2.95mの長方形で、天井の最も高いところが1.80mあります。その玄室の奥壁と天井に朱と白色で絵を描いた装飾横穴古墳です。奥壁には朱(酸化鉄)で人物4・馬4・蛇行文1・長方形のシェルエット1、さらに白色粘土を使った絵の具で白く塗った上に朱の斑点を加えた白鹿1・朱と白の線で連結した朱色の渦巻文2・といった構図の絵があり、天井には朱と白の円文が一面に散らばっています。 これらは七世紀初め頃の狩猟様子を描いたものと思われますが、渦巻文がなにを意味すのか不明です。玄室床面からは副葬品の鉄製直刀・金銅装太刀・青銅製釧(くしろ)・ガラス製小玉(装身具)などがみつかっています。

                           前ページに戻る