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耶麻郡高郷村塩坪字車地蔵 「荻野石」の産地として知られる荻野の駅前商店街を通り抜けた所に高郷村郷土資料館があります。1983(昭和五八)年に開館した館内には、村内から産出した貝化石やオオカイギョウなど、海生哺乳類の化石、漆かき・蝋しぼり・紙漉(す)きなど、かって村内で行われていた伝統産業の用具、塩坪遺跡から出土した旧石器など、学術上貴重なものが展示されています。 資料館から阿賀川に沿って約3km歩くと塩坪遺跡につきます。その東端にある塩坪遺跡は、1966(昭和四一)年8月に発見された、福島県を代表する旧石器時代の遺跡です。調査の結果、今から1万5000年前の後期旧石器時代に属するナイフ形石器、エンドスクレーバーなど多数発掘され、関東地方と東北地方の両地域に通ずるナイフ形石器文化であることがわかりました。1986年7月、この遺跡から6km離れた耶麻郡西会津町登世島(とせじま)の山本遺跡から、塩坪遺跡と同系とみられるナイフ形石器が発掘され、阿賀川流域の旧石器文化の性格を解明する上で貴重な資料を提供しました。 |