福島県の風土

 県土の「土台」をなす地層が形づくられたのは、今から少なくとも6400万年前よりも古い時代で、阿武隈山地の花崗岩類や、相馬やいわき地方の砂岩・粘板岩・石灰岩などは、2億4000年よりも前の古生代に形づくられ、東白川郡古殿町を中心に分布する鮫川石とよばれる変成岩類や飯豊山地・南会津の山々などに分布する砂岩・粘板岩・チャート石灰岩などは、6400万年よりも古い中世代に形づくられたといわれています。

 福島県は、阿武隈山地と奥羽山脈によって太平洋沿岸の浜通り、阿武隈川沿いの中通り、阿賀川沿いの会津の三つの地区に区切られており、自然環境も大きく違っております。1871(明治四)年の廃藩置県後におかれた平・二本松・若松の三県も、そうした自然環境をもとにして設けられたものと考えられます。

 自然環境を地区ごとに見ると、会津は周囲を奥羽・帝釈(たいしゃく)越後・飯豊の山並みに囲まれ、新潟県境は全国屈指の豪雪地帯となっています。豊かな山の幸と水に恵まれ、それが今日の会津の米・酒・会津漆器・電力等の産業を支えてきています。
 
 中通りは、会津に雪を落とし、浜通りに雨を落とした乾いた風が吹くため、空気は乾燥しています。阿武隈川や久慈川によって造成された堆積平地が展開し、桑・タバコ・コンニャク・野菜・果樹・牧畜などと工業が発達しました。県北の福島は盆地状になっているため、夏にはしばしば全国一の高温になります。
 
 浜通りは、太平洋に面して海の幸に恵まれ、古くから水産業が盛んでしたが、北部の相馬地区には原釜港と景勝松川浦があり、相馬港を中心とする地域開発が進められています。中部の双葉地区には電力業が進出しており、南部のいわき地区は、県内でいちばん温暖なところで、柑橘類が生育します。石炭産業にかわって国際港小名浜を中心とした工業の発達がめざましくなっています。

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