後藤次利資産
後藤次利/LP/City Trickles
FITZBEATからの第3段。そしてある種、完成型を示したようなアルバムとなった。
これは6曲*2枚組という形で発売され、それぞれOuter movement、Inner movementと分けられ、対照的でもある色分けがされている。
Outerの方は、ベースプレイヤーとしての色を強く出しており、インスト曲が中心。そして、前作よりもベースを一段控えめに(とはいえ十分に目立っているのだが)して、バンド演奏というような色合いを濃くしている。
そしてInnerがまた画期的であった。フィッツビートの第3段アーティストとしてデビューし、ブレイクしたレベッカのNOKKOから直々に指導を受け、画期的に向上した歌唱力で自らのボーカルを1曲披露しているのも素敵であるが、それよりも、全面的に透明な声質の女性ボーカルを起用して、作曲家・編曲家としての立場を強めた作品という形で製作されたのである。これが絶妙にセンスが良く、結果、このアルバムの完成度を高める結果となった。
そしてこの手法は、原田知世の「Soshite」などの作品に応用され、普遍化し、後のおにゃんこ系アイドルのプロデュースでの大ブレイクに繋がった。
そう言う意味でも意義は高いのだが、結果として、「そっちの方が売れる」と割り切ってしまったのか、その後全く後藤氏はリーダーアルバムを出さなくなってしまった。これは大いなる損失かもしれない。ということで、今後の氏の活動に期待したいところである。
これこそCD化が待望されるね。是非要望をお願いします。
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