後藤次利　アルバム資産

　待ちに待った新作が、遂に発売になった。

　全ての楽器を自分で演奏したセルフアルバムになるらしい、ということを聞いていたので、実は若干心配していた（特にフュージョン・ロック系のミュージシャンがこれで失敗することが多い）のだが、それは杞憂に終わった。

　チョッパーやピック弾きをほとんど封印してジャジーなベースが強調されているのだが、それが打ち込みのサウンドと見事に融和して、独特な趣を醸し出している。

　改めて思ったのだが、後藤氏の作品は、あまりアーティスティックでないような気がする。難しくないということなのだが。ある種世俗的な感じがする。
　しかし、あまりにもセンスがいい。つまりかっこいいのである。よって、色々なエッセンスが入りながらも、ノンジャンル的な雰囲気が漂うのだと思う。

　どっぷり聴きいっても、ドライヴのＢＧＭにしても、クラブシーンで踊っても合うよね。このあたりが、ヒットメーカーに繋がる部分なのだろう。

　サイケなジャケットは木梨憲武氏によるものらしい。