イコシン資産

　FITZBEATレーベル第１段として、後藤次利のBREATHと同発されたファーストアルバム。プロデュースは後藤次利。

　どういう背景でデビューになったのか、とか、どういう人たちなのか、など、ほとんど良くわからないまま発売されたのだが、レーベル自体に興味があったため、買ってしまった。

　ちなみに、その当時わかったことは、この３人は兄弟らしいということと、帰国子女らしい、ということのみであった。

　メンバーは
山本振市（ボーカル・ギター・ベース）長男らしい。
山本生留成（キーボード）次男らしい。
山本こうめい（ドラムス）漢字表記は不明。三男らしい。

　BREATHにもピアニストとして参加している生留成（いるせい）はアルファベットではElseと表記される茶目っ気もあり、当時としては独特の耽美主義的メイクもあって、とにかく謎めいていた。

　アルバムはキーボード中心のアレンジで、幻想的な作風になっている。意識的にコーラスを深くかけたベースがちょっと弱い感じがしたし、ボーカルも少しパワーに欠ける感じの第一印象を受けたのだが、それ以上にポジティブなインパクトを与えたのが、色彩感溢れる「詞」であった。日常感が感じられないような、そんな美しい世界が描かれていたのだ。そして、それは外国人が描く日本美のような、独特な和洋折衷的趣もあったのである。

　この世界観には大いに興味をそそられた。可能性を感じた。とにかく次作も買おうと思った。