ほしたびの旅

内之浦宇宙空間観測所特別公開の旅2014

内之浦宇宙空間観測所特別公開2014

3日目の11月9日(日)、昨晩降り出した雨が今朝もまだ弱いながらも残っている。片付け終わり、雨もやんできたので7:20に出発。内之浦宇宙空間観測所施設特別公開イベント会場行きのシャトルバスが出ることになっている内之浦漁港広場に7:45頃到着。シャトルバスの始発予定は8:50の予定なので周辺をまわる。観測所からロケットが打ち上げられているだけあって、橋の欄干の端にロケットのオブジェがあったり、「ロケット」の名をつけた店があったり・・・。

肝付町内の橋の欄干
肝付町内の食堂
和洋菓子店、ぎんじ堂

店看板の文字の一部がはずれている「ぎんじ堂」という和洋菓子店があり、ショーケースにはお菓子が並んでいたので入ってみた。8時頃からやっているらしい。「ロケット最中」(80円)と「はなつまみ(白あん)」(60円)というお菓子を買って食べる。ロケット最中はその名の通りロケットの形をした最中で、透明っぽい白あんにマーマレードのような柑橘系の何かが混ざっているような餡で、普通においしい。「はなつまみ(白あん)」はこれまたその名の通り鼻をつまんで両側がへこんだような形をしていて、白あんを餅で包んで砂糖をまぶしていて、甘みを感じる餅菓子。

肝付町、ぎんじ堂の和菓子
ロケット最中

はなつまみ

内之浦漁港広場に戻る。シャトルバスに乗り込み、待っていると、予定より10分程早く出発、8:57にメイン会場前に到着。メイン会場は、M台地にあるMロケット組立室。M台地では以前はM(ミュー)型ロケットが打ち上げられていて、現在はイプシロンロケットの打ち上げに使われている所である。

シャトルバス乗り場になっている
内之浦漁港広場
イベントメイン会場
Mロケット組立室に到着

M-Vロケット実物大模型

公開イベント開始時間は9:30からなので、とりあえず建物裏側屋外に展示されているM-Vロケット実物大模型を見る。ロケット整備塔も見える。ロケット組立室入口に戻って待っていると、予定より15分早く9:15に会場となった。総合案内書で案内図やスタンプラリー用紙などもらう。それから9:45からのプラネタリウム向け映像作品「HAYABUSA2」ビデオ上映の整理券と10:30からの宇宙教室特別講演の整理券を入手した。その時間まで近くの展示を見る。「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子を顕微鏡で見るコーナーとかもある。

9:45から上映の「HAYABUSA2」を見る。初代はやぶさを振り返る最初の約10分程の感傷的なくだりはつまらない。その後は、はやぶさ2機体の構成や、それを打ち上げるためのH2Aロケットについての解説はよかった。10:30からは講演「はやぶさと雛たち~内之浦から始まった始原天体探査が描く新しい太陽系像~」を聴講する。宇宙塵の研究で太陽系誕生の様子を調べる話からはやぶさが降りた「いとかわ」の話、はやぶさのカプセルをオーストラリアから日本に運ぶ際の検疫・税関の話など、おもしろかった。

M組立室裏側出口付近に、肝付町物産販売店ブースがあり、菓子・加工品・弁当等が売られている。そこで500円の弁当を買って食べる。

食べ終わってそのまま外に出る。空はまだどんよりしている。ロケット整備塔の向こう側まで行って振り返ると、M型ロケット時代に安全な方向に火焔を逃がすための火焔偏向板があり、その真ん中あたりに現在のイプシロンロケット用煙道が作られている。

M組立室に戻る。肝付町のゆるキャラ「いて丸」くんが歩いている。「いて丸」くんは、やぶさめの「射手」と探査機「はやぶさ」を合わせたものらしい。宇宙服レプリカ試着体験 & 記念撮影コーナーがあったので、着てみた。(^^)

M組立室を出てM管制室へ移動。こちらは、ロケット打ち上げ前の発射整備作業やカウントダウン作業等を行う所。階段を下りて地下へ。部屋の中には制御卓やら何やらいろいろ並んでいる。リフトオフ検出装置とランチャー管制装置はイプシロンロケット打ち上げ時でも使っているが、他はM-Vまでで今は使っていないとのこと。

外に出ると急速に晴れ間が広がってきた。再びMロケット整備塔を見に行く。発射装置(ランチャー)の駆動実演が行われていて、ランチャーが整備塔から旋回して出され、煙道の上にセットされる。青空に映えて綺麗だ。整備塔の扉が開いたり閉じたりされている。


ランチャーが出された

整備塔の扉が閉まる

施設は高低差のある台地に点在しているので、イベントではその各場所を巡る巡回バスが用意されている。巡回バスに乗ってM台地を離れ、観測所で一番高い台地である衛星ヶ丘展望台へ移動する。そこには主に地球周回衛星の追跡を行う直径20mパラボラアンテナがある。

展望台からは最初に見て回ったM台地や、テレメータ台地が見渡せる。


M台地を見下ろす
34mパラボラアンテナが鎮座する
テレメータ台地

巡回バスに乗り、テレメータ台地に移動する。そこには科学衛星の追跡を行う直径34mパラボラアンテナとテレメータセンターがあるがある。


34mパラボラアンテナ

道路を挟んで反対側の海側には、KS台地から観測ロケットを打ち上げる際の管制作業が行われるコントロールセンターがある。中に入ると、管制卓等が並んでいる。机の上に何やら怪しい下駄が置かれていた。


コントロールセンター内部

巡回バスで管理棟前まで下る。日本の宇宙開発の父である糸川英夫博士の像と日本初の人工衛星「おおすみ」打上げ記念碑がある。

糸川英夫博士の像
人工衛星「おおすみ」打上げ記念碑

観測用S型ロケットの組立・打ち上げが行われるKS台地に歩いて登る。昔はK(カッパ)ロケットも打ち上げられていた。奥に大きなKS発射ドームが見える。まずはKS組立室を見る。水ロケット製作・打上げ体験をやっている。台地の奥にはM-3Sロケット実物大模型が横たわっている。


KS台地のKS発射ドーム

M-3Sロケット実物大模型

KS発射ドームの中に入ると、S-310型観測ロケットがランチャーにセットされた状態と、S-520型観測ロケット用ランチャーが置かれている。発射時にはこの建物の天蓋が開かれて打ち上げられる。

発射ドームのすぐ隣には固定式の新型ランチャーが設置されている。S-520型観測ロケットがセットされた状態でランチャーの駆動実演が行われている。ランチャーは三菱重工メカトロシステムズ社製。今ある伸縮式のカバーは仮の物だって。

観測ロケット用、固定式の新型ランチャー

KS台地から、観測所入口にある宇宙科学資料館まで歩いて降りる。国道を挟んで反対側にはドーム型の公衆トイレがある。ついでに資料館内をざっと周る。


ドーム型の公衆トイレ

巡回バスでM台地に戻る。スタンプラリーが完成したので記念品をもらう。記念品は「宇宙兄弟」のクリアファイル。

これで観測所特別公開会場を周るのは終了。15:30頃シャトルバスに乗り、内之浦漁港広場に戻る。