小ネタ集
GeForceFX Go5600を採用したノートパソコン
東芝、DynaBook G8/U25PDDWを発売
(2003年5月13日著)

DynaBook G8/U25PDDW
DynaBook G8/U25PDDW

 2003年5月12日、東芝は、個人/家庭向けノートパソコンの「DynaBook G」シリーズの新製品として4モデルを発表した。今回は最上位モデルのDynaBook G8/U25PDDWを紹介しよう。

GeForceFX Go5600を採用
 
 この製品の特徴は、何と言っても「GeForceFX Go5600」を採用しグラフィックメモリを64MBも搭載したたグラフィック性能の高さだ。GeForceFX Go5600は、nVIDIAのデスクトップパソコン向け最新グラフィックチップであるGeForceFX 5600Ultraをノート製品向けにしたものだ。デスクトップ版と比べて省電力化し、さらに省電力機能「PowerMizer 3.0」を搭載している。これまでのノート向け高性能グラフィックチップでは、GeForce4 460/440/420GoやMobilityRADEON7500はDirectX7世代の製品、GeForce4 4200GoやMobilityRADEON9000のDirectX8.1世代であるが、GeForceFX 5600GoはDirectX9世代の製品だ。ちなみに、デスクトップ版ではGeForceFX5800/5600/5200とあるが、ノートパソコン向けはGeForceFX Go5600とGo5200のみであるため、今回は最上位製品が採用された事になる。DirectX9世代の製品としてはATIからもMobilityRADEON9600が発表されているが、採用製品はまだ出荷されていないためこちらが先となる。
 これまでも、DynaBook GシリーズではGeForceシリーズを採用してきたが、DynaBook G8/U25PDDWでもGeForceFX Go5600をいち早く採用したきたわけだ。
 さすがに最上位製品だけあり、これまで最高性能を持つと言われていたGeForce4 4200GoやMobilityRADEON9000搭載機よりも10〜30%もの高い性能を持つ。ノートパソコンのでは最高峰であることはもちろん、デスクトップパソコンと比べても、かなり上位の性能を持つ事になる。これならば3Dが多用されたゲームをプレイすることも可能だろう。

ぬかりない基本性能
 
 その他の性能も抜かりはない。CPUには最新のモバイルCPUであるMobilePentium4-2.5GHz-Mが採用され非常に高い処理性能を持つ。チップセットはi845Pで、メモリは512MB(PC2100 DDR SDRAM)である。最大1GBまで増設も可能だ。ハードディスクは80GBあるので、容量にはかなり余裕がある。左側面にはDVDマルチドライブが搭載されているためDVDの作成も可能だ。書き込み・書き換え速度はDVD-Rが2倍速、DVD-RWが1倍速、DVD-RAMが2倍速、CD-Rが16倍速、CD-RWが8倍速だ、読み込みはDVD-ROMが8倍速、CD-ROMが24倍速となる。
 右側面にはマルチスタイルベイがあり、オプションのTVチューナユニットや60GBハードディスク、3種類のメディアが扱えるブリッジメディアスロット2、2基目のDVDマルチドライブのいずれかをを内蔵できる様になっている。自分の使用スタイルに合わせた機能を追加することが出来るので、非常に便利だと言える。ただし、前モデルでは標準添付であったTVチューナユニットがオプション扱いになっている点には注意したい。また、液晶ディスプレイは前モデルから引き続き、UXGA(1600×1200ドット)表示対応15インチClear SuperView液晶を採用する。低反射コーティングを施した液晶は鮮明で滑らかである。
 インターフェースはUSB 2.0×3、IEEE1394、光デジタルオーディオ(S/PDIF)、赤外線通信(IrDA 1.1)を装備し、PCカードスロット(Type II)×1、SDカード×1を持つなど豊富だ。無線LAN(IEEE 802.11a/b準拠)に加えBluetooth、10/100BASE-TX対応有線LAN、V.90対応56kbpsモデムを持ちあらゆる環境での通信が可能だ。
 本体のデザインはプレミアムブルーのクリアコートをした塗装で、曲線を生かしたデザインと共に高級感を出している。キーボードは配列に無理のなく、Enterキーの右側にキーを配置せず、一部の記号キーの横幅が狭められることもなく、またファンクションキーとの間に隙間があるなど使いやすい配置だ。  OSはWindowsXP Professional SP1で、本体サイズは幅334×奥行き305.8×高さ55.2mm(最薄部32.8mm)、重量は約3.6kg、約2.6時間のバッテリ駆動が可能だ。

高音質のスピーカーとスピーチレコグナイザー
 
 本機のもう一つの特徴は、Bluetooth対応のワイヤレスヘッドセット「スピーチレコグナイザー SR-1」を用意したことだ。残念ながら標準添付されるのは一つ下のモデルG8/X20PDEBのみで、本機にはオプション扱いとなるが、新しい使い方を提案する製品として興味深い。
 スピーチレコグナイザー SR-1は見通し約10m以内でのワイヤレスヘッドホンとして使用できるのはもちろん、音声を使ったDVDビデオや音楽CDのリモート操作も出来る点がポイントとなる。また標準搭載の音声認識/合成ソフト「LaLa Voice」を利用する文章入力や音声チャット、インターネット電話もワイヤレスで行なえる。
 また、harman/kardon製のスピーカーに加えサブウーファーを内蔵するため、ノートパソコンとは思えないほど高品質のサウンドである。DVDビデオの再生等に特に重宝するだろう。

クリアパッドを搭載
 
 ポインティングデバイスにも新機能が搭載されている。一見、従来のタッチパットと変わらないように見えるが、クリアパットと呼ばれ、カレンダー・電卓・世界時計・アニメーションなどの機能を切り替えて表示できる(バックライト付き)。パット中央のボタンを押すと液晶ディスプレイのように表示されるこの機能は(図参照)、これまでにはなかった機能で非常に興味深い。

クリアパッド
クリアパッド

 このように数々の機能が追加されたDynaBook G8/U25PDDWは、ハイエンドノートと呼ぶにふさわしい。価格も39万円前後と決して安くはないが、高い基本性能やスピーチレコグナイザー等に魅力を感じるならば、購入するときの候補にしてみてはいかがだろうか。
 なお、CPUをモバイルPentium4-2GHz-Mに変更し、液晶ディスプレイの解像度がSXGA+になるG8/X20PDEW(実売価格約30万)や、それにスピーチレコグナイザーが付属するG8/X20PDEB(同33万円)、グラフィックやHDDなども性能を落としたG8/X20PDEW2(同27万円)もあるため、予算や必要スペックにあわせて検討して頂きたい。

品番G8/U25PDDWG8/X20PDEBG8/X20PDEWG8/X20PDEW2
CPUモバイルPentium4-2.5GHz-MモバイルPentium4-2GHz-M
チップセットIntel845MP
メモリ512MB(最大1GB)
PC2100 DDR SDRAM
256MB(最大1GB)
PC2100 DDR SDRAM
グラフィックGeForceFX Go5600(64MB)GeForce4 460Go(32MB)
HDD80GB60GB
メディアドライブ DVDマルチドライブ
DVD-R書込み : 最大2倍速
DVD-RW書換え : 最大1倍速
DVD-RAM書換え : 最大2倍速
CD-R書込み : 最大16倍速
CD-RW書換え : 最大8倍速
DVD-ROM読出し : 最大8倍速
CD-ROM読出し : 最大24倍速
ディスプレイ15インチClear SuperView液晶
UXGA(1600×1200)
15インチClear SuperView液晶
SXGA+(1400×1050)
カードスロットPCカードスロット(TypeII)×1
SDメモリーカードスロット×1
USBUSB2.0×3
無線LANIEEE802.11a/bIEEE802.11b
その他通信Bluetooth・10/100BASE-TX対応有線LAN・V.90対応56kbpsモデム
スピーチレコグナイザー SR-1オプション標準添付オプション
OSWindowsXP
Professiona SP1
WindowsXP
HomeEdition SP1
Office マイクロソフト OfficeXP Personal
本体サイズ幅334×奥行き305.8×高さ55.2mm(最薄部32.8mm)
本体質量約3.6kg(バッテリパック、マルチスタイルベイにウェイトセーバ装着時)
バッテリ駆動約2.6時間約2.9時間約3.5時間

製品情報ページhttp://dynabook.com/pc/catalog/dynabook/030512g8/index_j.htm
プレスリリースhttp://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_05/pr_j1201.htm