得ぬ飯椎 PhoneC PH170/1Pを発売 〜エイプリルフールネタ〜 (2004年4月1日著)
得ぬ飯椎は「PhoneC」という新シリーズの製品を発表した。この製品は何と言っても携帯電話に似せたスタイルであることが特徴だ。といっても、携帯電話の機能を持つ訳ではなく、あくまで携帯電話の形状をしているだけである。また、そのまま携帯電話の形では液晶ディスプレイが縦長になってしまうため、携帯電話を横にのばしたような形状をしている。シリーズ名の「PhoneC」は「Phone」と「PC」をくっつけたものであるとの事だ。 携帯電話型と言っても、サイズはパソコン並みだ。幅285mm×奥行281mm×厚さ29.8mmとなっており、携帯電話型を重視したため幅と奥行きがほぼ同じになっており、また前面が曲線を描いた特殊な形状をしている。サイズはかなり大きい物の厚みが抑えられているため、重量2.35kgというギリギリ携帯できる範囲内に収まっている。この本体に、12.1インチ液晶とDVD-RWドライブを内蔵している。
スペックはモバイルノートとしては比較的高めで、Pentium M-1.7GHzという最高クロックのPentium Mを搭載する。メモリは標準で256MBだが、空きソケットが一基あるため最大768MBまで増設可能だ。ハードディスクは60GBと大容量なので、それほど困ることはないだろう。グラフィックチップにMobility RADEON 9200(グラフィックメモリ32MB)を採用しており、最新のゲームもそれなりに楽しむことが出来る。DVD-RWドライブを内蔵し、書き込み速度はDVD-R、DVD-RW共に2倍速となる。液晶ディスプレイは上記の通り12.1インチで、XGA表示に対応するごく一般的なものだ。今はやりの光沢液晶で、表面に低反射コーティングを施すことで外灯の光の写り込みを軽減している。輝度、視野角共に特に優れている訳でもないが、問題のないレベルだ。ただ、本体形状が特殊なため、サイズの割には液晶が小さいのは残念だ。 携帯電話のように、液晶裏側にも液晶ディスプレイを内蔵している。240×80ドット最大256表示の簡単な物だが、時計は勿論、携帯に内蔵されたものとは異なりオリジナルデザインが表示できる。付属のアプリケーションでデザインが行えるようになっているのはユニークだ。 キーボードは携帯電話の様な物ではなく、しっかりしたパソコン用キーボードを搭載する。さすがにキーボードが携帯電話型では打ちにくい為、パソコン用キーボードを搭載するのは正しい選択ではないだろうか。18mmキーピッチと本体サイズの割に小さめだが、一部を除いて縮小キーも特殊な配列もないため、比較的打ちやすい。キーボード手前にはタッチパットも搭載する。キーボード奥にも、まるで携帯電話のようにボタンが配置されている。単なるデザイン性重視の飾りではなく、4方向キーの様なボタンは中心が電源ボタンで、周囲4方向がCD/DVDの操作ボタンとなっている。その周囲の4つのボタンはアプリケーションのワンタッチ起動ボタンであり、使い勝手も悪くない。
インターフェイスは最小限だが、USB2.0が3基とIEEE1394が1基、TypeII×2のPCカードスロットが用意されるので拡張性に問題はない。外部CRT端子も内蔵する。ちなみにCRT端子だけはゴム製カバーが被せられている。その他、面白い点としてはカメラの内蔵があげられる。200万画素タイプで、搭載位置が携帯電話と同じくディスプレイの裏側である点は「携帯電話型パソコン」である事へのこだわりが伺える。一方で、回転させて自分の方向に向けることができないため、ビデオチャット等に利用できないのは残念だ。
有線LANとアナログモデムに加え、無線LANも内蔵する。IEEE802.11a/b/gの3規格に対応するため、どのような環境下でも無線LANが使用できるよう配慮されている。 各インターフェイスやドライブの位置も比較的考えられている。USB端子のうち1基は右側面の奥に配置されマウス等の接続に便利なよう作られている。DVD-RWドライブとイヤホン・マイク端子は右側面、PCカードスロットとIEEE1394端子と電源コネクタは左側面、それ以外の端子は背面に用意される。
付属ソフトに携帯電話型パソコンならではの面白いソフトがある。「PhoneC Mail」というソフトだが、このソフトはその名の通りオリジナルのメールソフトだ。このソフト、携帯電話のメール作成時のデザインに似せて作られているのである。しかも携帯電話のキーに似せた「携帯電話キーボード」が付属している。USB接続のこのキーボードを接続し、このソフトでメールを打つことで、携帯電話でメールをしている気分になれるのである。このようなソフトが付属するところが、遊び心がありなかなか好印象である。
バッテリ駆動時間は3.5時間となっており、それほど長い訳でもないが問題ないレベルだ。ただし、大容量バッテリは用意されないため、よりバッテリ駆動時間を伸ばしたい場合は、付属のバッテリをもう一つ購入し交換して使うしかない。交換の手間や、バッテリを充電するときの手間を考えるとぜひとも大容量バッテリはオプションに加えて欲しかったところだ。独特の形状が災いしたのか、予想実売価格は26万円と比較的高価である。 その他、下位モデルであるPH120/1Cが21万円でラインナップされる。CPUがCeleron M-1.2GHzにHDDが40GBに、メディアドライブがコンボドライブになる他、無線LANなどにも差が設けられているが、デザインやカメラなどの基本は同じである。より安価に購入したい場合はこちらも候補になるだろう。
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