プリンター徹底比較 2007年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2007年12月12日著） プリンタ比較の記事は、新製品が数多く発表される「年末」と「春」の2回に掲載しています。 古い記事も過去の情報として利用できると考え、新製品を掲載したものは、新たな記事として掲載していますので、現在この記事は既に古くなっている可能性があります。 プリンタ比較を参考にされる方は、プリンター徹底比較の一覧ページより、最新のものをご覧ください。 3万円台の複合機 　 　3万円台の2機種を比較しようと思うが、ここでの2機種はエプソンのPM-T960とPM-A940である。つまり同メーカー同士での比較となる。キャノンは去年あったPIXUS MPの800番台がラインナップから無くなったため、PIXUS MP970が4万円、PIXUS MP610は2万8000円となり、3万円台の機種がないのである。一方のエプソンはPM-T960が3万8000円、PM-A940が3万3000円となるため、これら2機種で比較したいと思う。価格差は5000円あるが、どこが違うのだろうか。 メーカ エプソン エプソン 品番 PM-T960 PM-A940 製品画像 予想実売価格 38,000円前後 33,000円前後 プリンタ部 最大解像度 5760×1440dpi 5760×1440dpi インク 色数 6色 6色 顔料/染料系 染料系(PM-Gインク） 染料系(PM-Gインク） カートリッジ構成 各色独立 各色独立 色詳細 ブラック シアン マゼンタ イエロー ライトシアン ライトマゼンタ ブラック シアン マゼンタ イエロー ライトシアン ライトマゼンタ 最小インクドロップサイズ 1.5pl （Advanced-MSDT対応） 1.5pl （Advanced-MSDT対応） ノズル数 540ノズル 540ノズル 90ノズル×6色 90ノズル×6色 特殊機能 DVD/CDレーベル印刷 ○ ○ 自動両面印刷 ○ △（オプション） 前面給紙 ○ ○ 顔の明るさ補正 ○（オートフォトファイン！EX） ○（オートフォトファイン！EX） メーカー公称印刷速度 （L版縁なし） 19秒 19秒 スキャナ部 読み取り解像度 3200dpi 1200dpi センサータイプ CCD CIS ネガ読み取り機能 ○（連続6コマ） − スキャンデーターのメモリカード保存 ○（JPEG/PDF） ○（JPEG/PDF） ダイレクト 印刷部 カードスロット 対応カード SD/MS/CF/xD SD/MS/CF/xD PCからドライブとして利用 ○ ○ 外付けドライブ/USBメモリへ保存 ○ ○ CD/DVDドライブ内蔵 − − 外付けドライブ/USBメモリから印刷 ○ ○ 動画から印刷 ○（1コマ/12コマ） ○（1コマ/12コマ） 手書き合成シート ○ ○ PictBridge対応 ○ ○ 赤外線通信 ○ ○ Bluetooth通信 △（アダプタオプション） △（アダプタオプション） 携帯電話から写真に文字入力 ○ ○ テレビ接続 機能 データ放送から印刷 ○ △（オプション） テレビでメモリカード内の写真表示 ○ △（オプション） コピー部 拡大縮小コピー機能 ○（25〜400%・1%刻み） ○（25〜400%・1%刻み） CD/DVDレーベルコピー ○ ○ 写真焼き増し風コピー ○（退色復元対応） ○（退色復元対応） その他の機能 液晶ディスプレイ 3.5型 角度調整可能 2.5型 角度調整可能 前面インク交換 − − インターフェイス USB 2.0 有線LAN（100BASE-TX） 無線LAN（IEEE802.11b/g） USB 2.0 外形寸法（横×奥×高） 446×503×242mm 446×432×237mm 重量 12.8kg 10.6kg 　まずはプリンタ部を見てみよう。PM-T960とPM-A940はどちらも共通のプリントエンジンを利用しているため、全く同等性能である。解像度が5760×1440dpi、インク滴が1.5plでAdvanced-MSDTに対応しているなど、共通である。また最上位のPM-T990とも同等スペックであるため、画質は最高レベルに達している。また、印刷速度も19秒と非常に高速なので安心だ。なお、PM-T990と比べるとノズル数が半分になっているにもかかわらず、Advanced-MSDTの見直し（1.5〜7ピコリットル範囲で5段階を、1.5〜11ピコリットルで5段階に変更）たおかげで、同等の印刷スピードであるのは特筆出来る。インクは「つよインク200」となっており、アルバム保存200年、耐光性50年であるため、写真の保存性は高い。画質補正の面ではオートフォトファイン！EXが進化し、撮影シーンの自動判別の種類が去年の「人物」「風景」「一般画像」だったのに加えて、「夜景」を追加し判別精度を向上させている。またナチュラルフェイス機能も搭載され、物の輪郭を自動検出してあごの周辺をスリムに見せる「小顔補正」と、肌の白さを強調する「美白補正」を行えるようになっている。これは去年の機種の継続販売である上位機種と比べて有利な点だ。「CD/DVDレーベル印刷機能」も備える点も両機種共通だ。ではプリント部の両機種の差はどこかと言うと、自動両面印刷機能がPM-T960は標準搭載、PM-A940はオプション扱いになっていることだ。ちなみに前面給紙は両機種とも行える上に、PM-T990とは異なりカセットタイプなので、各種用紙に対応する上に用紙をセットしたまま排紙トレイを閉じる事も出来る。 　最も違いが出るのはスキャナ部分だ。PM-T960は3200dpiのCCDであり、PM-A940は1200dpiのCISとかなり異なる。PM-T960は解像度が高いことからフィルムスキャンにも対応している他、CCD方式であるために分厚い本のとじ目など、ガラス面から浮いてしまう原稿も読み取れるなど便利である。両機種とも、保存結果をメモリーカードにPDF又はJPEG方式で保存出来るのは便利だ。 　ダイレクト印刷機能は両機種ともほぼ同等だ。SD/MS/CF/xD対応のメモリーカードスロットを備え、USBメモリからの印刷にも対応している。また動画から1コマ又は12コマの連続写真を印刷する機能も備える。赤外線通信による写真印刷や、携帯電話からの文字入力が行えるのも同等だ。また、手書き合成シートによる、写真と手書きの合成も行える。2機種の違いと言えば、液晶ディスプレイのサイズだ。PM-T960は3.5型、PM-A940は2.5型である。ただし、どちらも高詳細表示が行えるもので、角度調整もできるので、PM-A940でも十分使いやすい。 　そのほか、コピー機能も25〜400%の間で1%刻みでの拡大縮小が行えるタイプであり、写真焼き増し風コピーも行えるため、色々と使えそうだ。そして、もう一つの大きな違いが、接続端子である。PM-A940はUSB 2.0のみとなるが、PM-T960は加えて有線LAN（100BASE-TX）と無線LAN（IEEE802.11b/g）に対応しているのが特徴だ。ルーターなどで複数のパソコンをインターネットにつないでいるなど、既にホームネットワークが完成している家庭なら、PM-T960を接続するだけでどのパソコンからも印刷が出来るのだ。また、LAN接続が出来ることから、デジタルテレビへの接続が行える。例えば地上デジタル放送のデータ放送の印刷コンテンツを印刷するといった事が行える上に、メモリカードの写真を内蔵の液晶ではなくテレビに映して確認できるようになっているのも便利だ。 　PM-T960よPM-A940はプリント部やダイレクト印刷部、コピー機能はほぼ同等であるといえる。大きな違いは、フィルムスキャンへの対応とLAN接続の対応である。価格差は5000円あるが、後でLANに対応させるとなると、5000円ではすまないし、フォルムスキャンには後から対応出来ない。これらの機種に魅力を感じるなら是非PM-T960をおすすめしたい。一方、基本的なコピーやプリント昨日はPM-A940でも十分すぎるほど高性能なので、こちらでも十分満足出来るはずだ。 （H.Intel） 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/ 今回紹介した商品や、その他のハードやソフトの ご購入はコチラでどうぞ！