|
2007年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2008年1月11日著)
最近人気がある写真やはがきサイズまで対応したコンパクトプリンタである。エプソンが3機種、キャノンが1機種ラインナップしている。E-720、E-520、PIXUS mini360、E-300Lの順に5千円ずつの価格差がある。そのため機種同士の比較と言うよりは、価格と機能のどこに折り合いを付けるかが選ぶ基準になるだろう |
| メーカ | エプソン | エプソン | エプソン | キャノン | ||
| 品番 | E-720 | E-520 | E-300L | PIXUS mini360 | ||
| 製品画像 | ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||
| 予想実売価格 | 30,000円前後 | 25,000円前後 | 15,000円前後 | 20,000円前後 | ||
| プ リ ン タ 部 |
対応用紙 | カード/L判/ハイビジョン/KG/はがき | カード/L判/ハイビジョン/KG/はがき | カード/L判/ハイビジョン/KG/はがき | カード/名刺/L判/2L判/ワイド/KG/はがき | 最大解像度 | 5760×1440dpi | 5760×1440dpi | 5760×720dpi | 9600×2400dpi |
| インク | 色数 | 4色 | 4色 | 4色 | 4色 | |
| 顔料/染料系 | 染料系(PM-Gインク) | 染料系(PM-Gインク) | 染料系(PM-Gインク) | 染料系 | ||
| カートリッジ構成 | 4色一体 | 4色一体 | 4色一体 | 4色一体 | ||
| 色詳細 | ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
||
| 最小インク ドロップサイズ |
2pl (Advanced-MSDT対応) | 2pl (Advanced-MSDT対応) | 3pl (MSDT対応) | 最小1pl | ||
| ノズル数 | 360ノズル | 360ノズル | 360ノズル | 1536ノズル | ||
| 90ノズル×4色 | 90ノズル×4色 | 90ノズル×4色 | 512ノズル×2色(C/M) 256ノズル×2色(Y/Bk) |
|||
| 顔の明るさ補正 | ○(オートフォトファイン!EX) | ○(オートフォトファイン!EX) | ○(オートフォトファイン!EX) | ○(自動写真補正) | ||
| メーカー公称印刷速度 (L版縁なし) |
30秒 | 30秒 | 41秒 | 33秒 | ||
| ダ イ レ ク ト 印 刷 部 |
カードスロット | 対応カード | SD/MS/CF/xD | SD/MS/CF/xD | SD/MS/CF/xD | SD/MS/CF/xD (xDはアダプタ必要) |
| PCからドライブ として利用 |
○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 外付けドライブ /USBメモリへ保存 |
○ | ○ | − | − | ||
| CD/DVDドライブ内蔵 | ○ | − | − | − | ||
| 外付けドライブ /USBメモリから印刷 |
○ | ○ | − | − | ||
| 動画から印刷 | − | − | − | − | ||
| PictBridge対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 赤外線通信 | ○ | ○ | − | ○ | ||
| Bluetooth通信 | △(アダプタオプション) | △(アダプタオプション) | △(アダプタオプション) | △(アダプタオプション) | ||
| メモリカード内の 写真のテレビ出力 |
○ | − | − | − | ||
| 液晶ディスプレイ | 3.6型 角度調整可能 | 3.6型 角度調整可能 | 2.0型 | 2.5型 角度調整可能 |
||
| バッテリ動作対応 | △(オプション) | △(オプション) | − | △(オプション) | ||
| インターフェイス | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | ||
| 外形寸法(横×奥×高) | 215×165×178mm | 215×165×149mm | 215×165×149mm | 258×225×81mm | ||
| 重量 | 3.0kg | 2.4kg | 2.4kg | 2.5kg | ||
|
4機種とも共通の部分がある。それはインク構成であり、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色インクを採用している。また、4色一体インクタンクを採用しているのも共通であり、なくなった色だけ交換は出来ないが、インクがなくなったら交換という分かりやすさが利点だ。画質は、E-720とE-520が解像度が5760×1440dpiの2plで5種類のインクサイズを打ち分けるAdvanced MSDT対応、E-300Lが解像度が5760×720dpiの3plで3種類のインクサイズを打ち分けるMSDT対応、PIXUS mini360は解像度が9600×2400dpiで最小1plのインク滴である。性能で見ると、PIXUS mini360が最も良く、次がE-720とE-520で、E-300Lが最も低い。しかし、実際には写真印刷を目的とする機種だけあり、じっくり見てみないと分からない程度の差であり、E-300Lでも十分写真画質である。実際に店頭で印刷サンプルを見て満足いくレベルを調べてみると良いだろう。インクは、エプソンの3機種が耐光性50年、アルバム保存200年の「つよインク200」、PIXUS mini360が耐光性30年、アルバム保存100年の「ChromaLife100」である。色あせという点ではエプソンの3機種の方が上である。 画質補正機能も全機種が備えている。エプソンの3機種はオートフォトファイン!EX、キャノンは自動写真補正となっており、どちらも顔認識やシーン認識を行って補正してくれるものである。印刷速度はE-720とE-520は30秒、E-300Lが41秒、PIXUS mini360は33秒である。多少の差はあるが全機種ともそれほど遅くはないので、ストレスがたまることはないだろう。対応用紙は、エプソンの3機種はカード/L判/ハイビジョン/KG/はがきとなっており、キャノンはカード/名刺/L判/2L判/ワイド/KG/はがきとなっている。エプソンの方は最大がKGやはがきとなっているが、PIXUS mini360だけ更に大きい2L判が利用できる。また名刺サイズの用紙にも対応している。基本的にはL判写真とはがきが大半を占めると思われるので大きな差ではないものの、対応用紙にはPIXUS mini360に若干アドバンテージがあると言えるだろう。 続いてダイレクト印刷機能を見てみよう。いずれもメモリカードスロットを備えており、各種カードから液晶を見ながらダイレクト印刷が可能だ。エプソンの3機種はSDカード、メモリースティック、コンパクトフラッシュ、xDピクチャーカードの対応している。一方のPIXUS mini360はxDピクチャーカードスロットは無く、コンパクトフラッシュ型のアダプタを別途購入しなければならないのは注意が必要だ。その他、4機種ともPictBridge印刷対応であり、E-300Lを除く3機種は赤外線通信による印刷が可能である。写真選択に利用する液晶ディスプレイは、E-720とE-520が3.6型で最大、PIXUS mini360が2.5型、E-300Lが2.0型である。E-720、E-520、PIXUS mini360は角度調整が可能であり、サイズも大きめであることから見やすい物だ。E-300Lは斜めの角度で固定されているものの、角度調整は行えずサイズも小さいため見やすいとは言えない。それ以外におもしろい機能として、E-720とE-520はメモリカードからUSBフラッシュメモリや対応の外付けのドライブへバックアップを行ったり、逆にそれらからダイレクト印刷を行うことが出来るのである。USBメモリからの印刷は特に便利だろう。 E-720やE-520、PIXUS mini360はオプションのバッテリにより、ケーブルレスで印刷が行える。キャンプなどに持って行き、その場で撮影した写真を配るなどの楽しみ方があるだろう。さて、ここまで見てきて、E-720とE-520の機能が同じであることが分かるだろう。ではこの2機種の違いはと言うと、E-720は「CD/DVDドライブ」を内蔵している点である。正確にはCD-R/RWへの書き込みとCD/DVDからの読み込みが行えるのである。つまり、E-720があればメモリカードからのダイレクト印刷、CD-R/RWへのバックアップ、そしてバックアップしたディスクから印刷と言った一連の作業がパソコンなしで行える。パソコンが無かったり、パソコンでバックアップを行うなどの作業に不安がある人には便利だろう。また、ビデオ出力端子を内蔵しているため、メモリカード内の写真をテレビに映し出して確認することができるのも便利だ。ただし複合機のPM-T990やPM-T960の様にデジタルテレビの印刷コンテンツの印刷には対応していない。 本体サイズはエプソンの3機種とキャノンの機種で大きく異なる。エプソンの3機種の方が高さがあるが、設置面積はキャノンの方が大きい。重量はCD/DVDドライブを内蔵したE-720以外は似たり寄ったりだ。4機種ともパソコンとはUSBで接続することが出来る。 4機種の内で一番わかりやすいのはE-720だ。CD/DVDドライブに魅力を感じるなら、価格は高くてもE-720を選ぶ意味があるだろう。E-520とPIXUS mini360は5000円の差があるが、違いと言えば画面サイズやインクの色あせ、USBメモリからの印刷などとなる。画面が大きいため操作性という点ではE-520の方が良いだろうが、5000円の価格差とどう考えるかによるだろう。また2Lサイズの用紙が使えることに魅力を感じるならPIXUS mini360しか選択肢はない。E-300Lは価格が安いわりには印刷速度や画質は悪くはない。ただ画面サイズをはじめとする操作性や、バッテリ・赤外線通信・USBメモリなどに対応しないため、最低限の機能しか搭載していない。シンプルにメモリカードの写真を印刷したり、パソコンからの年賀状印刷だけならE-300Lも十分お奨めだ。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 エプソンhttp://www.epson.co.jp/ キャノンhttp://canon.jp/
|