プリンター徹底比較
2009年4月時点のプリンタ
〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜
(2009年5月1日著)

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3万円台前半のFAX機能付き複合機
 
 FAX機能付き複合機のそれぞれのメーカの下位機種の2機種である。エプソンがPX-601F、キャノンがPIXUS MX860である。上位機種ではエプソンが染料インク、キャノンが顔料インクの機種であったが、下位機種では逆転し、PX-601Fが顔料インク、PIXUS MX860が染料インクの機種である。では、この2機種を比較してみよう。

メーカ エプソンキャノン
品番 PX-601FPIXUS MX860
製品画像
予想実売価格 25,000円35,000円
プリンタ部最大解像度 5760×1440dpi9600×2400dpi
インク色数 4色5色
顔料/染料系 顔料
(つよインク200X)
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100+)
カートリッジ構成 各色独立各色独立
色詳細 ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
最小インクドロップサイズ 2pl(MSDT)1pl(3サイズ)
ノズル数 768ノズル2368ノズル
(C/M/Y各128、Bk384ノズル)(C/M各768、Y/染料Bk各256、顔料Bk各320ノズル)
対応用紙サイズ L判〜A4名刺〜A4
特殊機能DVD/CDレーベル印刷
自動両面印刷
前面給紙 ○(普通紙のみ)
写真補正機能 ○(オートフォトファインEX)○(自動写真補正)
特定インク切れ時印刷 ○(カラーインク切れ時にモノクロ印刷可能:5日間のみ:PCからの印刷のみ)
メーカー公称印刷速度
(L版縁なし)
55秒35秒
スキャナ部読み取り解像度 2400dpi2400dpi
センサータイプ CISCIS
ADF ○(30枚)○(35枚・両面)
ネガ読み取り機能
スキャンデーターのメモリカード保存 ○(PDF/JPEG)○(PDF/JPEG)
ダイレクト
印刷部
カードスロット対応カード SD/MS/xD/CFSD/MS/CF
PCからドライブとして利用
外付けドライブ/USBメモリへ保存
CD/DVDドライブ内蔵
外付けドライブ/USBメモリから印刷
動画から印刷
手書き合成シート
PictBridge対応
赤外線通信
Bluetooth通信
携帯電話から写真に文字入力
テレビ接続
機能
データ放送から印刷
テレビでメモリカード内の写真表示
コピー部拡大縮小コピー機能 ○(25〜400%)○(25〜400%)
CD/DVDレーベルコピー
写真焼き増し風コピー ○(退色復元対応)
FAX機能 ○(スーパーG3)○(スーパーG3)
液晶ディスプレイ 2.5型(角度調整可)2.5型
インターフェイス USB2.0
有線・無線LAN
USB2.0
有線・無線LAN
外形寸法(横×奥×高) 461×346×236mm491×437×226mm
重量 8.3kg11.8kg

 まずは2機種の概要を説明しよう。PX-601FはPX-501Aのインク滴と印刷スピード、スキャナ解像度をアップし、FAX機能とADFを追加した機種と考えれば分かりやすい。プリンタ部は単機能プリンタPX-201と同じである。デザインは上位機種のEP-901Fに近いが、前面給紙ではなく背面給紙になっているなどの違いから、細部の配置も違っておりEP-901Fより高さが増している。一方PIXUS MX860はPIXUS MX7600から印刷速度やスキャナ解像度などのスペックを下げることで価格を下げつつ、染料インクを採用し、有線LANに加えて無線LANを搭載するなどしてPIXUS MX7600よりも家庭向けの複合機に近づけている。機能的にはPIXUS MP620に近く、デザインもPIXUS MP620の上部の斜めに面取りされた部分を拡大し、その部分にADFを埋め込んだような形状である。
 ではプリンタ部から順に見ていこう。PX-601Fは顔料インクの4色構成で、2plのインク滴と5760×1440dpiの解像度となっており、上位機種よりは画質が落ちるが十分に綺麗な画質だ。また、4色とも顔料インクとなっているため、普通紙やハガキなどへの印刷時はカラー・モノクロを含めてメリハリがある印刷が行えるため、むしろ上位機種よりキレイに見える。コピーやFAX受信など普通紙を使う事は多いと思われるため、普通紙への画質が高いのはうれしい所だ。また耐水性が高いため、濡れた手で触ったり、マーカーを引いたりしても安心である。一方、写真用紙への印刷は行えるが、顔料インクであるため光沢感が薄れ、ポストカードのような雰囲気になる点は注意が必要だ。インクは「つよインク200X」となっておりアルバム保存200年、耐光性45年となり保存性も高い。一方PIXUS MX860は、5色構成となる。構成は染料4色と顔料のブラックインクであるため、写真印刷は4色となるが、染料インクであるため光沢感は失われない。また、1plのインク滴と9600×2400dpiの解像度により、4色印刷でも充分に写真画質であるといえる。さらに顔料ブラックインクのおかげで、普通紙のモノクロ文字などでメリハリのある印刷が行える。インクは「ChromaLife100+」となり、「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」を使用することにより、アルバム保存300年、耐光性40年を実現している(キャノン写真用紙・光沢ではアルバム保存100年)。
 PX-FA700は背面給紙だけなのに対して、PIXUS MX860は前面と背面の両方に対応する。前面にA4普通紙、背面に写真用紙という風にセットしておき使い分けられるので非常に便利だ。ただし前面給紙は普通紙のみの対応となる。さらにPIXUS MX860は名刺サイズ以上の用紙に対応しているが、PX-601FはL判以上の用紙に対応し名刺やカードサイズには対応しない。さらに、PIXUS MX860のみ自動両面印刷機能も備えるなど、給紙の面では圧倒的に優れている。
 両機種とも、写真の顔を認識して自動的に明るさや色かぶりを補正する機能を備えている。両機種ともパソコンからの印刷時とダイレクト印刷時の両方で利用できるので安心である。印刷速度は、L判写真1枚でPX-601Fが55秒、PIXUS MX860は35秒と多少の差がある。写真印刷はPIXUS MX860の方が便利そうである。一方のPX-601Fはモノクロ印刷に優れている。まず大容量のブラックインクを搭載しており、大量のモノクロ印刷やモノクロFAXにも対応できる。その上、ブラックインクのみノズル数を384ノズルという、上位機種EP-901Fの2倍以上のノズル数を搭載し、A4モノクロ文書が1分間に38枚というレーザープリンタ並みの速度を実現している。FAX受信時に印刷が高速なのは便利である。また、カラーインクが無くなってもモノクロ印刷が行える機能も備えているため、急にFAXが受信できなくなることもない。ただし、このカラーインクが切れた際の機能はインク切れ後5日間のみ使用可能であり、あくまでカラーインクが急に切れても、購入するまでの間印刷が継続できる機能である。常にカラーインクを取り付けずには印刷できるわけではないので注意が必要だ。
 続いてスキャナ部を見てみよう。解像度は両機種とも2400dpiとなっている。両機種ともネガフィルムのスキャンは出来ず、紙原稿のみとなるため、実際には1200dpi以上でスキャンすることは少ないと思われるため、問題ない性能と言える。ただし、CIS方式であるため、分厚い本のとじ目部分のように浮いてしまう原稿は苦手である。また、両機種ともADFを備え、PX-601Fは連続30枚、PIXUS MX860は連続35枚のスキャンが行える。コピーやFAX送信時に便利だろう。さらにPIXUS MX860は両面スキャンに対応しているため、雑誌やカタログなどの両面原稿のスキャンが一度に行え、さらに便利だ。ただし、両面スキャン時は最大600dpiに制限されることと、FAX送信時は両面スキャンは利用できない点は注意が必要だ。両機種ともパソコン無しでスキャンしてデータをメモリカードに保存することが可能である。
 続いてダイレクト印刷機能を見てみよう。両機種ともメモリカードからのダイレクト印刷と、PictBridge接続による印刷が行える。だだし、SDカードとメモリスティック、コンパクトフラッシュには両機種とも対応するものの、xDピクチャーカードはPX-601Fのみ対応している。対応のデジカメを持っている人は注意が必要だ。また下位機種であるため、両機種とも赤外線通信や動画からの印刷、手書き合成などには対応していない。PX-601FはUSBメモリや外付けCD/DVDドライブに写真をバックアップしたり、それらから印刷することが可能である。
 続いてコピー機能を見てみよう。両機種とも液晶ディスプレイを備えているため、詳細な設定が行え、25%〜400%の拡大縮小コピーが可能である。また、PIXUS MX860は両面スキャンが可能なスキャナと自動両面印刷機能を併せて、両面原稿の両面印刷が可能である。一方、通常のコピー以外の機能としてPX-601Fは写真を複数枚原稿面に置くことで、連続して焼き増し風コピーを行う機能を備えている。その際に色あせした昔の写真を自動的に復元することも可能だ。その他の機能として、PIXUS MX860は絵はがき風に自動的にレイアウトしてコピーする「絵はがき風コピー」機能や、厚手の原稿など原稿台のカバーが浮いてしまう場合に黒くなる部分を消去する「枠消しコピー」機能、レポート用紙や方眼紙、チェックリスト、五線譜を印刷する機能も備えている。一方のPX-601Fはノートのような罫線やマス目を印刷したり、背景写真を印刷して便箋を作成できる機能を備えている。
 では本機の特徴の1つであるFAX機能を見てみよう。両機種ともスーパーG3規格に対応したカラーFAX機能を備えている。ADFを備えているため、複数枚の原稿を自動で送信が可能だ。ただし、PIXUS MX860の両面スキャンはFAX時には使用できないため、両機種とも片面スキャンしか行えない。PX-601Fは短縮ダイヤルが60件、自動リダイヤル機能、同内容を複数の宛先に送信する「順次同報送信」を搭載している。受信したFAXは最大180枚、又は30件まで保存できる。一方のPIXUS MX860はワンタッチダイヤル5件と短縮ダイヤル100件、自動リダイヤル、同報送信など、上位機種と同等の機能を備えている。さらに、白黒で1宛先のみと制限はあるが、PCのデータをそのままFAX送信する「PCファックス」にも対応している。受信したFAXは最大250枚、又は30件まで保存できる。両機種とも上位機種とほぼ同等の機能を備え、十分な機能を備えていると言える。
 操作パネルはPX-601Fが本体前面に搭載されているが液晶と操作ボタン全体の角度調整が可能で、水平まで起こす事が出来る。一方のPIXUS MX860は本体上面の4辺が面取りされたように斜めになっているが、液晶と操作ボタンはその斜め部分に搭載されている。液晶ディスプレイは両機種とも2.5型であるが、PX-601Fが前述のように角度調整可能なのに対して、PIXUS MX860は角度調整できない。斜めに取り付けられているため、比較的見えやすいが、角度調整できるPX-601Fの方がより便利だ。両機種ともタッチパネルなどを採用していないため、通常の十字キーや各種ボタンなどの複合機としてのボタンに加え、テンキーやリダイヤルなどのボタンが追加されている格好だ。ボタン数が多くなってしまいどうしても分かりにくくなるのは仕方がないことだろう。
 接続端子はPX-601FとPIXUS MX860共にUSB2.0に加えて有線・無線LAN接続にも対応している。パソコンが2台以上あり、ルータを使用して既にインターネットが共有状態になっている家庭も多いと思われるため、プリンタも共有できて便利だと言える。
 本体サイズはずいぶん異なる。PIXUS MX860の方が大きく、横幅で30mm、奥行きが91mm大きいため、設置面積という点ではPX-601Fが有利だ。さらに高さも10mm大きく、全体的な圧迫感もPIXUS MX860はかなり強いといえる。

 価格差が1万円あるが思いの外機能面での差は小さい。FAXと文書印刷、コピーなどが主体なら、本体サイズも小さく、顔料インクで普通紙への画質が高いPX-601Fがオススメである。価格が安いと言っても画質も悪くなく、ADFも搭載され、有線・無線LAN接続にも対応するなど不満はないハズだ。ただし、写真印刷も行いたいなら、染料インクのPIXUS MX860の方がオススメだ。両面スキャンが行える点でも便利である。ただし、本体サイズが大きい事が気になる。PIXUS MX860に5000円足すだけでEP-901Fが購入でき、こちらなら染料インクであるだけでなく、印刷画質やスピード、操作性が増し、CD/DVDレーベル印刷なども行え、本体もコンパクトであるため、コチラも合わせて検討しても良いだろう。
 

(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/
キャノンhttp://canon.jp/



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