小ネタ集
2018年春発売のプリンターを徹底検証
新機種vs旧機種・新機種vsライバル機種
(2018年3月1日公開)

EW-M571TとG3310/G1310を徹底比較する

 キャノンから特大容量タンク搭載プリンター「G3310」と「G1310」が発売された。「G3310」はFAX機能無しの複合機、「G1310」は単機能プリンターだ。価格はそれぞれ39,880円と24,880円である。G3310はエプソンのエコタンク搭載プリンターのEW-M571Tと ほぼ同じ価格で、完全な対抗製品だ。そこでこの2機種を比較してみたいと思う。一方のG1310はA4単機能プリンターでエプソンに対抗製品が無い。そこで、今回は、G1310も一緒に比較してみよう。
 なお、特大容量タンク搭載プリンターやエコタンク搭載プリンターは、従来のインクカートリッジを交換するプリンターと異なり、本体にインクタンクを搭載しており、ボトルに入ったインクを購入し、タンクに注入する形となる。インクボトル1本で、従来のインクカートリッジの10〜15本分程度の量が入っているわりに、価格は高くないため、印刷コストが極端に安いというのが特徴となる。その分、性能の割に本体価格が高く設定されている。また、一部の製品を除いて、本体に付属するインクボトルがセットアップ用では無く、別売りの製品版と同じインクボトルになっているため、付属のインク分を使い切る頃には本体価格の高さの元が取れているという仕組みだ。

プリント(画質・速度・コスト)
メーカー
エプソン
キャノン
キャノン
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
実売価格(メーカーWeb/税込み)
39,980円
39,880円
24,880円
インク
色数
4色
4色
4色
インク構成
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
エコタンク
(挿すだけ満タンインク方式)
特大容量タンク
特大容量タンク
顔料/染料系
顔料(黒)/染料(カラー)
(アルバム保存300年/耐光性7年/耐オゾン性2年)
顔料(黒)/染料(カラー)
顔料(黒)/染料(カラー)
インク型番
ヤドカリ(顔料)
ハリネズミ(染料)
390番
390番
ボトル1本での印刷枚数
カラーインク
6,000枚(各1.150円)
7,000枚(各1,120円)
7,000枚(各1,120円)
黒インク
7,500枚(2.150円)
6,000枚(1,720円)
6,000枚(1,720円)
ノズル数
357ノズル
1472ノズル
1472ノズル
カラー:各59ノズル
黒:180ノズル
カラー:各384ノズル
黒:320ノズル
カラー:各384ノズル
黒:320ノズル
最小インクドロップサイズ
3pl(MSDT)
N/A(2pl?)
N/A(2pl?)
最大解像度
5760×1440dpi
4800×1200dpi
4800×1200dpi
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
76秒
51秒
51秒
A4普通紙カラー(ISO基準)
5.0ipm
5.0ipm
5.0ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
10.5ipm
8.8ipm
8.8ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
5.9円
N/A
N/A
A4カラー文書
0.9円
0.8円
0.8円
A4モノクロ文書
0.4円
0.3円
0.3円

 インクに関しては、EW-M571TG3310/G1310も4色インクで、黒が顔料インク、カラー3色が染料インクと同等だ。最大解像度はEW-M571Tが5760×1440dpi、G3310/G1310が4800×1200dpiと、EW-M571Tの方がやや高いが、元々この程度では画質に差が出るというほどでは無いだろう。逆に最小インクドロップサイズはEW-M571Tが3pl、G3310/G1310が非公表だがほぼ同じ性能・本体の海外モデルで2plであるため、おそらく2plだろう。この点でG3310/G1310の方が粒状感はやや抑えられる。ただ、3機種とも染料インクのブラックが入っていないことが写真画質には大きく影響する。写真用紙やインクジェットハガキなどでは顔料ブラックが使えないため、カラー3色を混ぜて黒を表現する。どうしても真っ黒にはならず、非常に濃い茶色にしかならないため、全体的にコントラストが弱いぼけた感じに感じてしまう。その点では3機種は共通で、2plと3plの差以前に、写真印刷にはそれほど向いているとは言えない。一方文書印刷に関しては顔料ブラックのおかげで、染料4色の機種よりも黒色が滲まず、色も濃いので、全体としてメリハリのある印刷が行える。顔料ブラックは完全な黒にしか使用せず、グレーなどはカラーインクを使って表現するし、背景色がある場合なども染料インクと顔料インクが混ざると良くないので、染料インクで表現するため、顔料ブラックが使われる箇所は文書の黒文字など限られた部分になるが、それでも全体として印象はグッと良くなる。その点では文書印刷の画質は3機種とも悪くは無い。G3310/G1310の方が最小インクドロップサイズが小さい分、より細い線が表現できるとも言えるが大きな差では無いだろう。
 インクはどちらもタンク方式である。タンクの大半が本体に埋め込まれているため、本体からインクタンクが飛び出ているという印象は無い。インク残量は前面から確認できるようになっている。違いとして、EW-M571Tは4色とも本体右側に搭載されるのに対して、G3310/G1310はカラー3色が本体右側、黒が本体左側に搭載されている。G3310/G1310の特大容量タンクは、エプソンのエコタンクの初代のものに近い。各タンクの注ぎ口のゴムキャップを開けると、注ぎ口が現れる。そこにインクボトルからインクを注ぐ形となる。前面のインク残量を見て、上限ラインまでインクを注入する。残ったインクはスクリュー式のキャップになっているのでそのまま保管することが可能だ。問題は、どこまで注入するかを目視で確認しないといけないことと、注入口が言ってしまえばただの穴なので、インクをこぼしやすい事、間違った色を注入してしまう危険性がある事だ。その点でEW-M571Tは2世代目とも言うべき「挿すだけ満タンインクタンク方式」である。インクの注ぎ口とボトルが工夫されており、注ぎ口に挿し込むと注入が始まり、満タンになると注入が止まる。上限を超えて注入してしまう事も無いし、注ぎ口にしっかり挿し込んでから注入が始まるので、こぼしにくい。さらに色ごとに注ぎ口の形状を変えてあり、間違った色に注入することも無いようになっている。注入口のフタもただのゴムキャップでは無く、開閉式になっており使いやすい。このようにEW-M571Tの方がインクタンクが使いやすくなっている。この辺りはエプソンに一日の長があると言えるだろう。
 なお、インクボトルに関してはEW-M571Tがカラーインクが各1,150円、ブラックインクが2,150円で、カラー文書を印刷した場合、カラーインクは6,000枚、ブラックインクは7,500枚印刷が可能だ。一方G3310/G1310はそれぞれ各1,120円と1,720円で、それぞれ7,000枚と6,000枚の印刷が可能だ。カラーインクはほぼ価格が同じだがG3310/G1310の方が印刷枚数が多く、ブラックインクはEW-M571Tの方が印刷枚数が多いがG3310/G1310の方が価格が安い。結果、印刷コストは、EW-M571Tはカラー文書が0.9円、モノクロ文書が0.4円に対して、G3310/G1310はそれぞれ0.8円と0.3円となっており、0.1円ずつ安い。差があるとも言えるが、1万枚印刷して1,000円の差なので、大きな差とは言えない。印刷コストの差を決め手に機種を決めるべきでは無いだろう。また、一般的なインクジェットプリンターがカラーが8〜12円、モノクロが3〜4円くらいなので、どちらにしても圧倒的に安いといえる。
 インク自体は、エプソンが「つよインク」、キャノンが「ChromaLife」といった名称を付けて、耐保存性の高さをアピールしているが、今回の3機種にはそういった名称は無い。とはいえEW-M571Tはアルバム保存300年、耐光性7年、耐オゾン性2年をうたっている。家庭用の染料インクのプリンターが採用する「つよインク200」はアルバム保存300年、耐光性50年、耐オゾン性10年なので、アルバム保存は同等、耐光性や耐オゾン性では劣るというインクだ。飾っておくと色あせが早いと言える。一方G3310/G1310は一切の耐保存性の記載が無いため、なんとも言えないが、アルバム保存100年をうたう「ChromaLife 100」に対応していないという事なので、これよりは劣る事になる。EW-M571Tの方が耐保存性は高い可能性が高い。
 印刷速度を見てみよう。3機種とも低価格な機種をベースにしているため、インクカートリッジタイプの上位機種と比べるとノズル数が少なくなっている。そのため印刷速度は遅めだ。L判フチなし写真の場合、EW-M571Tは76秒、G3310/G1310は51秒となる。G3310/G1310の方が速いが、インクカートリッジタイプの上位機種はエプソンが13秒、キャノンが14秒なので、これと比べるとかなり遅い。印刷コストが安いため、写真を大量印刷しようと考えている人は注意が必要だ。エプソンのエコタンク搭載プリンターの上位機種EW-M770Tは22秒なので、印刷速度を求めるならこちらも選択肢となる。一方、文書の印刷速度はEW-M571TがA4カラー文書が5.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷枚数)、A4モノクロ文書が10.5ipmなのに対して、G3310/G1310は5.0ipmと8.8ipmとなる。カラーは同等、モノクロはEW-M571Tの方が高速と、写真とは逆転している。また、キャノンのインクカートリッジ方式のの上位機種PIXUS TS8130でそれぞれ10ipmと15ipm、エプソンのエコタンク搭載の上位機種EW-M770Tは10ipmと13ipmなので、写真印刷と比べると差は小さい。文書印刷ならそれほど不満無く使えるだろう。画質面で見ても、印刷速度で見ても、これら3機種は文書メインと考えた方が良さそうだ。

プリント(給紙・排紙関連)
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
対応用紙サイズ
カード・名刺〜A4
名刺〜A4
名刺〜A4
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面
○(100枚)
○(100枚)
○(100枚)
前面
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
○(カバー連動)
用紙幅チェック機能

 続いて、給紙・排紙関連の機能を見てみよう。対応用紙はいずれも最小は名刺サイズ、最大はA4サイズとなる。L判より小さい名刺サイズにも対応するので、印刷後に切り取る必要の無い名刺サイズに直接印刷でき便利だ。3機種とも背面給紙となっており、A4普通紙で100枚までセットできるのも同様だ。なおハガキの場合はEW-M571Tが30枚、G3310/G1310が40枚とやや差がある。
 EW-M571Tには用紙の種類とサイズを登録しておく機能が搭載されている。液晶ディスプレイでメニューから登録も可能だが、用紙をセット後に給紙口カバーを閉じると自動的に登録画面が表示されるため便利だ(されないようにもできる)。この登録内容と、印刷時の用紙設定が異なっている場合、メッセージが表示される仕組みだ。これに加えて、印刷時に実際の用紙幅をセンサーでチェックする機能もあり、できる限り印刷ミスによる用紙とインクの無駄遣いをなくす工夫がなされている。

プリント(付加機能)
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
自動両面印刷
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
○(オートフォトファイン!EX)
N/A
N/A
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ
−/○
N/A/N/A
N/A/N/A
廃インクタンク交換

 その他、プリントの付加機能を見てみよう。まず自動両面印刷機能はEW-M571Tのみが対応している。ハガキにも対応しているため、通信面と宛名面を一度に印刷でき便利だ。また写真印刷時に、EW-M571Tは「オートフォトファイン!EX」という写真の自動補正機能を利用できる。逆光や色かぶりをした写真でも、顔やシーンを認識して高いレベルで自動補正が行われる。もちろんパソコンからの印刷時だけでなく、後述のダイレクト印刷時にも利用できる。一方G3310/G1310には写真の補正機能に関する記述が無いが、ホームページの「自動写真補正II」の欄の対応機種には含まれておらず、搭載されていない可能性がある。

スキャン
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
読み取り解像度
1200dpi
600dpi
センサータイプ
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
スキャンデーターのメモリカード保存
○(JPEG/PDF)

 スキャナーの機能を見てみよう。EW-M571Tは1200dpi、G3310は600dpiとなる。解像度に大きな差があるように感じるが、反射原稿(紙などの原稿)にしか対応しないため、それほど問題ではない。一般的に文書なら200〜300dpi、写真なら300〜600dpiで、コピーもせいぜい300dpiといったところだ。よほど詳細にスキャンする場合にEW-M571Tの1200dpiが効果を発揮すると言ったレベルだろう。確かに実際写真サイズを1200dpiで取り込むと約4,200×6,000ドットとなり2500万画素相当となるため、綺麗に保存したい場合は1200dpiでスキャンができるEW-M571Tの方が良さそうだが、そうで無ければ両機種に実用上の差はあまりない。いずれもCIS方式で、厚い本の綴じ目近くなど、ガラス面から浮いてしまう原稿ではピントが合わなくなってしまう点は注意が必要だ。EW-M571Tはスキャンした原稿をパソコンを使わずにメモリカードに保存する機能を搭載しているため、パソコン無しで簡単にスキャンができる。G1310は単機能プリンターなので、スキャナは搭載されていない。

ダイレクト印刷
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
カードスロット
対応メモリカード
SD
USBメモリ/外付けHDD/外付けDVD対応
−/−/−
−/−/−
−/−/−
メモリカードからUSBメモリ/外付けHDD/外付けDVDへバックアップ
−/−/−
−/−/−
−/−/−
対応ファイル形式
JPEG
手書き合成
PictBridge対応
赤外線通信
各種デザイン用紙印刷
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜)

 ダイレクト印刷機能はEW-M571Tのみが搭載している。対応メモリカードはSDカードのみとシンプルだが、最近のデジタルカメラやスマートフォンは一部の一眼レフなどを除きSDカードかその小型版のmicroSDになっており、問題はないだろう。またEW-M571T単独で罫線、マス目、便箋、スケジュール帳、五線譜が印刷できるフォーム印刷機能を搭載している。メモリカードからのダイレクト印刷を行いたいならEW-M571Tとなる。

スマホ/クラウド対応
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
スマートフォン連携
対応端末
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 9.0以降)
Android 4.1以降
iPhone
iPod touch
iPad
(iOS 9.0以降)
Android 4.1以降
NFC対応
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
スマートフォン経由/本体
○/−
○/−
−/−
オンラインストレージからの印刷
SNSからの印刷
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
写真共有サイトからの印刷
メールしてプリント
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント
○(受信のみ)

 スマートフォンとの連携機能はEW-M571TG3310が搭載しており、iPhoneやiPod touch、iPadと、Android端末に対応している。いずれも、専用のアプリを無料でダウンロードすることでプリント又はスキャンが行える。メインで使用すると思われる写真印刷の場合、用紙サイズや用紙種類、フチ無し設定まで行えるため、スマートフォンで撮影した写真を手軽に印刷できる。さらにドキュメント印刷にも対応している。PDF/Word/Excel/PowerPointといった主要なファイルに対応している他、Webページの印刷もできる便利だ。また、両機種ともスマートフォン上からスキャンを実行し、データをJPEG又はPDF形式で受け取ることもできる。出かける前に紙の情報をさっとスマートフォンに転送するといった使い方ができるため便利だろう。
 クラウドとの連携機能もEW-M571TG3310が対応しており、オンラインストレージから印刷したり、SNSの写真を印刷する事ができる。SNSの写真はコメント付きでも印刷が可能だ。さらにネットワークを利用したプリント機能としてEW-M571Tは、印刷したい写真や文書をEW-M571Tにメールすると自動で印刷できる「メールプリント」、EW-M571Tでスキャンした画像を離れた場所の対応複合機ですぐに印刷できる「メールdeリモート印刷」、通常のプリント同じ操作で、屋外などの離れた場所のから自宅のEW-M571Tで印刷できる「リモートプリントドライバー」といった機能を搭載しているのが便利だ。ネットワークに接続されていることを最大限に生かしていると言えよう。一方のG3310はこれらの機能は搭載しない。リモートプリント機能はEW-M571Tが便利だ。

コピー機能
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
等倍コピー
○(A4/レター普通紙のみ)
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
オートフィット
定型変倍
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面)
○/−
−/−
−/−
バラエティコピー
IDコピー

 コピー機能もEW-M571TG3310が対応している。ただし機能面では大きな差がある。EW-M571Tは液晶を搭載しているため(後述)、様々な設定が可能だ。単純な等倍コピーだけでなく、原稿サイズを自動で認識し用紙サイズに合わせて拡大縮小する「オートフィット」機能や、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小コピーが行える機能を搭載した高性能な物だ。また、2枚の原稿を1枚に縮小してコピーする2面割り付けや、免許証などの裏表をそれぞれスキャンして1枚の用紙に並べて印刷する「IDコピー」機能を備える。もちろん対応用紙サイズもA4〜A6、六切、ハイビジョン、KG、2L判、L判、名刺、カード、洋形封筒1〜4号、長形封筒3号・4号、ハガキが選べ、用紙の種類も普通紙以外に様々な用紙が選択できる。濃度や印刷品質の調整や、両面コピーも設定可能で、コピー枚数は1〜99枚となる。一方のG3310は2桁の数字表示のみ(後述)なので、コピーは等倍コピーのみで、使用できる用紙はA4またはレターサイズの普通紙のみだ。カラーコピーとモノクロコピーのスタートボタンが用意され、2秒以上押すと下書きモード(速度優先)でのコピーとなるが、それ以外の設定は出来ない。コピーの機能では大きな差があるといえる。

操作パネル/インタフェース/本体サイズ
型番
EW-M571T
G3310
G1310
製品画像
液晶ディスプレイ
1.44型
(角度調整可)
1.2型(モノクロ・セグメント)
操作パネル
ボタン式
(角度調整可)
ボタン式
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
IEEE802.11n/g/b
(Wi-Fiダイレクト対応)
有線LAN
対応OS
Windows 10/8.1/8/7/Vista/XP SP3
MacOS 10.6.8〜
Windows 10/8.1/7
Windows 10/8.1/7
耐久枚数
3万枚
N/A
N/A
外形寸法(横×奥×高)
375×347×187mm
445×330×163mm
445×330×135mm
重量
5.5kg
6.3kg
4.8kg
本体カラー
ブラック
ブラック
ブラック
付属インクボトル
各色1本
カラー各色1本
ブラック2本
カラー各色1本
ブラック2本

 最後に操作パネルやインタフェース、本体サイズを見てみよう。EW-M571Tの液晶ディスプレイは1.44型と小さいが、カラー液晶が搭載されているだけでも非常に便利だ。操作パネルは「電源」「ホーム」「上下左右カーソル」「OK」、「スタート」「ストップ」「戻る」「ヘルプ」と、文字種切替など状況に応じて機能が変わるボタンがあり、操作しやすい。操作パネルと液晶は本体前面に搭載され、起こして角度調整が可能なので、設置する場所に関わらず使いやすい。一方、G33130の液晶は1.2型となっているものの、2桁の7セグメント数字(10の位は1のみ)の他は固定表示で、無線LANのON/OFと電波強度、ダイレクトアイコン、セットアップアイコンが表示/非表示の切り替え表示されるだけである。モノクロでバックライトも無い。数字はコピー枚数の他、セットアップ番号やエラーコードが表示される。ボタンは「電源」「カラースタート」「モノクロスタート」「ストップ」の他は、枚数を設定する「+」ボタンや、「Wi-Fi」「ダイレクト」「インフォメーション」「セットアップ」といったボタンだけである。エラーコードなどは表示されるが、その番号が何のエラーなのかは調べる必要があり、各種設定も何番がどの設定なのか調べる必要があるなど、液晶に直接メッセージが表示されるEW-M571Tと比べると、直感的な操作ができない。また本体上面の右側に縦に並んでいるため、高い位置に設置すると操作がしにくい。操作性はEW-M571Tが圧倒的に便利だ。G1310はプリント単機能機なので液晶や操作パネルは搭載されない。
 インタフェースはEW-M571TG3310はUSB2.0に加えて、無線LAN(Wi-Fi)接続にも対応する。最近では家に2台以上のパソコンがあり、無線LAN(Wi-Fi)ルータで複数のパソコンがインターネットに接続できる状態になっているのも珍しくないはずだ。その場合、プリンターも無線LANルーターに接続しておけば、家庭内のどのパソコンでもプリント可能となり非常に便利だろう。またスマートフォンやタブレットからの印刷も可能となる。またWi-Fiダイレクト(キヤノンはダイレクト接続)に対応しているため、無線LANルータの無い環境でも、スマートフォンやタブレットと直接Wi-Fi接続が可能となっている点も共通の便利な点だ。一方G1310はUSB2.0接続のみとなる。
 対応OSはメーカーによる差が大きい。EW-M571TはWindows XP SP3以降は全て対応する。MacOSもダウンロード対応とはなるが10.6.8以降に対応する。マイクロソフトのサポートの終了したWindows XPやVistaにも対応するのは安心だ。一方、G3310/G1310はWindows 7 SP1/8.1/10のみの対応だ。Windows XPやVistaだけでなく、Windows 8も非対応である点は注意が必要だ。MacOSにも非対応となる。
 耐久枚数に関してはEW-M571Tのみ公表されており、3万枚となっている。家庭用プリンターが1万〜1万5000枚程度と言われている事から考えると、かなり強いと言える。印刷枚数が多いと思われるインクタンク方式のプリンターではうれしいところだ。一方、G3310/G1310は不明だ。
 本体サイズはEW-M571Tは375×347×187mm、同じ複合機のG3310は445×330×163mmとなる。横幅はEW-M571Tが70mmも小さく、奥行きはG3310が17mm、高さもG3310が24mm小さい。ただしEW-M571Tはエコタンク部分が少し前に飛び出ている部分も計測されているため、エコタンク部分以外の奥行きはG3310とほぼ同じに感じる。G3310の方が高さが小さいとはいえ、その差と比べると横幅の差が大きく、全体的な印象はEW-M571Tの方が小さめだ。また、設置スペースという観点からもEW-M571Tの方が有利だ。G1310はプリント単機能機だが、G3310からスキャナ部を外したような形であるため、横幅と奥行きは同じで、高さだけが28mm小さくなっている。薄型の分圧迫感は小さいが、やはり設置面積の面ではEW-M571Tに劣る。
 最後に付属のインクボトルだが、EW-M571Tが各色1本、G3310/G1310は各色1本に、ブラックだけもう1本付属している。枚数に直すと、初期充填分を無視すれば、EW-M571Tがカラーインク6,000枚分、ブラックインク7,500枚分、G3310G1310がカラーインク7,000枚分、ブラックインク12,000枚分となる。G3310/G1310の方が全体的に多いが、もともとインクボトルは安いので、大きな差では無い。多少お得くらいのイメージで良いだろう。



 直接のライバルとなるEW-M571TG3310から見てみると、オススメはEW-M571Tとなる。ここまではっきりどちらかの機種だけをオススメするのは珍しいのだが、そこまでの差があると言える。EW-M571Tは画質や写真の印刷速度、印刷コストではG3310に劣るとは言え、大きな差では無く、逆に普通紙印刷速度、インクの耐保存性、両面印刷対応、SDカードからのダイレクト印刷対応、リモートプリント機能など勝る部分が多い。それに加えてカラー液晶を搭載しているため、コピー機能も豊富で各種設定やエラーなども分かりやすい。さらに最も重要なのがインクの充填のしやすさで、この部分の差は大きい。対応OSも幅広く、耐久枚数も高い。価格が同じだと完全な機能比較となってしまい、G3310が優れている部分もあるが差が小さく決め手にはならない一方、EW-M571Tにしか搭載されていない機能が多い事から、EW-M571Tが使いやすく、様々な場面で便利に使えるだろう。一方のG1310の方が、プリントだけで良いという人には15,000円安く購入できるので、オススメできる。ただ、前述のようにインク充填のしやすさの差や両面印刷、対応OSの面で劣るのはG3310と同じで、さらにG1310は今や標準となりつつある無線LAN(Wi-Fi)にも対応しておらず、そのためスマホにも非対応だ。本当にパソコン1台からシンプルにプリントだけ出来れば良いという人はG1310が、それ以外の人にはEW-M571Tがオススメだ。


(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
エプソンhttp://www.epson.co.jp/


EW-M571T
G3310
G1310