プリンター徹底比較
2019年末時点のプリンターを徹底検証
新機種と旧機種を徹底比較
(2020年1月17日公開)

表中の赤文字は旧機種・参考機種からの変更点です。なお3機種で比較している場合は、旧機種1・参考機種1からの変更点となります。

GM4030とGM2030を徹底比較する

 2019年の4月に、2世代目のギガタンク搭載プリンター3機種(カラー複合機、カラープリンター、モノクロプリンター)を登場させたばかりだが、11月には早くもバリエーションを追加してきた。GM4030はモノクロプリンターGM2030の複合機版、又はG6030/G7030のモノクロプリント専用版というべき製品だ。2世代目ギガタンク搭載機種は基本的な設計は同一で、細かな違いによりバリエーション展開しているが、今回も同じだ。同じモノクロ機であるGM2030と比べてどういった機能に違いがあるのか見ていこう。

プリント(画質・速度・コスト)
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
発売日
2019年11月8日
2019年4月25日
発売時の価格
44,880円
21,880円
インク
色数
4色
4色
インク構成
ブラック(顔料)
【カラーのインクカートリッジを装着時】
シアン
マゼンタ
イエロー
ブラック(顔料)
【カラーのインクカートリッジを装着時】
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
ギガタンク(黒)
(挿して注入・満タン自動ストップ)
一体型カートリッジ(カラー)
ギガタンク(黒)
(挿して注入・満タン自動ストップ)
一体型カートリッジ(カラー)
顔料/染料系
染料(カラー)/顔料(黒)
新顔料ブラック
染料(カラー)/顔料(黒)
新顔料ブラック
インク型番
30番(黒)
341XL(カラー・大容量)/341(カラー・標準容量)
30番(黒)
341XL(カラー・大容量)/341(カラー・標準容量)
ノズル数
1792ノズル
カラーインク未装着時は640ノズル
1792ノズル
カラーインク未装着時は640ノズル
カラー:各384ノズル
黒:640ノズル
カラー:各384ノズル
黒:640ノズル
最小インクドロップサイズ
N/A(2pl?)
N/A(2pl?)
最大解像度
600×1200dpi
600×1200dpi
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
非対応
非対応
A4普通紙カラー(ISO基準)
6.8ipm
6.8ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
13.0ipm
13.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
非対応
非対応
A4カラー文書
7.2円(大容量)
11.1円(標準容量)
7.2円(大容量)
11.1円(標準容量)
A4モノクロ文書
0.4円
0.4円

 GM4030はGM2030の複合機版という位置づけのため、価格は発売当初の時点で23,000円高い44,880円となる。ちなみにGM2030も引き続き販売される。
 それではプリントの基本機能である画質や速度、印刷コストを見てみよう。GM4030の画質や速度、印刷コストはGM2030と全く同じである。ブラックインク用のタンクのみ搭載しており、モノクロプリントが基本だが、カラー3色一体型のインクカートリッジを取り付ける事で、一時的にカラープリントも可能な点も同等だ。もちろん使用するインクも同じで、挿して注入開始、満タンで自動ストップする方式も同じである。

プリント(給紙・排紙関連)
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
対応用紙サイズ
名刺〜A4
(フチなし印刷非対応・対応用紙は普通紙・ハガキ(光沢タイプでないもの)、封筒のみ)
名刺〜A4
(フチなし印刷非対応・対応用紙は普通紙・ハガキ(光沢タイプでないもの)、封筒のみ)
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面
○(100枚)
○(100枚)
前面
カセット(250枚/普通紙のみ)
カセット(250枚/普通紙のみ)
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
用紙幅チェック機能

 続いて、GM4030とGM2030の給紙、排紙機能を比較してみよう。この点も全く同じで、給紙枚数も違いは無い。また、フチなし印刷には非対応で、対応用紙にも制限があるのも変わらない。

プリント(付加機能)
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
自動両面印刷
○(普通紙のみ)
○(普通紙のみ)
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
写真補正機能
N/A
N/A
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ
○/○
○/○
廃インクタンク交換/フチなし吸収材エラー時の印刷継続
−/−
−/−

 続いて、GM4030とGM2030のその他のプリント機能を比較してみよう。自動両面印刷機能や自動電源オン/オフ機能など、機能面で違いは無い。

スキャン
新機種
参考機種1
参考機種2
型番
GM4030
G7030
GM2030
製品画像
読み取り解像度
1200dpi
(1200×2400dpi)
1200dpi
(1200×2400dpi)
センサータイプ
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
ADF
原稿セット可能枚数
35枚
35枚
原稿サイズ
A4/レター/リーガル
A4/レター/リーガル
両面読み取り
読み取り速度
カラー
N/A
N/A
モノクロ
N/A
N/A
スキャンデーターのメモリーカード保存

 続いてGM4030とGM2030のスキャン機能を比較してみよう。とはいえGM2030はプリンターなので、スキャナーは搭載しない。そこで同じギガタンク搭載のカラー複合機G7030と比較してみよう。GM4030はG7030と同じくフラットベッドスキャナーだけで無くはADFも搭載しおり、35枚までの原稿を連続でスキャンできる。連続コピーにも便利だろう。また、この点がGM2030との大きな違いの一つとなる。

ダイレクト印刷
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
カードスロット
対応メモリーカード
USBメモリー/外付けHDD/外付けDVD対応
−/−/−
−/−/−
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDD/外付けDVDへバックアップ
−/−/−
−/−/−
対応ファイル形式
色補正機能
手書き合成
PictBridge対応
赤外線通信
各種デザイン用紙印刷

 GM4030もGM2030と同じくSDカードスロットなどは無くダイレクト印刷機能は搭載していない点で、機能の差は無い。

スマートフォン/クラウド対応
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
スマートフォン連携
対応端末
iOS 11.0以降
Android 4.4以降
スマートスピーカー対応
iOS 10.0以降
Android 4.4以降
スマートスピーカー対応
NFC対応
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
スマートフォン経由/本体
○/−
○/−
オンラインストレージからの印刷
SNSからの印刷
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
写真共有サイトからの印刷
メールしてプリント
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 続いて、GM4030とGM2030のスマートフォン、クラウド対応を比較しよう。機能面での違いは無いが、対応端末のiOSが10.0移行から11.0移行に変更されている。ただし、これは発売時点での対応OSであり、アプリがバージョンアップする事により対応OSが変更されているためだ。そのためGM2030でも、現在はiOS11.0以降となる。

コピー機能
新機種
参考機種1
参考機種2
型番
GM4030
G7030
GM2030
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
オートフィット
定型変倍
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
割り付け(2面/4面)
○/○
○/○
−/−
バラエティコピー
ページ順コピー
枠消しコピー
IDコピー
ページ順コピー
枠消しコピー
IDコピー

 GM4030は複合機であるため、GM2030とは異なりコピーが可能だ。そこでスキャン機能の項目に引き続き、カラー複合機のG7030と比較してみよう。基本的なコピー機能はG7030と同等で、等倍だけで無く、拡大縮小にも対応しており、原稿サイズを自動認識して印刷用紙のサイズに拡大縮小する「オートフィット」や、B5からA4のように、原稿と印刷用紙のサイズの組み合わせを指定する「定型変倍」の他、25〜400%の間で1%刻みで拡大縮小率を指定できる。2面や4面割り付けも可能なほか、ADF使用時して複数枚を複数部コピーする際に、1部ずつまとめてコピーする「ページ順コピー」機能や、厚手の原稿の場合に原稿の周囲や、本のとじ目などのの黒くなる部分を白くできる「枠消しコピー」、免許証などの裏表をそれぞれスキャンして並べてプリントできる「IDコピー」機能も利用できる。

操作パネル/インターフェース/本体サイズ
新機種
参考機種
型番
GM4030
GM2030
製品画像
液晶ディスプレイ
2行モノクロ
(90度角度調整可)
操作パネル
ボタン式
ボタン式
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト接続対応)
有線LAN
100BASE-TX
100BASE-TX
対応OS
Windows 10/8.1/7 SP1
Windows 10/8.1/7 SP1
耐久枚数
6万枚
6万枚
外形寸法(横×奥×高)
403×369×234mm
403×369×166mm
重量
9.2kg
6.0kg
本体カラー
ブラック
ブラック

 最後にGM4030とGM2030の操作パネルやインターフェース、本体サイズなどを見てみよう。GM2030はプリントだけと言うことで液晶ディスプレイなどは搭載していなかったが、GM4030はコピー機能も搭載されたと言うことで、カラー複合機と同等と、2行モノクロの液晶が搭載された。バックライトはないが、90度の角度調整が可能であるため、見やすい角度に調整ができる。
 インターフェースはGM2030と同じUSB、有線LAN、無線LANとなる。対応OSにも変化は無いが、GM4030はGM2030同様、MacOSには非対応である点は注意したい。本体サイズは横幅と奥行きは変わらないが、ADFを搭載した分、高さが195mmから234mmに大きくなっている。また、新たに本体の耐久枚数が公表され6万枚とされたが、同時にGM2030も6万枚と公表されたため、この点に違いは無い。



 GM4030はギガタンク搭載モデル初のモノクロ複合機ではあるが、本体はカラーモデルのG6030やG7030と同等としつつ、プリント部はモノクロプリンターのGM2030と同等で、組み合わせることで新しいモデルを作り上げた印象だ。そのため、目新しい部分は無いが、ギガタンクならではの低印刷コストである点や、比較的高速な印刷、顔料インク、高耐久性など魅力的な部分の多い製品だ。また、ADFを搭載しているため、コピー機としても使い勝手は良好だ。モノクロプリントとコピーしかしないのにカラーインクを入れる必要があるのが嫌だと言う人や、GM2030は魅力的だがコピー機能も必要という人だけで無く、モノクロレーザープリンターを使用している人にとっても、新たな選択肢となるだろう。

(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
キャノンhttp://canon.jp/


GM4030