プリンター徹底比較
2019年末時点のプリンターを徹底検証
新機種と旧機種を徹底比較
(2020年1月17日公開)

表中の赤文字は旧機種からの変更点です。なお3機種で比較している場合は、旧機種1からの変更点となります。

PIXUS XK60とPIXUS XK80/PIXUS XK70を徹底比較する

 キャノンのPIXUS XK60はPIXUS XK80の後継というべき製品だ。一方、上位機種のPIXUS XK70は3年目に突入するが、引き続き継続販売となる。前モデルのPIXUS XK80と比較すると共に、上位機種PIXUS XK70も参考機種として掲載している。

プリント(画質・速度・コスト)
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
発売日
2019年9月5日
2018年9月6日
2017年9月22日
発売時の価格
40,980円
40,880円
44,880円
インク
色数
6色
6色
6色
インク構成
顔料ブラック
染料ブラック
フォトブルー
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
フォトブルー
シアン
マゼンタ
イエロー
顔料ブラック
染料ブラック
フォトブルー
シアン
マゼンタ
イエロー
カートリッジ構成
各色独立
各色独立
各色独立
顔料/染料系
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100)
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100)
染料/顔料(黒)
(ChromaLife100)
インク型番
N10XL/N11XL(大容量)
N10/N11(標準容量)
N10XL/N11XL(大容量)
N10/N11(標準容量)
N10XL/N11XL(大容量)
N10/N11(標準容量)
ノズル数
6656ノズル
6656ノズル
6656ノズル
C/M:各1536ノズル
Y:512ノズル
PB/染料BK/顔料BK:各1024ノズル
C/M:各1536ノズル
Y:512ノズル
PB/染料BK/顔料BK:各1024ノズル
C/M:各1536ノズル
Y:512ノズル
PB/染料BK/顔料BK:各1024ノズル
最小インクドロップサイズ
N/A
N/A
N/A
最大解像度
4800×1200dpi
4800×1200dpi
4800×1200dpi
その他高画質化機能
印刷速度
L判縁なし写真(メーカー公称)
14秒
14秒
14秒
A4普通紙カラー(ISO基準)
10.0ipm
10.0ipm
10.0ipm
A4普通紙モノクロ(ISO基準)
15.0ipm
15.0ipm
15.0ipm
印刷コスト
L判縁なし写真
12.5円
12.6円
12.5円
A4カラー文書
5.7円
5.7円
5.7円
A4モノクロ文書
N/A
N/A
N/A

 PIXUS XK60の価格はPIXUS XK80の発売時の価格とほぼ同じで、PIXUS XK70より4,000円安く設定されている。プリントの基本機能である画質と速度、印刷コストを見てみると、インク構成や印刷解像度、ノズル数や、インクカートリッジ、印刷速度は全く変わっていない。唯一、L判縁なし写真の印刷コストが0.1円下がっているが、同じプリントエンジンで同じインクカートリッジなので測定の誤差に近いものだろう。画質、速度に関しては良くも悪くも変化はない。

プリント(給紙・排紙関連)
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
対応用紙サイズ
名刺〜A4
(89×89mm用紙対応)
名刺〜A4
(89×89mm用紙対応)
名刺〜A4
給紙方向
(A4普通紙セット可能枚数)
背面
○(100枚)
○(100枚)
○(100枚)
前面
カセット(100枚/普通紙のみ)
カセット(100枚/普通紙のみ)
カセット(100枚/普通紙のみ)
その他
排紙トレイ自動開閉
用紙種類・サイズ登録
○(給紙口カバー閉じ(背面)連動)
○(カセット収納(前面)・給紙口カバー閉じ(背面)連動)
○(カセット収納(前面)・給紙口カバー閉じ(背面)連動)
用紙幅チェック機能
○(セット時・用紙サイズ表示)

 続いて、PIXUS XK60とPIXUS XK80の給紙、排紙機能を比較してみよう。基本的な給紙、排紙機構は変化していない。給紙可能枚数も同等だ。また、前面給紙カセットはは普通紙のみという制限も変わらない。使用できる用紙サイズも名刺サイズからA4サイズまでというのも同等だ。ただし、今年の新機種より一部の機種が搭載している「自動紙幅検知」機能がPIXUS XK60にも搭載されている。これはエプソンの紙幅チェック機能のように印刷時に用紙幅をチェックし、用紙外にインクを打ってしまうのを防ぐ機能とは異なる。最近のプリンターでは、用紙をセットした際に用紙のサイズと種類を登録しておく機能があり、印刷時の設定がこれと異なる場合、警告メッセージを表示してくれる機能が搭載されている。この際にPIXUS XK60では用紙幅をチェックし、用紙サイズを予測するようになった。それに伴って、前面給紙カセットでは、カセット収納時に登録画面が表示されなくたった(設定画面から変更はできる)。というのも、前面給紙カセットは普通紙しかセットできず、サイズもA4、A5、B5、レターサイズだけで、ユーザー定義サイズなどは対応していないため、用紙幅から用紙サイズが確実に分かり、用紙は普通紙に決まっているからである。背面給紙の方は、用紙の種類を登録する必要もあり、サイズも定型サイズ以外の可能性もあるため、登録画面が表示されるが、用紙幅から予測した用紙サイズが表示される。このように用紙セット時の手間が軽減される機能となっている。

プリント(付加機能)
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
自動両面印刷
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷
○(ネイル印刷対応)
○(ネイル印刷対応)
写真補正機能
○(自動写真補正)
○(自動写真補正)
○(自動写真補正)
特定インク切れ時印刷
自動電源オン/オフ
○/○
○/○
○/○
廃インクタンク交換/フチなし吸収材エラー発生時の継続使用
−/−
−/−
−/−

 続いて、PIXUS XK60とPIXUS XK80のその他のプリント機能を比較してみよう。自動両面プリントや自動電源オン/オフなどの機能に違いはない。

スキャン
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
読み取り解像度
2400dpi
2400dpi
2400dpi
センサータイプ
CIS
CIS
CIS
原稿取り忘れアラーム
スキャンデーターのメモリーカード保存

 PIXUS XK60のスキャン機能はPIXUS XK80から違いは無い。解像度なども同等だ。

ダイレクト印刷
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
カードスロット
対応メモリーカード
SD
SD
SD
USBメモリー/外付けHDD/外付けDVD対応
−/−/−
−/−/−
−/−/−
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDD/外付けDVDへバックアップ
−/−/−
−/−/−
−/−/−
対応ファイル形式
JPEG/TIFF
JPEG/TIFF
JPEG/TIFF
色補正機能
トリミング
フチなし/フチあり
赤目補正
トリミング
フチなし/フチあり
赤目補正
トリミング
フチなし/フチあり
赤目補正
クリエイティブフィルター(明るく/ 暗く/鮮やか/温かく/セピア/モノクロ/アンティーク調/ビンテージ調/シネマ調)
手書き合成
○(ディスクレーベル対応)
○(ディスクレーベル対応)
○(ディスクレーベル対応)
PictBridge対応
○(Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
○(Wi-Fi)
赤外線通信
各種デザイン用紙印刷
カレンダー印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
ディスクレーベル印刷
組み込みパターンペーパー
カレンダー印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
ディスクレーベル印刷
組み込みパターンペーパー
カレンダー印刷
定型フォーム印刷(レポート用紙、原稿用紙/スケジュール用紙、方眼紙、チェックリスト、五線譜、漢字練習帳)
ディスクレーベル印刷

 PIXUS XK60とPIXUS XK80のダイレクト印刷機能を比較してみよう。いずれもSDカードから印刷できるという点は変わらず色補正機能も、PIXUS XK70のようなクリエイティブフィルターには非対応なのも同じだ。

スマートフォン/クラウド対応
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
スマートフォン連携
対応端末
iOS 11.0以降
Android 4.4以降
(Bluetooth対応)
スマートスピーカー対応
iOS 10.0以降
Android 4.4以降
(Bluetooth対応)
スマートスピーカー対応
iOS 10.0以降
Android 4.4以降
(Bluetooth対応)
スマートスピーカー対応
NFC対応
写真プリント
ドキュメントプリント
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(PDF/Word/Excel/PowerPoint)
Webページプリント
スキャン
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
○(PDF/JPEG)
クラウド連携
スマートフォン経由/本体
○/○
○/○
○/○
オンラインストレージからの印刷
SNSからの印刷
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
○(コメント付き可)
写真共有サイトからの印刷
メールしてプリント
LINEからプリント
○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG)
→(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
○(JPEG)
→(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint)
リモートプリント
スキャンしてリモートプリント

 続いて、PIXUS XK60とPIXUS XK80のスマートフォン、クラウド対応を比較しよう。まず、対応端末に関してはiOSのバージョンが10.0から11.0になっているが、これは本体の発売時のアプリの対応バージョンなので、現在のアプリの対応バージョンは両機種ともAndroid 4.4/iOS 11.0以上となる。同じくLINE上でプリンターを友達登録し、トーク画面でファイルを送ると印刷される「PIXUSトークプリント」機能だが、去年まではJPEGファイルのみの対応だったが、PDFや各種オフィス文書にも対応した。ただこれは「PIXUSトークプリント」サービスの機能強化によるもので、PIXUS XK80をはじめとする旧機種も利用できる。

コピー機能
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
等倍コピー
拡大縮小
倍率指定
○(25〜400%)
○(25〜400%)
○(25〜400%)
定型変倍
オートフィット
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー
写真焼き増し風コピー
○(色あせ補正対応)
○(色あせ補正対応)
○(色あせ補正対応)
割り付け(2面/4面)
○/○
○/○
○/○
バラエティコピー
枠消しコピー
IDコピー
枠消しコピー
IDコピー
枠消しコピー
IDコピー

 PIXUS XK60とPIXUS XK80のコピー機能は同等だ。機能の追加・削除はない。

操作パネル/インターフェース/本体サイズ
新機種
旧機種
参考機種
型番
PIXUS XK60
PIXUS XK80
PIXUS XK70
製品画像
液晶ディスプレイ
4.3型
(90度角度調整可)
4.3型
(90度角度調整可)
5.0型
(90度角度調整可)
操作パネル
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
タッチパネル液晶
(90度角度調整可)
インターフェイス
USB他
USB2.0×1
USB2.0×1
USB2.0×1
無線LAN
IEEE802.11n/a/g/b
5GHz帯対応
(ダイレクト印刷対応)
IEEE802.11n/g/b
(ダイレクト印刷対応)
IEEE802.11n/a/g/b
5GHz帯対応
(ダイレクト印刷対応)
有線LAN
100BASE-TX
対応OS
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.11.6〜(AirPrint利用)
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.10.5〜(AirPrint利用)
Windows 10/8.1/7 SP1
Mac OS 10.10.5〜(AirPrint利用)
外形寸法(横×奥×高)
373×319×140mm
(前面給紙カセット伸張時373×364×140mm)
373×319×140mm
(前面給紙カセット伸張時373×364×140mm)
372×324×140mm
(前面給紙カセット伸張時372×359×140mm)
重量
6.6kg
6.6kg
6.7kg
本体カラー
メタリックシルバー
メタリックシルバー
グレーメタリック

 最後にPIXUS XK60とPIXUS XK80の操作パネルやインターフェース、本体サイズなどを見てみよう。本体デザインはPIXUS XK80を踏襲しており、カラーもメタリックシルバーで一見すると違いは分からない。もちろん本体サイズも同じだ。液晶サイズやタッチパネル操作も同等である。インターフェースはUSBと無線LANに対応しており、PIXUS XK70のように有線LANには対応しない。一方、無線LANに関しては機能強化されており、IEEE802.11aに新たに対応し、IEEE802.11n/a利用時は、5GHzの電波帯での通信が可能になった。従来の2.4GHz帯は、Bluetoothやワイヤレスマウス、固定電話の子機などでも使われる電波帯で、電子レンジの影響を強く受ける問題があった。5GHz帯は無線LAN専用と言え、通信が安定するというメリットがある。これはPIXUS XK70も対応しているため、無線LANの機能に関しては、上位機種と同等になったといえる。
 対応OSに関してはWindowsには変化がないが、MacOSに関しては10.10.5以降から、10.11.6以降に変更された点は注意が必要だ。



 PIXUS XK60は、PIXUS XK80と比べてほとんど変化ないが、「自動紙幅検知」は手間を軽減する便利な機能だし、無線LANが5GHz帯に対応したのは、安定性の面で大きな進化と言える。細かな点だが、後継機種らしい進化が見られると言えるだろう。


(H.Intel)


【今回の関連メーカーホームページ】
キャノンhttp://canon.jp/


PIXUS XK60