2021年末時点のプリンターを徹底検証 新モデルと旧モデルを徹底比較 (2021年10月15日公開)
MFC-J904NはMFC-J903Nの後継機種だ。3年ぶりの新モデルとなるが見た目には大きく変化していない。一方で、大きく進化した部分や、細かな改良で使いやすくなった部分などもある。どこが変わったのか細かく見ていこう。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
発売日 | 2021年10月中旬 | 2018年9月中旬 | ||
発売時の価格(税込) | 27,500円 | 30,800円 | ||
インク | 色数 | 4色 | 4色 | |
インク構成 | ブラック シアン マゼンタ イエロー |
ブラック シアン マゼンタ イエロー |
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カートリッジ構成 | 各色独立 | 各色独立 | ||
顔料/染料系 | 染料(カラー)/顔料(黒) (アルバム保存100年/耐光性50年) |
染料(カラー)/顔料(黒) (アルバム保存100年/耐光性50年) |
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インク型番 | LC411 | LC3111 | ||
ノズル数 | 840ノズル | N/A(840ノズル?) | ||
全色:各210ノズル | N/A(全色:各210ノズル?) | |||
最小インクドロップサイズ | 2pl | 1.5pl | ||
最大解像度 | 1200×6000dpi | 1200×6000dpi | ||
高画質化機能 | − | − | ||
印刷速度 | L判縁なし写真(メーカー公称) | 14秒 | 14秒 | |
A4普通紙カラー(ISO基準) | 16.5ipm | 10.0ipm | ||
A4普通紙モノクロ(ISO基準) | 17.0ipm | 12.0ipm | ||
(税込) |
L判縁なし写真 | 22.2円 | 20.5円 | |
A4カラー文書 | 9.4円 | 9.4円 | ||
A4モノクロ文書 | 2.9円 | 2.9円 | ||
ブラック | 375ページ | 375ページ | ||
カラー | 500ページ | 500ページ | ||
(税込) |
ブラック | 1,078円 | 1,078円 | |
カラー | 1,078円 | 1,078円 |
まずは、販売価格を見てみよう。販売開始時の価格はMFC-J904Nは27,500円となっており、旧モデルMFC-J903Nの30,800円と比べると、3,300円の値下げとなる。同クラスの新モデルの価格が下がるのは珍しいことだ。 それでは、印刷画質や速度、印刷コストなど基本的なプリント機能を見てみよう。MFC-J904Nでは、4色インクでブラックが顔料インク、カラーが染料インクという構成なのは同じだ。ただし、最小インクドロップサイズが1.5plから2plに変更されており、その分若干ながら画質面ではスペックダウンと言え、粒状感がやや強くなるだろう。とはいえ、そもそもインク構成から写真を高画質に印刷する目的の機種では無いため、大きな問題にはならないと思われる。一方、印刷速度に関しては大きく改善された。写真の印刷速度は14秒のままだが、エプソン、キャノン共に最高速モデルが10秒台なので、これ以上の高速化をする必要は無いだろう。一方、文書の印刷速度に関しては、MFC-J903Nではカラー文書が10.0ipm(image per minute:1分あたりの印刷面数)だったが、MFC-J904Nでは16.5ipmに、モノクロ文書は12.0ipmが17.0ipmに大きく向上した。カラーは65%、モノクロは42%の高速化というのはかなりのものだ。またこの速度は、家庭用インクジェットプリンターとしてははかなり高速な部類だ。一方でノズル数はMFC-J903Nでは非公表ながら、同機能の海外モデルを参考にすると、各色210ノズルで、MFC-J904Nも変化しておらず、この点で高速化したわけでは無い。最小インクドロップサイズが大きくなったことも影響しているだろうが、給紙や紙送りなど、何らかの改良がなされたと思われる。 インク構成は同じで、インクカートリッジのセット方法なども同じだが、カートリッジは変更されている。MFC-J903NではLC3111番だったが、MFC-J904NではLC411番となった。ただ、印刷可能枚数はA4カラー文書を印刷した場合、ブラックインクが375ページ、カラーインクが500ページという点は変わっておらず、カートリッジの価格も1色1,078円で同じだ。また、写真の耐保存性も、アルバム保存100年、耐光性50年というのも変わっていない。インクの発色などが改良された可能性もあるが、不明だ。インクカートリッジが変更されたからといって良くも悪くもなっておらず、気にする必要はあまりないが、買い換えで余ったインクカートリッジを流用しようと考えている場合は注意が必要だ。 また印刷可能枚数もインクカートリッジの価格も据え置きであるため、カラー文書、モノクロ文書共に印刷コストは全く変化していない。ただし、写真印刷に関してはMFC-J903Nの20.5円からMFC-J904Nでは22.2円へと高くなっている。印刷コストの測定条件は変更されていないので、最小インクドロップサイズの変化が影響したと思われる。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
対応用紙サイズ | 定型用紙 | L判〜A4 | L判〜A4 | |
長尺用紙 | 長さ297mmまで | 長さ297mmまで | ||
給紙方向 (A4普通紙セット可能枚数) |
○手差し (1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
○手差し (1枚/1枚/1枚) (0.52mm厚紙対応) |
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前面 | 【カセット下段】A4〜A6/ハガキ (100枚/40枚/20枚) 【カセット上段】 L判/ハガキ/ポストカードのみ (−/20枚/20枚) 手動切り替え |
【カセット下段】A4〜A6/ハガキ (100枚/40枚/20枚) 【カセット上段】 L判/ハガキ/ポストカードのみ (−/20枚/20枚) 手動切り替え |
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その他 | − | − | ||
排紙トレイ自動伸縮 | − | − | ||
用紙種類・サイズ登録 | ○(カセット収納連動・下段のみ) | ○(カセット収納連動・下段のみ) | ||
用紙幅チェック機能 | − | − |
続いて、MFC-J904Nの給紙、排紙機能を比較してみよう。MFC-J904Nは、MFC-J903Nと全く同等だ。大小2段の前面給紙カセットと、背面手差し給紙となっている。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
自動両面印刷 | ○ | ○ | ||
自動両面 印刷速度 |
A4カラー文書 | 5.5ipm | 3.0ipm | |
A4モノクロ文書 | 5.5ipm | 3.0ipm | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷 | ○ | ○ | ||
写真補正機能 | − | − | ||
特定インク切れ時印刷 | ○(クロだけ印刷・最大30日) | ○(クロだけ印刷・最大30日) | ||
自動電源オン/オフ | −/− | −/− | ||
廃インクタンク交換 | − | − | ||
フチなし吸収材エラー時の対応機能 | − | − |
続いてMFC-J904Nのその他のプリント機能を比較してみよう。MFC-J904Nは自動両面印刷とレーベル印刷に対応している点ではMFC-J903Nから変化はない。ただし、自動両面印刷の速度は改善されている。MFC-J903Nではカラー、モノクロ共に3.0ipmだったが、MFC-J904Nでは5.5ipmに高速化している。片面印刷速度が高速化したので当たり前に思えるかもしれないが、片面印刷速度からの低下率で言うと、MFC-J903Nは、カラーが30%、モノクロが25%まで低下していた。しかし、MFC-J904Nではカラーが33.3%、モノクロが32.4%となっており、自動両面印刷時の速度低下率も改善している。。自動両面印刷を多用するならうれしい改善点だ。 |
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型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
原稿サイズ | A4 (215.9×297mm) |
A4 (215.9×297mm) |
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読み取り解像度 | 1200dpi (1200×2400dpi) ADF使用時は1200×600dpi |
1200dpi (1200×2400dpi) ADF使用時は1200×600dpi |
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センサータイプ | CIS | CIS | ||
原稿取り忘れアラーム | − | − | ||
ADF | 原稿セット可能枚数 | 20枚 | 20枚 | |
原稿サイズ | 215.9×355.6mm〜148×148mm | 215.9×355.6mm〜148×148mm | ||
両面読み取り | − | − | ||
読み取り速度 | カラー | N/A | N/A | |
モノクロ | N/A | N/A | ||
スキャンデーターのメモリカード保存 | ○(JPEG/PDF/TIFF) | ○(JPEG/PDF/TIFF) |
MFC-J904Nのスキャナー機能を見てみよう。原稿サイズや解像度、ADFの原稿セット可能枚数なども全く同じとなっている。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
ダイレクトプリント | メモリーカード | SD | SD | |
USBメモリー | ○ | ○ | ||
赤外線通信 | − | − | ||
対応ファイル形式 | JPEG | JPEG | ||
色補正機能 | フチあり/フチなし 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
フチあり/フチなし 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) |
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手書き合成 | − | − | ||
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ | −/− | −/− | ||
PictBridge対応 | − | − | ||
各種デザイン用紙印刷 | − | − |
MFC-J904Nのダイレクト印刷機能を見てみよう。MFC-J904NではSDカードとUSBメモリーに対応し、フチなし/フチありの他、明るさとコントラストを5段階から調整できる点まで、MFC-J903Nと全く同じだ。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
スマートフォン連携 | アプリ | メーカー専用 | Brother Mobile Connect | Brother iPrint&Scan |
AirPrint | ○ | ○ | ||
対応端末 | iOS 13.0以降 Android 5.0以降 |
iOS 11.0以降 Android 4.03以降 |
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スマートスピーカー対応 | − | − | ||
Wi-Fi接続支援機能 | ○(NFC(Android)) | ○(NFC(Android)) | ||
写真プリント | ○ | ○ | ||
ドキュメントプリント | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ||
Webページプリント | ○ | ○ | ||
スキャン | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ||
クラウド連携 | プリント | アプリ経由/本体 | ○/○ | ○/○ |
オンラインストレージ | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ||
SNS | − | − | ||
写真共有サイト | − | − | ||
スキャン | アプリ経由/本体 | ○/○ | ○/○ | |
スキャンしてオンラインストレージにアップロード | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote) | ||
メールしてプリント | ○Eメールプリント (JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT/メール本文) |
○メール添付印刷 (JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/TXT) 本体でのプリント操作必要 |
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LINEからプリント | − | − | ||
リモートプリント | − | − | ||
スキャンしてリモートプリント | − | − |
MFC-J904Nのスマホ、クラウド関連機能を見ていこう。対応アプリは「Brother iPrint&Scan」から「Brother Mobile Connect」へと変更された。エプソンの場合は新アプリ「Epson Smart Panel」へ移行後も、新モデルで旧アプリ「Epson iPrint」を利用できるが、MFC-J904Nでは「Brtoher iPrint&Scan」は使用できない。対応OSもiOSが11.0以降から13.0以降に、Androdiが4.03以降から5.0以降に変更されているので注意が必要だ。 アプリが変更になり、操作方法は大きく変わったが、機能面では同等だ。写真や文書ファイル、Webページのプリントと、スキャンが行える。クラウドへのアクセスも、本体上とアプリ上の両方で可能なのも同じだ。変更になった点として、メールを利用したリモートプリント機能で、「メール添付印刷」機能が「Eメールプリント」機能へと変更された。昨年のモデルより変更されており、MFC-J904Nでも変更になった。従来の「メール添付印刷」では、送信すると専用のクラウド上に保存されるため、24時間以内にプリンター本体からの操作でクラウドにアクセスし、送信元のメールアドレスを選択してプリントという手順が必要だった。「Eメールプリント」では、本体の操作が必要なく、メールを送信すると、自動的にプリントされるようになった。また、「メール添付印刷」ではWord、Excel、PowerPoint、PDF、TXT、BMP、GIF、JPG、PNG、TIFF形式に対応しているが、添付ファイルのみの印刷でメール本文は印刷されなかった。「Eメールプリント」では対応ファイル形式は同じながら、メール本文を印刷するか選べるようになった。これらの設定は、ブラウザ上から行え、ドキュメントと画像でそれぞれ画質と用紙サイズ、さらにドキュメントは両面印刷をするかどうかも設定できるようになった。ソフトウェア的な変更のみだが、同機能の使い勝手は大きく向上している。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
等倍コピー | ○ | ○ | ||
拡大縮小 | 倍率指定 | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | |
オートフィット | ○ | ○ | ||
定型変倍 | ○ | ○ | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー | − | − | ||
写真焼き増し風コピー | − | − | ||
割り付け(2面/4面) | ○/○ | ○/○ | ||
その他のコピー機能 | 濃度調整 地色除去コピー |
濃度調整 地色除去コピー 裏写り除去コピー インク節約モードコピー |
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バラエティコピー | 2in1IDカードコピー ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
2in1IDカードコピー ブックコピー 透かしコピー ソートコピー ポスターコピー(3×3/2×2/1×2) |
MFC-J904Nのコピー機能を見てみよう。各種拡大縮小や2面/4面割付は同等だ。一方、その他のコピー機能として、濃度調整と、地色除去コピーは搭載しているが、裏写り除去コピーとインク節約モードが無くなっている。インク節約モードは全体に色を薄くするのでは無く、文書の文字はそのまま残しつつ、見出しなどの大きな文字や、グラフ、色囲みなどは、輪郭だけを残して内側の色を薄くすることで、見やすさを落とさずにインク使用量を減らすことができるという、エプソンやキャノンには無い機能だったが、省かれてしまった。2in1IDカードコピーやブックコピー、透かしコピー、シートコピー、ポスターコピーといったバラエティコピー機能は引き続き搭載されている。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
通信速度 | 33.6kbps | 33.6kbps | ||
画質設定 | モノクロ | 8dot/mm×3.85line/mm(標準) 8dot/mm×7.7line/mm(ファイン) 8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
8dot/mm×3.85line/mm(標準) 8dot/mm×7.7line/mm(ファイン) 8dot/mm×15.4line/mm(スーパーファイン) 8dot/mm×7.7line/mm(写真) |
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カラー | 203×196dpi(標準・ファイン) | 203×196dpi(標準・ファイン) | ||
送信原稿サイズ | A4 | A4 | ||
記録紙サイズ | A4 | A4 | ||
受信ファクス最大保存ページ数 | 200枚/N/A件 | 200枚/N/A件 | ||
データー保持(電源オフ/停電) | ○/○ | ○/○ | ||
ワンタッチ | − | − | ||
アドレス帳 | 100件×2番号 | 100件×2番号 | ||
グループダイヤル | 198宛先 | 198宛先 | ||
順次同報送信 | 250宛先 (電話帳200宛先+手入力50宛先) |
250宛先 (電話帳200宛先+手入力50宛先) |
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自動リダイヤル | ○ | ○ | ||
発信元記録 | ○ | ○ | ||
ポーリング受信/送信 | −/− | −/− | ||
ファクス/電話自動切替 | ○ | ○ | ||
見てから送信 | ○ | ○ | ||
見てから印刷 | ○ | ○ | ||
受信ファクスを | メール送信 | ○ | ○ | |
共有フォルダ保存 | −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) | −(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/OneNote対応) | ||
外部メモリー保存 | − | − | ||
PCファクス | 送受信 | 送受信 |
続いて、MFC-J904Nのファクス機能を見てみよう。完全にMFC-J903Nの機能を踏襲しており、画質や受信ファクスの保存件数やアドレス帳件数、見てから送信や印刷など全て同等になっている。 |
型番 | MFC-J904N | MFC-J903N | ||
製品画像 | ||||
液晶ディスプレイ | 2.7型 (角度調整可) |
2.7型 (角度調整可) |
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操作パネル | タッチパネル液晶+物理ボタン (度角度調整可) |
タッチパネル液晶+物理ボタン (度角度調整可) |
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インターフェイス | USB他 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | |
無線LAN | IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
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有線LAN | 100BASE-TX | 100BASE-TX | ||
対応OS | Windows 10/8.1/7 SP1 Mac OS 10.14.6〜 (AirPrint使用) |
Windows 10/8.1/8/7 SP1 Mac OS 10.12.6〜 |
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外形寸法(横×奥×高) | 400×341×172mm レーベル印刷時は後方に10cm以上のスペースが必要 |
400×341×172mm レーベル印刷時は後方に10cm以上のスペースが必要 |
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重量 | 8.4kg | 8.6kg | ||
本体カラー | ブラック | ブラック |
最後にMFC-J904Nの操作パネルやインタフェースなどを見てみよう。MFC-J904Nの液晶のサイズは2.7型と変更されておらず、タッチパネル液晶で、液晶右に物理ボタンを3つ搭載する点も同じだ。液晶内の操作方法も変更されていないが、背景色が黒から白へと変更され、明るい印象になった。インターフェースは同じだ。 対応OSには変更点がある。Windowsの場合、MFC-J903NではWindows 7 SP1以降となっており、MFC-J904Nでもこの点は変わっていない。ただし、Windows 8が非対応となり、Windows 8.1にアップデートしないと使えなくなった。MacOSも10.12.6以降から、10.14.6以降となり、より新しいOSのみ対応となっただけでなく、専用ドライバーが提供されなくなり、OS標準のAirPrintを利用したプリントとなった。これにより用紙厚さ設定などが利用できない他、一部の設定は本体で行う必要がでている 本体デザインは、操作パネルの位置や前面給紙カセットの形状、インクカートリッジ取り付け部の形状まで全く同じだ。ただしADF部だけ、カバーが無いタイプへと変更された。これまでは同機能のファクス無しモデルと外見上は同じで、旧モデルMFC-J903Nも、ファクス無しモデルDCP-J987NやDCP-J982NもADF部にカバーがあった。今年のモデルでは、ファクス無しモデルDCP-J926Nでは引き続きカバーありとなっている一方、MFC-J904Nではカバー無しとなった。またこのカバー無しADFは、ファーストタンク方式のモデルと同等であり、そちらのADFデザインに変更されたことになる。とはいえ、ADF以外は同じなので、本体サイズは全く同じとなっている。また、液晶の背景色が白になったため、液晶内が見やすくなったが、色の統一感は失われている。 MFC-J904Nは、旧モデルのMFC-J903Nと見た目もADF部以外は同じで、機能的な変更点も少ない。しかし、細かな部分の改良や新機能では無く、印刷速度というメインの部分が改良された。しかも、1割程度の速度向上では無く、カラーが65%、モノクロが42%の高速化というのは、かなり高性能になったと言える。それと同時に自動両面印刷速度も改良されたため、文書印刷のストレスは大きく軽減されたと言えるだろう。メールを利用したリモートプリント機能も使いやすくなるなど、細かな改善も抜かりない。それでいて、近年では新モデルが出る度に上がることが多い、本体価格や印刷コストも、本体価格は下がり印刷コストは据え置かれているのもポイントだ。最小インクドロップサイズはやや大きくなったとはいえ、見比べても分かるかどうかの差であり、また写真印刷向けの機種では無いため、この程度の画質低下は問題ないだろう。それよりも、インク節約モードコピーなど一部の機能が無くなった点は残念な人もいるだろう。とはいえ、文書印刷とファクス、コピー中心のユーザーにとっては、安くて速くて使いやすい機種としてオススメできる製品になっている。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 キャノンhttp://canon.jp/ |