2022年末時点のプリンターを徹底検証 新機種と旧機種を徹底比較 (2023年1月18日公開)
EP-715AはEP-714Aの後継機種だ。昨年は新型コロナウイルスの影響により、需要が集中する年末ではなく、年明け2月の発売となったが、今年は年末の10月20日の発売となる。基本的には恒例のマイナーバージョンアップの機種と言える。どの点が変わったのか、細かく見ていこう。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
発売日 | 2022年10月20日 | 2022年2月3日 | ||
発売時の価格(税込) | 23,650円 | 21,450円 | ||
インク | 色数 | 6色 | 6色 | |
インク構成 | ブラック シアン ライトシアン マゼンタ ライトマゼンダ イエロー |
ブラック シアン ライトシアン マゼンタ ライトマゼンダ イエロー |
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カートリッジ構成 | 各色独立 | 各色独立 | ||
顔料/染料系 | 染料 (つよインク200) |
染料 (つよインク200) |
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インク型番 | サツマイモ | サツマイモ | ||
最小インクドロップサイズ | 1.5pl (Advanced-MSDT) |
1.5pl (Advanced-MSDT) |
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最大解像度 | 5760×1440dpi | 5760×1440dpi | ||
高画質化機能 | − | − |
まずは、販売価格を見てみよう。EP-715Aの販売開始時の価格は23,650円で、EP-814Aの21,450円から2,200円の値上げだ。新型コロナウィルスによる世界的半導体不足や製造や輸送、円高などの問題もあって、製造コストが上がり毎年のように価格が上がっているが、2,200円というのは比較的値上げ幅は小さめと言えるだろう。 それでは、まず印刷画質を見てみよう。インク構成や印刷解像度、最小インクドロップサイズなどは全く同じで、画質は同等だ。使用するインクカートリッジにも変更が無い。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
ノズル数 | 1080ノズル | 1080ノズル | ||
各色180ノズル | 各色180ノズル | |||
印刷速度 | L判縁なし写真(メーカー公称) | 17秒 | 17秒 | |
A4普通紙カラー(ISO基準) | N/A | N/A | ||
A4普通紙モノクロ(ISO基準) | N/A | N/A | ||
ファーストプリント速度 | A4普通紙カラー | N/A | N/A | |
A4普通紙モノクロ | N/A | N/A |
続いて印刷速度である。写真の印刷速度しか公表されていないが、こちらも13秒から変化がない。ノズル数も増減がないため、普通紙の印刷速度も同等と思われる。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
(税込) |
L判縁なし写真 | 33.0円 | 32.5円→33.0円 | |
A4カラー文書 | 18.8円 | 18.8円 | ||
A4モノクロ文書 | N/A | N/A | ||
(税込) |
染料ブラック | 各990円 | 各990円 | |
カラー | 各990円 | 各990円 |
続いて印刷コストである。インクカートリッジに変更がないため、基本的には印刷コストは同じである。ただし、写真の印刷コストには用紙代が含まれており、このL判写真用紙が500枚で2,357円から2,600円に値上げされ、1枚あたり4.714円から5.2円に約0.5円上がった事から、写真の印刷コストは0.5円上がり、EP-715Aでは33.0円となった。ただし、EP-714Aも同様に値上げとなるため、印刷コストに差があるわけでは無い。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
対応用紙サイズ | 定型用紙 | L判〜A4 | L判〜A4 | |
長尺用紙 | 長さ1,200mmまで | 長さ1,200mmまで | ||
給紙方向 (A4普通紙セット可能枚数) |
− | − | ||
前面 | 【カセット】 (100枚/40枚/20枚) |
【カセット】 (100枚/40枚/20枚) |
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その他 | − | − | ||
排紙トレイ自動伸縮 | − | − | ||
用紙種類・サイズ登録 | ○(カセット収納連動) | ○(カセット収納連動) | ||
用紙幅チェック機能 | − | − |
続いて、EP-715Aの給紙、排紙機能を比較してみよう。対応用紙サイズや、前面給紙1段カセット給紙という点は全く同じだ。この項目には変化はない。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
自動両面印刷 | 対応/非対応 | − | − | |
対応用紙 | − | − | ||
対応サイズ | − | − | ||
自動両面 印刷速度 |
A4カラー文書 | − | − | |
A4モノクロ文書 | − | − | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベル印刷 | ○ | ○ | ||
写真補正機能 | ○(オートフォトファイン!EX) | ○(オートフォトファイン!EX) | ||
特定インク切れ時印刷 | ○(黒だけでモード・5日間のみ) | ○(黒だけでモード・5日間のみ) | ||
自動電源オン/オフ | −/○(指定時間) | −/○(指定時間) | ||
廃インクタンク交換 | − | − | ||
フチなし吸収材エラー時の対応機能 | ○(フチあり印刷継続可) | ○(フチあり印刷継続可) |
続いてEP-715Aのその他のプリント機能を比較してみよう。自動両面印刷機能には非対応である点や、自動電源オフ機能搭載など、全て同じだ。 |
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型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
原稿サイズ | A4 (216×297mm) |
A4 (216×297mm) |
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読み取り解像度 | 1200dpi(1200×2400dpi) | 1200dpi(1200×2400dpi) | ||
センサータイプ | CIS | CIS | ||
原稿取り忘れアラーム | − | − | ||
スキャンデーターのメモリカード保存 | ○(JPEG/PDF) | ○(JPEG/PDF) |
EP-715Aのスキャナー機能を見てみよう。原稿サイズや解像度など、EP-714Aと全く同じとなっている。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
ダイレクトプリント | メモリーカード | SD(最大256GB) | SD(最大256GB) | |
USBメモリー | − | − | ||
赤外線通信 | − | − | ||
対応ファイル形式 | JPEG | JPEG | ||
最大画像解像度 | 10200×10200ドット | 10200×10200ドット | ||
読込ファイル数上限 | 9,990枚 | 9,990枚 | ||
色補正機能 | 写真ズーム フチあり/フチなし 赤目補正 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) シャープネス調整(5段階) 鮮やかさ調整(5段階) フィルター(モノクロ/セピア) |
写真ズーム フチあり/フチなし 赤目補正 明るさ調整(5段階) コントラスト調整(5段階) シャープネス調整(5段階) 鮮やかさ調整(5段階) フィルター(モノクロ/セピア) |
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手書き合成 | − | − | ||
メモリーカードからUSBメモリー/外付けHDDへバックアップ | −/− | −/− | ||
PictBridge対応 | ○(Wi-Fi) | ○(Wi-Fi) | ||
各種デザイン用紙印刷 | フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜) ディスクレーベル印刷 |
フォーム印刷(罫線・マス目・便箋・スケジュール帳・五線譜) ディスクレーベル印刷 |
EP-715Aのダイレクト印刷機能を見てみよう。SDカードリーダーとUSBポートを搭載し、各種色補正や各種デザイン用紙印刷機能などに違いは無い。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
スマートフォン連携 | アプリ | メーカー専用 | Epson Smart Panel | Epson Smart Panel (EPSON iPrintにも対応) |
AirPrint | ○ | ○ | ||
対応端末 | iOS 13.0以降 Android 8.0以降 |
【発売時】 iOS 11.0以降 Android 5.0以降 【現行】 iOS 13.0以降 Android 8.0以降 |
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スマートスピーカー対応 | ○(Alexa/Googleアシスタント) | ○(Alexa/Googleアシスタント) | ||
Wi-Fi接続支援機能 | ○(Bluetooth LEで自動接続(初期設定時)/QRコード読み取り(iOS)/アプリ上で選択して本体で許可(Android)) | ○(Bluetooth LEで自動接続(初期設定時)/QRコード読み取り(iOS)/アプリ上で選択して本体で許可(Android)) | ||
写真プリント | ○ | ○ | ||
ドキュメントプリント | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ||
Webページプリント | ○ | ○ | ||
スキャン | ○(PDF/JPEG) | ○(PDF/JPEG) | ||
クラウド連携 | プリント | アプリ経由/本体 | ○/− | ○/− |
オンラインストレージ | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) | ||
SNS | ○(Instagram/Facebook・コメント付き可) | ○(Instagram/Facebook・コメント付き可) | ||
写真共有サイト | − | − | ||
スキャン | アプリ経由/本体 | ○/− | ○/− | |
スキャンしてオンラインストレージにアップロード | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) | ○(Dropbox/Evernote/googleドライブ/Box/OneDrive/google classroom) | ||
メールしてプリント | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文) | ○(JPEG/GIF/PNG/TIFF/BMP/PDF/Word/Excel/PowerPoint/メール本文) | ||
LINEからプリント | ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ○(JPEG/PNG/PDF/Word/Excel/PowerPoint) | ||
リモートプリント | ○(リモートプリントドライバー) | ○(リモートプリントドライバー) | ||
スキャンしてリモートプリント | − | ○(受信のみ) |
EP-715Aのスマホ、クラウド関連機能を見ていこう。対応アプリは引き続き「Epson Smart Panel」となるが、EP-714Aでは旧アプリ「EPSON iPrint」も利用できたが、EP-715Aでは対応しなくなった。新規に利用するユーザーは問題ないが、これまで「EPSON iPrint」を利用しており、慣れ親しんだ操作性の「EPSON iPrint」を引き続き利用しようと思っていたユーザーには注意が必要だ。なお、対応バージョンがiOSは11.0以降から13.0以降に、Androidが5.0以降から8.0以降に変更されているが、これは製品発表時のアプリの対応バージョンであり、この間にアプリ側に変更があっただけだ。そのためEP-714Aでも、現在はiOS 13.0以降、Android 8.0以降となる。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
等倍コピー | ○ | ○ | ||
拡大縮小 | 倍率指定 | ○(25〜400%) | ○(25〜400%) | |
オートフィット | ○ | ○ | ||
定型変倍 | ○ | ○ | ||
フチなしコピー | ○ | ○ | ||
CD/DVD/Blu-rayレーベルコピー | ○ | ○ | ||
写真焼き増し風コピー | − | − | ||
割り付け(2面/4面) | ○/− | ○/− | ||
その他のコピー機能 | 濃度調整 背景除去機能 |
濃度調整 背景除去機能 |
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バラエティコピー | 見開きコピー | 見開きコピー |
EP-715Aのコピー機能を見てみよう。各種拡大縮小やレーベルコピー、2面割付、背景除去、見開きコピーなど各種コピー機能はEP-714Aから変更は無い。 |
型番 | EP-715A | EP-714A | ||
製品画像 | ||||
液晶ディスプレイ | 1.44型 フリップ式UI |
1.44型 フリップ式UI |
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操作パネル | 物理ボタン | 物理ボタン | ||
インターフェイス | USB他 | USB2.0×1 | USB2.0×1 | |
無線LAN | IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
IEEE802.11n/g/b (Wi-Fiダイレクト対応) |
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有線LAN | − | − | ||
対応OS | Windows 11/10/8.1/8/7/Vista/XP SP3 MacOS 10.9.5〜 |
Windows 11/10/8.1/8/7/Vista/XP SP3 MacOS 10.9.5〜 |
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外形寸法(横×奥×高) | 390×338×163mm | 390×338×163mm | ||
重量 | 6.0kg | 5.9kg | ||
本体カラー | ホワイト (再生プラスチック30%使用) |
ホワイト |
最後にEP-715Aの操作パネルやインタフェースなどを見てみよう。 EP-715Aの液晶サイズや操作性はEP-714Aから変更されていない。EP-714AよりフリップUIに変更された際に、ホーム画面の各ボタンが色分けされていたが、EP-715Aでは「コピー」「写真の印刷」「スキャン」が、スマホ向けアプリ「Epson Smart Panel」の各ボタンと同じ色に変更され、分かりやすくなっている。一方で、「スマホと接続」「設定」「インク残量の確認」「プリンターのお手入れ」「Web動画マニュアル」が白又はグレーベースに変更となり、メインの機能と差別化されている。ただし、カラフルさが減ったとも言える。また、ホーム画面に「動作音低減モード」が追加されている。
操作パネル全体もデザインが変更されている。まず液晶周りの黒フチが無くなった。さらに、各ボタンの丸い枠なくなり、マークだけになった。4方向カーソルボタンも、三角形から、大きめのくの字に変更された。全体的に見ると非常にすッキリした印象となった。 その他、インターフェースや対応OSにも変更がなく、引き続き、キャノンとブラザーと比べると古いバージョンまで対応している。本体デザインには変更がないが、本体のプラスチックの約30%に、再生プラスチックを使用する事で環境に配慮している。 近年では特にインクカートリッジ方式の機種では、新機種と旧機種の差がほとんど無い事が恒例となっているが、EP-715Aもこの例に漏れず、液晶内のデザインと、再生プラスチックの使用以外の変更点がほぼ無い。その上、後者は使う上では違いは無いため、実質前者のみの変更点となる。この本体デザインも10年目となり、古く感じられてきている。特に本体の高さが他機種より大きいのが気になるところだ。そろそろ、上位機種EP-815Aと同じ本体をベースに、液晶サイズやボタン、給紙カセットなどをEP-715A仕様にするなど、本体デザインの変更にも期待したいところだが、EP-715Aも変更無しとなった。最近ではエコタンクモデルに力が注がれており、カートリッジモデルはデザインを一新するほどでもないのが実情だろう。ただ、逆に新機種になると機能が削られることがあるが、今回はそういったことも無く価格もわずかに上がっただけという点は、逆に良かったと言えるだろう。ただし、EPSON iPrintへの非対応などは注意が必要だ。 (H.Intel) 【今回の関連メーカーホームページ】 キャノンhttp://canon.jp/ |