第15回
Zaurus(ザウルス) SL-C760
〜その4〜
(2003年8月29日購入・2004年10月22日公開)

これから紹介する方法では、レジストリに手を加えることとなります。レジストリの変更の際、間違えた項目等を変更すると、最悪の場合Windowsが起動しなくなる恐れがあります。レジストリに手を加える自信の無いという方は、申し訳ありませんがおやめ頂くようお願い致します。また、実際に試される方は間違えの無いよう慎重に行って下さい。実際に試された際にパソコンに何らかの問題が発生しても、筆者は責任を負いかねます。

 ザウルスSL-C760(以下SL-C760)のロードテスト第4回である。今回は本機で再生できる動画を、Windows Media エンコーダ9で作成する方法と、ビットレートごとの実際に再生したときの画質をお伝えしよう。なお、SL-C750やSL-C860でも全く同じように再生できるため、参考にして頂きたい。

まずはWindows Media エンコーダ9を用意しよう

 まず、動画をザウルスで再生できる形式に変換するソフトである「Windows Media エンコーダ9」をダウンロードしてインストールしよう。Windows Media エンコーダ9はマイクロソフトが提供するソフトで、無料で使うことが出来る。つまり、無料のソフトを使ってザウルスで再生できる動画を作成できるのだ。なお、Windows Media エンコーダ9はWindows XPとWindows 2000でのみ動作するため、Windows Me/98/95/NTなどをお使いの方は残念ながらこの方法は使えないので、ご了承頂きたい。

MPEG4に圧縮できるようにする

 インストールが完了したが、このまま起動しても「ザウルスで再生できる動画形式」には圧縮できない。そこで、初回のみ設定が必要になる。その際、レジストリに手を加えることとなるので、このページ一番上の注意文を確認してから進めて頂きたい。
 さて、変更方法は以下の通りだ。
1、「スタート」−「ファイル名を指定して実行」をクリックする。
2、「regedit」と入力し、OKをクリックする。
3、「HKEY_CLASSES_ROOT\Windows Media\WMSDK\AudioEncode」を開く。
4、右側の(数字の並んでいる方)の余白部分で右クリックし、「新規」−「文字列値」をクリックする。
5、「新しい値」が一つ追加されるので、「85」と入力する。
以上である。数字が並んでいるところに、新たに「85」が追加されていれば成功だ。

圧縮してみよう

 では、早速圧縮に入ろう。Windows Media エンコーダ 9を起動すると、以下の画面が表示される。

 ここで、「ファイルの変換」を選択し「OK」をクリックする。

 ここで、変換するファイルを選ぶ。2つあるファイル名の内、上段は変換する元ファイル、下段は変換したファイルの出力先だ。変換元のファイルがWindows Media Video(WMV)形式の動画で無い場合は、変換元と変換先で拡張子が異なることになるので、ファイル名は同じでも良い。そして、「次へ」をクリックする。

 ここでは、「ファイルへ保存」を選ぶ。そして「次へ」をクリックする。

 ここではエンコード方式を設定することになっているが、ザウルス用の設定はここでは選ぶことができないのである。なので、とりあえず何かを選んで次に進む。

ここでは題名、作成者などの動画の情報を入力する。入力しなくてもよい。

 この画面は単なる確認画面だが、ここで必ず「[完了]をクリックしたときに変換を開始する」のチェックを「はずす」必要がある。さきほどエンコード方式の設定の画面で、ザウルス用の設定を選択できていないため、「[完了]をクリックしたときに変換を開始する」のチェックしてしまうと、そのとき選んだザウルス用でないエンコード方式での変換が開始されてしまうのである。

 この画面になったら、次はザウルス用のエンコード方式を設定する手順に入る。画面上部の「プロパティ」をクリックする。

 すると「セッションのプロパティ」画面が開くので、「圧縮」タブをクリックする。すると上のような画面になるので、「編集」をクリックする。

 「独自のエンコード設定」の画面が開くので、ここでまず「新規作成」ボタンを押す。すると名前やビットレートの欄が白紙になり、メディアの種類欄も初期設定に戻るので、そこで、以下のようなザウルス用の設定を行っていくことになる。

 ここでは、まず名前を入力する。名前はなんでも良いのだが、入力しないとエラーが出てしまうので入力しよう。次に、オーディオ欄のモードは「CBR」を、コーデックは「MPEG Layer-3 Codec」を選択しよう。そして、ビデオ欄のモード欄のモードは「CBR」を、コーデックは「ISO MPEG-4 Video V1」を選択しよう。各設定が終わったら、対象ビットレート欄の「追加」をクリックする。

 ここで「動画+音声」の合計ビットレートを入力し「OK」をクリックする。この際後ろにキロの「K」を付けるのを忘れないようにしよう。上の画面では400Kbpsを設定した。

 ビットレートを入力すると、そのビットレートの詳細設定の画面になる。まず、「オーディオ形式」欄はどれを選んでも良いが、音質を考えると最高の「56kBit/s, 24,000 Hz, Stereo」を選ぶと良いだろう。「ビデオサイズ」欄は「320×240」と入力し、フレームレートも入力する。フレームレートは「1秒間に何コマか」を表しており、ザウルス SL-C750/760/860では10fpsが最高となっているが、実際はもう少し高い値が出ているようだ。なので、フレームレート欄は12〜15fpsを入力すると良いだろう。最後に「OK」をクリックする。

図のような画面に戻る。ここで、「エンコードの開始」をクリックすると、ザウルスで再生可能な形式でエンコードが開始される。

上の画面がエンコード中の画面である。ある程度時間がかかるので、気長に待とう。

この画面が出たらエンコード完了である。指定した場所にファイルが出来ているハズである。このファイルをザウルスに転送するか、コンパクトフラッシュやSDメモリーカードなどに入れ、ザウルスに挿せば完了だ。

どの程度のビットレートが良いか?

 最後に、実際にどの程度のビットレートが良いかを検証してみよう。初めは実際にエンコードした動画や、一画面を静止画として掲載することを考えたが、どうもパソコン上で見るのとザウルス上で見るのとでは雰囲気が違うため、あまり参考にならないように感じた。そこで、実際に見た雰囲気を紹介するだけにしておきたい。

 ビットレートだが、350kbpsくらいがちょうど良いように感じだ。ノイズもそれほど気にならない。少しファイルサイズを節約したい場合は、320kbpsや300kbpsでも良いようだ。一方、400kbpsくらいにすると、多少は綺麗になるが、ファイルサイズを大きくするほどの違いはない。500kbpsまで高くすると、コマ落ちがするようになってしまった。逆に250kbps以下になると、明らかに映像が汚くなるので、見ていて気になってしまう。許容範囲は300〜400kbpsくらいの様だ。
 フレームレートは15fpsにすると何とか見えるレベルになる。確かに元の映像より若干スムーズさに欠けるが、それほど気にならないレベルだ。

 このように無料のソフトでザウルスで再生できる動画が作成できる。ザウルスとある程度容量の大きなコンパクトフラッシュやSDメモリーカードを持っているなら、一度試して頂きたい。


(H.Intel)


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