SYBA MULTI USB2.0 Port PCI Card SD-USB2.0-4+1 (2004年3月23日公開)
今回増設するのは、SYBAというメーカーの「MULTI USB2.0 Port PCI Card SD-USB2.0-4+1」だ。我が家のデスクトップパソコンVAIO PCV-RX66のUSB端子はUSB1.1で、高速なUSB2.0に対応していない。そこで友人から、余っていたUSB2.0インターフェイスカードを安く譲ってもらったのだ。 さて、この製品はパッケージからして異様に怪しいのである。まずパッケージの説明は全て英文である上、メーカー名はSYBAという聞いたことのないメーカーで、品番らしい記述がどこにもない。ホームページを調べてみると、「SD-USB2.0-4+1」という品番のようだ。説明文を読むと、High-speed(480Mbps)/full-speed(12Mbps)/low-speed(1.5Mbps)の全てに対応し、最大127台接続可能、WindowsXP/2000/Me/98/NTに対応するというのはごく一般的だ。32bit/33MHzのPCIスロット用で、デジカメやプリンタ、HDD、ROMドライブなどが接続可能なのも当たり前だ。ポート数は外部に4ポート、内部に1ポートとなっており、特に不満はない。また、更に怪しいのが下記のシールだ。
チップとしてNEC製の「D-720100」を搭載していると言うことが、目立つように書かれている。NEC製のUSB2.0チップと言えば、定評があるので安心である。気になるのは「何故シールなのか」と言うことだ。色違いの2製品の写真が載っている事から、別チップを搭載した製品で共通のパッケージを使いコストを削減する事が目的と考えられる。また、途中で簡単に後継チップに切り替えられるようになっているのもあるのだろうか。しかし、シールというのはちょっと心配だ。
カードはちょっと特殊な形をしているのが気になる。そこで少し考えてみると、この形は基盤を節約するためではないかと考えられるのだ。つまり180度回転させると、ちょうどへこんだ部分と出た部分があうので、基盤を節約するための形状ではないかと想像すると納得がいく。
ブラケット部を見てみるとごく普通に4基のUSB2.0端子が並んでいる。特に問題は見当たらない。ちなみにLowProfile PCIには対応していないが、VAIO PCV-RX66は通常サイズのPCIスロットに対応しており問題ない。むしろ、LowProfile対応カードよりも端子数が多いのでこちらの方が便利だろう。
内部にもUSB2.0端子が用意されている。ベイに内蔵する機器でもUSB接続の機種もあるし、このまま5インチベイに内蔵するタイプのハブに接続し、前面に端子を用意することで機器の接続を便利にしても良い。内部に1ポートあるのは意外と使えそうである。
それではカードの検証も済んだところで、実際にVAIO PCV-RX66に増設してみよう。ケース内部へのアクセス方法(ケースのフタの開け方)はロードテスト第9回を参考にして頂きたい。フタを取ると、PCIスロットを見ることが出来るが、電源が近くにあり邪魔なので、取り外してしまう。
図のようにPCIスロットに1基の空きがある。ここに「SD-USB2.0-4+1」を増設することになる。まず、スロットのブラケット部のカバーのネジを外し、カバーを取り外す。
外から見ると、図のようにPCIスロットのブラケット部に穴が空いた状態になる。ここからカードの端子が見えることになる。
実際の増設作業は少々やっかいだった。別のカードに挟まれているため隙間が小さい上に、例の特殊な形状のせいで、カードの高さがかなり低いので、スロットに差し込む際に押しにくいのである。それでも何とか差し込み、ネジ止めをし増設が終了した。ここまで見て貰えば分かるように、他のPCIカードと違いはない。そのため、作業自体は数分で終了した。最後に移動した電源を元に戻し、ふたを閉じて作業終了である。
外から端子部分を見てみたのが上の写真だ。無事4つのUSB2.0端子が並んでおり、隙間もなく増設成功のようだ。
さて、無事に増設作業が完了したところで、電源を付けてみる。説明書によると自動的に認識されドライバが要求されるとのことだ。ところが、実際に起動してみると自動的にドライバを組み込もうとし、付属のドライバCD-ROMを入れる指示など出てこない。よくよく考えてみると、WindowsXPにServicePack1が組み込まれた状態なので、OSレベルでUSB2.0に対応しており、自動的にドライバがインストールされるはずである。ところが、「このコンピューターに接続されているUSBデバイスの1つが正しく機能していないことが、Windowsによって認識されていません。」というメッセージが出てしまった。
「正しく機能していない」事が、さらに「認識すらされていない」というのは何となく変な文章である。もっとも、メッセージが出ると言うことは「正しく機能していない」ことは認識できているのではと思わなくもないが、取りあえず置いておく。デバイスマネージャーを確認してみると、「NEC PCI to USB Open Host Controller」と「USB ルートハブ」の1つずつに「!」マークが付いてしまっている。そこで、SYBAホームページを探してみると、WindowsXP/2000/Me/98SE/98に対応したドライバが公開されている。しかし、「Windows2000/XPの場合はマイクロソフトのアップデートを行うと、USB2.0ドライバが自動的にインストールされる」事と「Windows2000/XPでここで公開されているドライバを使用した場合、正常に動作しないことがある」という旨の注意書きもある。しかし、Windows標準のドライバが組み込まれていないためこのドライバを試してみることにする。 インストールし再起動すると、面白いことに「NEC PCI to USB Open Host Controller」は正常動作した。しかし、「USB ルートハブ」は依然「!」が付いたままだ。そこで、一旦ドライバを削除し認識からやり直させてみることにした。 すると、今度は何の問題もなくWindows標準のドライバがインストールされた。デバイスマネージャーで確認にしても、「!」が無く正常動作している。まあ、パソコンには良くあることだろうと納得しつつ次の手順に進む事にする。
次の手順、すなわちUSB2.0対応機器を接続してみるのである。接続するのは、新しく購入した「8倍速DVD±RWドライブ」だ。USB2.0対応なので、これを接続してみる。すると、どうだろう。マウスの動作が鈍ったと思ったらフリーズしてしまった。マウスやキーボードからの操作はいっさい受け付けなくなってしまった。一体どういう事だろうと思いつつ、とりあえず強制的に電源を切る。 そして再起動を試みようとすると、なんとWindowsが起動しないではないか。必ずWindowsのロゴ画面で固まってしまう。起動時の拡張オプションで「前回正常起動時の構成」を選択肢、起動してみるが、ログイン画面でフリーズしてしまう。 そこで最後の手段として、safeモードで起動しUSB2.0のドライバを削除してから、通常起動してみる。するとなんとか起動することができた。しかしながら、「SD-USB2.0-4+1」の動作がおかしい事に変わりはない。こういう場合は増設の際に、PCIカードがしっかり挿されていないのではないかと考えるのが普通だ。そこでもう一度本体のフタを開け、カードを一度抜き、挿し直してみた。先ほどよりも強めに力をかけて、シッカリ置くまで挿さったことを確認する。その後、もう一度DVD±RWドライブを挿してみたが、やはりフリーズしてしまう。ちなみにこのドライブをVAIO RX66に元からあったUSB1.1端子に挿すと正常に動作するし、もう一台のLavie M LM500/4EのUSB2.0端子に挿しても正常に動作するので、DVD±RWドライブの問題では無いようだ。 ではこのDVD±RWドライブとの相性が悪いのかと思い、USB2.0対応のスキャナや、USB1.1機器としてマウスを接続してみたが、いずれもフリーズしてしまった。フリーズするたびにsafeモードで起動しドライバを削除しており、その後新たにドライバがインストールされているので、ドライバのインストールの際のエラーでもなさそうだ。 結局、「SD-USB2.0-4+1」を本機では正常に動作させることが出来なかった。といってもこのSD-USB2.0-4+1では必ずしもこういう不具合が発生する訳でもなく、ネットを見ていると何の苦労もなくWindows標準ドライバで認識され、何の問題もなく動作しているという話もあった。本ロードテストをご覧になった方に一言付け加えさせて頂ければ、製品自体は安価にUSB2.0に対応できるため、動作すれば非常に良い製品だと思うのだ。SD-USB2.0-4+1そのものが悪い製品というわけではなく、「我が家のパソコンでは」動作しなかったという事である。このパソコンとの相性の様な物なのかもしれない。 とりあえずこのまま使う訳にも行かないので、取り外してしまった。なんとも残念な結果になってしまった。 (H.Intel) ■今回の関係メーカー・ショップ SYBAホームページ http://www.syba.jp/ |
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