第17回
USB2.0インタフェースボード
I・O DATA USB2-PCI3
(2003年4月28日公開)

USB2.0インターフェイスカードを増設しようII

 前回、VAIO PCV-RX66へのUSB2.0インターフェイスカードの増設に失敗したのだが、そのまま「失敗しました。残念でした」で終わらせる訳にはいかないのだ。というのも、増設が成功すると見越した上で、USB2.0機器を購入してしまったのである。このままでは、この外付け機器が真価を発揮することが出来ない。そこで、急遽別のUSB2.0カードを購入することにした。
 選んだのはI・O DATAのUSB2-PCI3だ。別にI・O DATAの製品でなくても良いのだが、購入したUSB2.0機器がI・O DATA製であるため一応同じメーカーを選んだと言うこと、「従来製品より30%高速化した」と書かれている事が決め手だ。また、同じI・O DATAからLowProfile PCI対応の「USB2-PCIL3」が発売されているが、LowProfile PCI対応でなくても大丈夫であり、そのわりにUSB2-PCIL3は端子数が1つ少ないため、USB2-PCI3を選択した。

USB2-PCI3カードである。ごく一般的な長方形をしたカードだ。

 ヨドバシカメラで2,480円(税別)なり。早速箱を開けてみると、普通の長方形のカードが出てきた。カタログに有るとおり、NEC製の「μPD720101」をUSBコントローラチップに採用しており、有名なメーカーと言うことで安心だ。ポートは外部用に4基、内部用に1基とこちらもごく普通だ。
USBコントローラチップは有名なNEC製の「μPD720101」を搭載している。

外部ポートは4つと十分だ。カードの反対側には内部ポートも一基見える。

増設作業〜

 製品の観察作業(?)も終わったので、早速VAIO PCV-RX66に増設してみる事にする。基本的な増設手順は第16回と変わらないので省くことにするが、増設後の姿は以下の画像を見て貰いたい。

USB2-PCI3増設後の、PCV-RX66の内部である。矢印の部分がUSB2-PCI3である。

PCV-RX66の背面である。無事USB2.0ポートが4つ見える。ただしブラケット部のUSB2.0/1.1という表示の一部が隠れ、さらに上下逆さになっているのが残念だ。

正常に動作するのか?

 早速起動してみることにする。今回はI・O DATA製であるため、動作しないという心配は少ないものの、第16回の事もあるので心配が無い訳ではない。最も、トラブルが発生すればそれもロードテストのネタになるとも思いつつ電源を入れ、パソコンのディスプレイを見つめる。すると、無事ドライバが組み込まれ、使用準備が出来たというメッセージが表示されたのである。デバイスマネージャでも何の問題もない。ホッとしつつ、前回のことを思い出した。前回は、問題なく動作しているようで、実際に機器を繋ぐとフリーズしてしまったのだ。本番はここからである。と言うことで、前回と同じく外付けDVD±RWドライブを接続してみた。すると……無事に認識して、動作し始めた。試しにCD-ROMを入れてみたが、無事に読み込めるようである。今回は成功と考えてよさそうだ。

どの程度速いのか?

 さて、折角増設したのだから、その速さを計ってみたいと思う。しかし、インターフェイスの転送速度を直接測る良い方法が考えつかなかったため、とりあえずUSB2.0外付けハードディスクを様々なUSB端子に接続し、その読み書き速度を測ってみることにした。接続したのはI・O DATAの「HDA-iU120」である。USBインターフェイスとしては、今回増設した「USB2-PCI3」の他に、ロードテスト第4回で紹介した「CBUSB2」をVAIO PCV-RX66のPCカードスロットに挿した場合、PCV-RX66内蔵のUSB1.1インターフェイス、ノートパソコンLavie M LM500/4E内蔵のUSB2.0端子の4つに接続して計測した。詳しくは下の表を見て貰いたい。

USB2-PCI3VAIO 本体USB1.1CBUSB2Lavie 本体USB2.0
パソコン本体VAIO PCV-RX66Lavie M LM500/4E
CPUPentium4-2.26GHzMobile PentiumIII-1.13GHz-M
メモリ512MB512MB
OSWindowsXP HomeEditionWindowsXP Professional
接続インターフェイスI・O DATA
USB2-PCI3
本体内蔵
インターフェイス
I・O DATA
CBUSB2
本体内蔵
インターフェイス
1.1/2.0USB2.0USB1.1USB2.0USB2.0
搭載チップμPD720101不明不明不明

 さて、実際に計測してみた結果は以下の通りである。なお、各テストとも4回計測し平均を出すことで、より正確になるようしている。


 これを見る限り、今回増設したUSB2-PCI3がトップである。同じUSB2.0であるLavie M内蔵のUSB2.0インターフェイスとの比較では、HDBENCHのREAD性能で1.23倍、Write性能で1.16倍高い値を示している。WinBench99の結果でもほぼ同等の値を示しており、性能面では十分満足できると言える。PCIスロットに増設した場合でも、元から内蔵されていた場合と同等以上の性能が出ることが判り、安心した。また製品のうたい文句の「従来より30%高速」というのは、30%に満たない物のかなりの差が出たのは事実だ。同じUSB2.0でここまで差が出るというのは正直驚きである。
 ちなみにCBUSB2は、USB2-PCI3より30〜60%も低い値となっている。この傾向は、試しにLavieM LM500/4EのPCカードスロットに挿して計測してみたが似た結果であったため、VAIO PCV-RX66のPCカードスロットに問題がある訳では無いようだ。原因としては、CBUSB2がUSB2.0製品としては初期の製品に当たる事が考えられるが、それにしては差が大きすぎるような気もする。PCIスロットとPCカードスロットの違いという可能性も考えられるが、ハッキリしたことは不明である。ただ、この結果を見る限りでは、PCカードスロットのあるデスクトップパソコンでも、可能ならばPCIスロット用の製品を増設した方が良い可能性があるようだ。
 また、VAIOの内蔵USB1.1端子は、予想通りかなり遅い。ベンチマークテストがなかなか終了しなかったのもうなずける。HDBENCHでUSB2-PCI3の4〜8%、WinBench99で9〜22%程度の値しか出ていない。これではさすがに遅すぎると言えるだろう。ハードディスクやDVDドライブを接続しても使い物になるレベルではないだろう。また、メモリカードリーダー・ライターやUSBメモリなども、100MBを超えるデーター転送の場合はUSB2.0でないと待ち時間がかなり長くなることが考えられる。やはり、これからはUSB2.0に対応した機器を購入するべきだろう。

 今回の増設は成功……いや、性能的にも同じUSB2.0同士で比べてもかなり高速だったので、「大」成功といえるだろう。これで購入したハードディスクやDVD±RWドライブが無駄にならずに済む。また、今後はUSB2.0機器が増えていくだろうと考えられるため、晴れて我が家のパソコン2台ともがUSB2.0に対応したのは大きな安心感がある。使っているパソコンがまだUSB2.0に対応しておらず、周辺機器を購入する予定がある場合は、ついでにUSB2.0インターフェイスカードの増設を検討されてはいかがだろうか。

(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
   I・O DATA  http://www.iodata.jp/


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