デジタルカメラ SONY Cyber-shot DSC-W1 (2004年8月9日購入・2005年4月22日公開)
これまで、持っていたデジタルカメラはエプソンのCP-800である。200万画素でズーム無し、動画も撮れないと今となっては寂しいスペックである。その上、ここのところバッテリの持ちがかなり悪く、フル充電状態から2、3枚撮影しただけでバッテリ警告ランプが付き、電源が切れてしまう。これではまともに撮影が出来ないので、新機種を購入することにした。 ここで、必須条件と希望条件を並べてみよう。 【必須条件】 ・400万画素以上 ・光学3倍以上のズーム ・640×480ドット30fps以上での音声付き動画撮影 【希望条件】 ・手ぶれ補正機能有り ・2インチ以上の液晶ディスプレイ ・動画撮影時のズーム可能 ・乾電池での撮影が可能 となる。この条件で各メーカーの各製品を比較検討した結果、まず動画撮影機能が320×240ドットや15fpsの機種が多く、かなりの機種が省かれた。その中で検討した結果、コニカミノルタの「DiMAGE Z3」が良いのではないかという結論に達したのである。400万画素機で、光学ズームはなんと12倍、しかも手ぶれ補正ありだ。動画はもちろん640×480ドットのMotionJPEG形式で録画が可能で、しかも撮影中のズームも可能だ。乾電池での撮影も可能とかなり理想に近い機種と言える。問題点と言えば、液晶ディスプレイが1.5型で7.8万画素しかない事くらいだ。早速家電量販店へ買いに出かける。 ところがである。実際に実機に触れてみると予想外に大きくて重い。108.5×80×83.5mmで335gとなっており、一眼レフなどと比べると軽いが、コンパクトデジカメと比べるとかなり大きい。旅行の時などにスナップ撮影するだけであり、それほど凝った撮影をするわけではないのだから、ここまで大きいのはマズイ。また液晶ディスプレイが思ったよりも小さく見にくいことが分かった。そこで、その日は購入を諦め、再度検討することとした。 本体サイズも条件に入れつつ検討した結果、SONYの「CyberShot W1」が比較的良いことが分かった。500万画素機で光学3倍ズーム、動画も希望通りで、ディスプレイも2.5インチと大きく見やすい。乾電池で撮影も行え、サイズは91.0×60.0×36.3mmと比較的小型だ。実機を見ても高級感があったため、この機種を購入することにした。価格は43,800円。
実際に購入して使ってみた。各機能を細かく見てみよう。まず本体サイズだが、これまで使っていたCP-800よりも小さいことが分かった。CyberShot Tシリーズのような超薄型のタイプではなく、レンズの少し横に指をかけるところがあるため、ホールド感は悪くない。シャッターやその他のボタンも押しやすく、操作性はかなり良い。静止画撮影・動画撮影・再生などのモード切り替えはシャッターの周囲にあるダイヤルを回すという良くあるタイプだが、ダイヤルを回すと画面にもダイヤルの状態が表示されるので分かりやすい。 電源ONから撮影開始まではかなり高速だ。レンズが繰り出す必要があることを考えるとかなり優秀と言える。シャッターボタンを押してから実際に撮影されるまでも十分速いのでタイミングがずれることもない。また、前の機種と異なりレンズ部分が飛び出ているので、手がかかってしまう危険性が低いといえる。 実際に撮影してみて驚いたのは比較的暗い場所では赤外線ライトが照射される点だ。「AFイルミネーター」という機能で、これにより暗いところでもピントが合うということだが、撮られる側が驚いてしまう。しかも、多少暗い屋内くらいでも照射されるため、驚くことが多く、実際にはオフにしてしまっている。 ディスプレイは大きいこともあってかなり見やすい。直射日光の当たるところでは若干見にくくはなるものの、十分に撮影が可能なレベルだ。前の機種が光が当たると表示内容をほとんど識別できなかったことを考えると大きな進化であり、うれしい点だ。一つ気になるのは、ディスプレイの上に保護ガラスが無い点だ。他の機種では液晶表面にガラスが載っており、傷などから守ってくれるがこの機種にはそれがないため少々心配だ。ただし、写り込みなどの点では有利なようである。 再生時も比較的使いやすい。4方向ボタンの左右で次・前の写真に移るのはもちろんだが、ズームボタンも使えるのである。再生中にズームボタンを押すことにより、最大5倍まで拡大することができるため、手ぶれの確認や、奥に移っているものを確認するのに非常に便利だ。逆に1倍表示の時にさらにズームボタンのW側を押すことで、9分割表示、16分割表示になるので、こちらは目的の写真を探すのに便利だ。動画も音声付きで再生できるし、動画を分割することもできるなど、再生機能はかなり豊富である。
撮影のメディアにはメモリースティック又はメモリースティックPROを使う。640×480ドット30fpsの動画撮影を行うにはメモリースティックPROが必要だ。そこで今回は256MBのメモリースティックPROを2つ購入した。256MBのメモリースティックを利用しても、動画は3分程度しか録画できないため、長時間の動画を撮るには不足だが、静止画撮影+ちょっとした動画撮影には十分といえる。一方もう一つ撮影に必要なアイテムであるバッテリーだが、こちらの「持ち」は前の機種とは大違いだ。旅行などの1日中使う場合を考えて、充電池をもう1セット(単3型充電池2本)を用意したのだが、結局1日の使用程度では電池を替えることはなかった。いざとなれば乾電池も使えるので、購入時に付いてくる1セットだけでもたいていの場合はいけるはずだ。
静止画の画質を見てみよう。他機種を見ていないので分からないが、CyberShot W1の画質を見る限りではかなり綺麗だ。細部まではっきりと撮れれているし、暗い場所でのノイズも少なく見える。ただし、一つ気になるのは手ぶれのし易さだ。他機種も同じ程度なのかもしれないが、鉄道の地下ホームや暗くなった夕方、雨の日などでは動いている被写体は完全にぶれるし、日がほとんど沈む頃や夜になると手で持って撮影するとほぼ手ぶれしてしまう。困ってしまうが、動く被写体はさておき、手で持つための手ぶれは解決法が見つかった。1枚だけ撮ると、シャッターを押す時に力が入ってしまい、手ぶれしやすい。そこで連写モードにして3〜5枚程度連続で撮るのである。2枚目以降はシャッターは押したままで安定するし、5枚も撮れば1枚くらいは手ぶれしない写真が撮れるのである。幸い、撮影モードの際に「MENU」ボタンを押すと通常撮影/連写撮影の切り替え画面が出てくるため、連写モードへの切り替えは簡単だ。暗いところでは手ぶれはしやすいものの、なんとか回避法があるだけマシといえる。
次に夜景の撮影である。シャッター速度は非常に遅くなるため、手すりの上に置いて撮影した。上の写真は、フラッシュを発光させずに通常モードで撮影したもの(左)と、夜景モードで撮影したもの(右)である。実際に目視では道路に停車中の車は見えないほど暗い状態での撮影だ。通常モードでも若干明るめになるが、まだ暗い。夜景モードはシャッター速度が異常に遅くなるが、非常に幻想的で明るい写真が撮れる。空の雲まで見えるほどだ。ノイズはそれなりにでているが、真っ暗な状態をここまで明るくした割には優秀といえるだろう。夜景をここまで幻想的に撮れるのであれば、十分に使える機能だといえる。
続いて動画の画質である。ファイルサイズが大きくなってしまうため非常に短時間のものだが、最高画質640×480ドット30fpsである「MPEGムービーVXファインモード」で撮影した動画を掲載したのでごらんいただきたい。なお、下の写真をクリックすると動画がダウンロードできる。ZIP形式に圧縮してあるため、解凍して再生していただきたい。
静止画にしてみると、画質はかなり高く解像感は高い。我が家のHi8のビデオカメラと比べると、はっきりとしており、細かいところがよく写っている。その代わりといっては何だが、スムーズさは若干劣るともいえる。テレビなどとほぼ同じ30fpsあるのだが、何となく固い動きに感じる。また、ピントが合うのが若干遅いような気もする。しかし、本来は「静止画用のカメラ」であるにもかかわらず、ここまで綺麗な動画が撮れるのは驚きである。撮影中のズーム操作は行えないが、ズームをした状態で撮影開始することは可能なので、遠くのものを撮ることも可能だ。この画質なら、我が家のHi8ビデオカメラの代わりに使うこともできるだろう。 なお、上記の動画640×480ドットの「MPEGムービーVXファインモード」だが、初期設定では640×480ドット17fpsの「MPEGムービーVXスタンダードモード」に設定されている。よりなめらかな動画を撮影したい場合はファインモードに変更するとよいだろう。 まだマニュアル撮影などはほとんどしていないが、オートで静止画・動画の撮影等を行ってみた。その限りでは使い勝手もよく、画質も良い。サイズも小さいのでポケットに入れて持ち歩けるし、動画も思っていた以上に綺麗だ。この機種はおすすめである。 (H.Intel) ■今回の関係メーカー・ショップ SONY http://www.sony.co.jp/ CyberShot http://www.sony.jp/products/di-world/cyber-shot/ |
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