ネットワークウォークマン SONY NW-HD3 (2004年12月22日購入・2005年8月10日公開)
私は、これまで、ポータブルMDプレイヤーを使ってきた。しかしこのところ、調子がおかしくなってきた。フル充電した充電池を入れてもすぐバッテリ切れになるのだ。その充電池を他の機種に入れた所、正常に使えるので、充電池がうまく利用できなくなっているようだ。その上、シーク音もおかしい。修理する、もしくは新しいMDプレイヤーを購入しても良いのだが、これを機にポータブルデジタルオーディオプレイヤー(MP3プレイヤー)を購入し、大量の曲を持ち歩けるようにしたいと思う。ちなみに以下の内容は、購入時の話であるため、他社製品の容量などの話は執筆時と異なる点があることはご了承いただきたい。
デジタルオーディオプレイヤーと言えば、メモリタイプとハードディスクタイプの2種類がある。まず、そのどちらにするかを考えなくてはならない。ここで「大量の曲を持ち歩く」という目的を考えると、ハードディスクタイプの方が良いような気がする。この時点ではメモリタイプでは512MBが主流で、1GBタイプはまだまだ高めであった。それに対して、ハードディスクタイプでは数GBから数十GBの製品がラインナップされており、容量を考えるとこちらがダントツに大きいのである。 ハードディスクタイプで有名なのはAppleのiPodである。iPodには、通常の「iPod」と「iPod Mini」がある。iPodは、20GBの容量を持っているが重量が158gと重めだ。今の持っている録再MDウォークマンが100g強であることを考えると、重量1.5倍という感じでちょっと重すぎる。一方iPod Miniは103gなので、重量的には変化がないが、容量は4GBと少なくなってしまう。4GBでも十分のような気もするが、もう一つ気になるのは連続再生時間が18時間しかないことだ。そこで、他社製品を探してみる。 10GB以上の製品をラインナップしている有名メーカーは、この時点ではSONYと東芝だけである。そのうち良さそうなのはSONYのネットワークウォークマン「NW-HD3」である。この製品は1.8インチ20GBハードディスクを内蔵しながら、130gと比較的軽めである上、連続再生時間も30時間と長めだ。もちろん、本体サイズも90×13.8×62.1mmと1.8インチハードディスクを搭載するにしては小さめだ。また、これまでのネットワークウォークマンはSONYが好きな「ATRAC3」のみの対応で、MP3には対応していなかったが、このNW-HD3よりMP3にも対応している点もうれしい点である。これでSONY製品を購入するのに躊躇する原因の一つが無くなった。価格は、4万円以上で安い物ではないが、店頭で操作してみるとかなり良かったので、この製品に決めた。色はシルバー・ブラック・レッド・ブルーの4色があるが、レッドを選択した。ヨドバシカメラで41800円(10%ポイント)也。
早速、NW-HD3の外見から見てゆこう。正面は1.5インチ白黒液晶と十字操作キーが配置されている。液晶はバックライトが用意されるので、暗い所でも操作が行える。バックライトは青色タイプで、iPodほど明るくはないが、視認性が落ちるほどではない。十字キーの方は適度なクリック感があり、操作は非常にしやすい。インターフェイスも分かりやすく、説明書を読まずともかなりの操作はできてしまう点も好感が持てる。
下面には変換アダプタを接続する端子がある。このアダプタはUSBケーブルとACアダプタを接続するためのもので、USBケーブルを接続することでデータ転送が行え、付属のACアダプタを接続することで充電できる。これは少し気になる所で、できればUSBとACアダプタはこういったアダプタなしで接続できるようにして欲しかった。万が一このアダプタを忘れた場合、充電を行うことも出来ず、かといって乾電池アダプタのような物も用意されないため、乾電池で代用することも出来ず、どうにもならなくなってしまう。 一方、一つうれしい点はこの機種からUSB経由でも充電が行えるようになったことだ。データ転送時はACアダプタに接続する必要があるのは残念だが、USBケーブルとアダプタさえあれば、とりあえず充電はできるのは安心感がある。ちなみにACアダプタ接続時は80%までの充電が1時間、フル充電は3時間だが、USBの場合は80%までが3時間、フル充電が5時間とACアダプタより2時間長くかかる。
上面にはMENUやMODEボタンや音量ボタンがあるほか、イヤホン接続端子が用意される。イヤホン接続端子の横には四角い端子もあり、同社のMDウォークマンでおなじみの形状をしている。付属はしていないが、1行表示液晶リモコン「RM-MC35ELK」や、3行表示のジョグダイヤルリモコン「RM-MC40ELK」を接続できるようになっている。
続いて、音質はどうだろうか。これはSONYらしく非常に良い音だ。といっても特別、音の差に敏感なわけではないが、とりあえず悪いという印象は全くない。手動にはなってしまうが、イコライザ機能も搭載されるため、好みの音質に変更できるのもGOODだ。 本体サイズは思ったより大きくなく、薄型であるため、ポケットや鞄への収まりも良い。バッテリ駆動時間はかなり優秀で、何日も使っていても電池切れになる心配は全くなかった、しかも、電池残量表示が2になった状態で、半月以上放置しておいてから再び使い出した事もあるのだが、電池残量表示は2のままで、結局何時間も使用できた。このバッテリ駆動時間の長さは何物にも代え難い安心感だ。
液晶ディスプレは7行表示が出来るタイプだ。再生中は上記の写真のような表示となる。曲名や歌手名、アルバム名から、フォルダ内の曲数と曲番、曲の再生位置のバーも表示される。また、形式やビットレートまで小さいながら表示されている。液晶が大きいため、切り替える必要もなくさまざまな情報を一度に見る事ができ、非常に便利だ。
一方曲を一覧から選択するときは上記の写真のような表示になる。曲名の一覧が表示されるが、7行表示中5行が曲名一覧に当てられているため、一覧性が高く選択しやすい。また、カーソルキーを押したときの反応も早く、ストレスはない。これは液晶を大型化しやすいハードディスクタイプならではの利点だろう。
通信はデータストレージとして使う場合はマイコンピュータから行える。一方音楽転送はSonicStageを利用する。このソフトは音楽ファイルの転送だけでなく、CDからのリッピングや管理が行える。そのため、パソコン内の音楽ファイルをこのソフトに登録しておけば、パソコン内での再生から転送まで行えて便利である。 操作性は多少癖があるため、初めはいろいろととまどってしまうのだが、なれてくれば非常に使いやすい。また、同社のNetMDウォークマンやコンポでもこのソフトを利用しているので、それらで慣れている場合は、転送方法などに悩むことはないだろう。ちなみに転送もかなり高速で、128kbpsのMP3の曲13曲(計63分)をそのまま転送した場合、15秒しかかからないのである。
使っていて思ったのは、やはりリモコンがないのは不便であるということだ。これまでがリモコン付きのMDウォークマンを利用していたので、余計にそう思うのかもしれない。そこで、カタログのオプションのリモコンを見ていたところ、1行表示液晶リモコン「RM-MC35ELK」と、これまで使っていた録再MDウォークマンに付属していたリモコンが同じ物であることが分かった。そこで、NW-HD3に接続して使ってみると、操作は問題なく行えるし、表示もしっかり行える。これで一安心かと思ったのだが、今度は1行表示ではフォルダや曲の選択が大変すぎる事が分かったのだ。そこで、思い切って3行表示のジョグダイヤルリモコン「RM-MC40ELK」を購入してみることにした。価格はヨドバシカメラで6720円(10%ポイント)と結構なお値段だが、かなり使いやすくなった。3行あれば選択も簡単だし、ジョグダイヤルであれば選択も素早く行える。リモコンも反応が良いので、ストレス無く操作できる。バックライトも付いているので、暗い所でも問題なく操作できる。これで、わざわざ本体を取り出さなくてもかなりの操作が行えるようになった。RM-MC40ELKでも使えなくはないが、新たに購入するなら3行表示の「RM-MC40ELK」が断然おすすめといえる。
結論としては、このNW-HD3はかなりおすすめといえる製品だ。20GBハードディスクタイプとしては軽量ながら、液晶表示や操作性も良い。バッテリ駆動時間が長いのも安心である。これでUSBケーブルとACアダプタが直接接続できれば完璧だが、そんなことは気にならないくらい優秀な点は多い。高い製品だったが、買って良かったと思える製品であった。ちなみに、この製品を購入するときは、ぜひとも3行表示リモコンもセットで買っていただきたい。 (H.Intel) ■今回の関係メーカー・ショップ SONY http://www.sony.co.jp/ Sony Drive http://www.sony.jp/ |
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