第36回
通信速度向上計画3
〜フレッツ・光プレミアム化〜
(2003年8月1日公開)

我が家、光化計画

 これまでADSLを利用してきた我が家だが、この度ついに光ファイバー化することになった。その経緯を説明しよう。
 そもそもこれまで光にしたくなかったわけではない。しかし、私の家はマンションなのである。ところが、これまでマンションには光が導入されていなかったのである。確かに私の家は2階なので、直接光ファイバーを引き込むことも可能だ。しかしこれには2つ問題がある。1つは最寄りの電柱から家までかなり距離があることである。通常はキャンペーン等で工事費は無料になるのだが、敷地内に小柱を2本以上立てなければならない場合は追加工事費が発生するのである。そして私の家の位置の場合、恐らく発生すると言うことだったのだ。もう1つは月額料金の問題である。関西の場合はまずeo光ネットがプロバイダ料込みで月額4900円と低価格だ。電話を光電話に切り替えれば、現在より安くなるだろう。しかし、プロバイダが今と変わってしまうとメールアドレスもホームページアドレスも変わってしまう。また現在はホームページ用の領域として100MB利用できるが、eo光ネットだと20MBになってしまうのも問題だ。ではプロバイダが現在のままでいけるNTTのBフレッツならどうかというと、現在より数千円月額料金が高くなってしまうので、さすがに辛い。現状のフレッツADSLモアスペシャルでも15Mbps以上出ているので、月額料金を上げてまで高速化するほどではないとも言える。そんなこんなで、光化は見送られていたのである。
 しかし、この状況に変化が訪れた。2006年6月、ついにマンションに光ファイバーが導入されることになったのだ。しかも、マンションまで1Gbpsの回線を引く「フレッツ・光プレミアム」である。月額料金を比較してみると以下のようになった。

フレッツADSLモアスペシャル
+使いほーだいコース
BIGLOBE光 with フレッツ
マンションタイプ
回線月額利用料2,533.65円
(マイラインプラス割引後)
3,927円
(プラン2)
屋内配線使用料63円
機器レンタル料514.5円630円
プロバイダ料2,100円回線月額利用料に含む
NTT電話基本料1,785円
ひかり電話利用料525円
合計6,996円5,082円

 これを見ると、マンションタイプの場合ならBフレッツでもかなり安くなることが分かる。これはマンションタイプが安いだけではなく、これまでNTTとプロバイダに別々に支払っていたのをプロバイダのセットプランに変えること、そして電話回線をひかり電話に変えることが大きいようである。プロバイダのセットプランにすることで、ダイヤルアップ接続が1時間までになってしまうが、AirEDGEを使っているのでいらないだろう。それ以外にホームページ容量などは現状と同じ100MBまで無料なので特に問題はなさそうだ。また上記の料金表にはないが、ひかり電話にすることで通話料も全国一律8.4円/3分になるのも嬉しいところだ。
 ちなみにマンションに導入される光ファイバーは、NTTの「フレッツ・光プレミアム マンションタイプ」である。マンションまでは1Gbps、マンション内は電話回線を利用したVDSL方式となるので最大100Mbpsである。また今ならキャンペーンで、NTT契約料840円と工事費21,000円が無料になる上、3ヶ月間月額料金、機器利用料の全てが無料になる。また10,000円キャッシュバックが行われる上でBIGLOBEコンテンツ購入に使える10,000円分の利用権ももらえるというのだ。これは申し込むしかないと言うことで、早速BIGLOBE経由で申込を行った。

申込から開通まで

 申込を行ってから1週間後、NTT西日本より電話がかかってきた。話によると、マンションまで光を引く工事が完了しているかどうかの確認に時間がかかりもう少し待って欲しいとのこと。といっても電話がかかってきたのが木曜日で、月曜日まで待って欲しいと言うだけであった。ただ月曜日はこちらは遅くまで帰らないので、結局木曜日に電話をかけてもらうことになった。
 さて、木曜日にかかってきた電話で工事日が7月20日と決定した。7月17日には段ボール箱一つと封筒が届けられた。封筒にはフレッツ・光プレミアムの説明や、お客様IDとアクセスパスワードが書かれた紙が入っていた。プロバイダのIDとパスワードとは別のものだが一体何に使うのだろうか。さて、段ボール箱の方にはひかり電話用のアダプタであるVoIPアダプタらしきものが入っていた。
 さて、7月29日の午後3時頃、部屋のチャイムが鳴り、工事業者の人がやってきた。来たのは一人であった。インターネットで調べた時は2人というのを見たのだが、マンションタイプの場合は一人なのだろうか。非常に丁重で感じの良いお兄さんだった。
 さて持ってきたのは、「単体型VDSL装置」と「加入者網終端装置(CTU)」であった。まず壁にある電話のモジュラー端子から「単体型VDSL装置」に接続した。そして、次に「加入者網終端装置(CTU)」にLANケーブルで接続した。そして、「加入者網終端装置(CTU)」にあらかじめ送られてきていた「VoIPアダプタ」を接続した。「加入者終端装置(CTU)」はルーターのようで、これでVoIPへのLANケーブルと、パソコンへのLANケーブルをつなぐことになる。とにかく、「VoIPアダプタ」を接続したところで、なにやら携帯電話で電話をしていた。どうやら加入電話からひかり電話への番号の引き継ぎを依頼しているらしい。数分すると、家の電話から電話をしてみたりして、繋がることを確認したようだ。これで開通工事は完了と言うことだ。時間にすると20分ほどであった。

写真は左から「VoIPアダプタ」「加入者網終端装置(CTU)」「単体型VDSL装置」である。まず回線を一番右の「単体型VDSL装置」に接続する。そして、真ん中の「加入者網終端装置(CTU)」につなぎ回線を分ける。そして一方を一番左の「VoIPアダプタ」につなぎ、さらに電話機を接続する。そして、もう一方はパソコンに接続する。

 さて、このまま、加入者終端装置(CTU)にLANケーブルをつないで設定すれば良いのだが、我が家の場合は3台のパソコンをつないでいてしかも2台は無線LANなので、無線LANルータにつながなくてはならない。しかし、工事の方に聞いたところ、やはり、加入者終端装置(CTU)がルーターになっているので、無線LANルーターのルーター機能はOFFにしなければならないらしい。
 とりあえず順番に進めていこう。まず加入者終端装置(CTU)とパソコンを直接有線接続して、加入者終端装置(CTU)の設定をする。この際設定マニュアル付属のCDを入れ、専用ユーティリティーをインストールすると簡単に設定できる。専用ユーティリティーを起動させると、まずお客様IDとアクセスパスワードの入力を求められた。封筒に入っていた紙に書かれていたIDとパスワードはここで使用するらしい。さらにBIGLOBEのIDとパスワードも入れて設定完了だ。まず、この状態でネットに繋がることを確認する。
 次にルーターを挟んで接続してみる。加入者終端装置(CTU)から無線LANルーターにつなぎ、さらに無線LANルーターからパソコンに優先接続する。ルーターの設定画面を開き、ルーター機能を外した。最初はうまくいかなかったが、設定を初期化してから設定し直すとうまくいった。ノートパソコン2台からの無線接続も出来ることを確認し、これで全ての接続が完了である。ちなみに最終の接続形態は下記の図のようになっている。


 単体型VDSL装置から加入者終端装置(CTU)につながり、さらに無線LANルーターに繋がる。この無線LANルーターの設置した部屋にノートパソコン2台はあるので、これらは無線LANで接続する。一方離れた部屋にあるデスクトップパソコンには無線LANの電波が届きにくいので、ケーブルでつなぐ。無線LANルータからLANケーブルでデスクトップパソコンの部屋まで持っていく。これでデスクトップパソコンにつないでも良いのだが、ここでもLANハブを接続してから、デスクトップパソコンにつないでいる。理由としてはノートパソコンをデスクトップパソコンのある部屋に持っていき使うことがあり、その際無線LANの電波が届かないからだ。その時はこのハブにLANケーブルでつなぐことになる。

通信速度は?

 さて、では光ファイバーインターネットの実力を見てみることにしよう。調査に利用させて頂いたホームページは以下の通りである。

BNRスピードテストhttp://www.musen-lan.com/speed/上り・下り
ブロードバンド相談室【ブロードランド】http://www.broadland.jp/下り
USENスピードテストhttp://www.usen.com/speedtest/top.html下り
Radish Network Speed Testinghttp://netspeed.studio-radish.com/index.html上り・下り
RBB TODAY スピードテストhttp://speed.rbbtoday.com/上り・下り


 まずは下りである。フレッツADSLモアスペシャルでは16〜18Mbps程度だったのが、フレッツ・光プレミアムでは27〜30Mbps程度になっている。フレッツADSLモアスペシャルでも十分早いと思っていたが、さらに10Mbps以上も向上したのは驚きである。途中でVDSLを利用しているので期待していなかったが、予想以上の速さである。


 次に上りである。もともとバラツキがあったのだが、フレッツ・光プレミアムでは最低で3.56Mbps 、最高で27.65Mbpsと随分開きがある。ただいずれも言えるのは、フレッツADSLモアスペシャルと比べてかなり高速になっていることだ。フレッツADSLモアスペシャルでは理論値は最大5Mbpsだったのだが、フレッツ・光プレミアムではVDSLの制限で最大30Mbpsに制限されるものの、大きく向上しているのが理由のようだ。これでメールの送信やホームページのアップロードなども早くなっただろう。

 今回は実を言うと、光ファイバー化といっても、マンションタイプなので速度はあまり期待していなかった。それよりも、毎月1900円以上安くなることが第一目的で、速度は遅くならなければ良しとしようと思っていた。しかし実際は10Mbpsの向上が見られ驚いた。もちろん利用者が増えれば速度が低下することは考えられるが、十分満足である。安くなって速くなって、すばらしい変更だった。

(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
   NTT西日本  http://www.ntt-west.co.jp/index_f.html
   NTT西日本(フレッツ)  http://flets-w.com/
   BIGLOBE  http://www.biglobe.ne.jp/


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