第45回
デスクトップパソコン
SONY VGC-RM50
(2007年1月30日購入・2007年8月10日公開)



ガタガタ、ゴトン

 2007年1月29日の夜、デスクトップパソコンPCV-RX66を使用していると、突然ゴトゴト、ガタンと言う音がしたかと思うと、何の前触れもなく電源が切れてしまった。メッセージが出ることなく突然である。こういう「突然電源が切れる」という現象はこれまでも、ごくたまに起こっていたのだが、今回はゴトゴト、ガタンという音付きなのが気になる。
 とりあえず、いつも通りすぐに電源ボタンを押して起動を試みる。音がして起動し始めたのだが、10秒ほどするとまた切れてしまった。いやな予感がしつつもう一度電源ボタンを押すと、今度は5秒ほどで切れてしまった。こういうときは焦らずに、しばらく放置してから試してみるとしよう。1時間ほど放置してから電源を付けてみると、今度は無事に起動した。と思ったのだが、デスクトップ画面が見えた瞬間にまた電源が切れてしまった。
 これはいよいよまずくなってきた。今までとは違って、本格的な故障のようである。とりあえず、パソコンのケースを開けて中を見てみた方が良さそうだ。ただ幸いな事に、デスクトップ画面が見える所まで起動したという事は、ハードディスクの故障ではなさそうだ。ハードディスクさえ壊れていなければ、データーを救い出す事は何とかできるだろう。
 フタを開けてみると、内部は一見おかしいところはない。どこかが焦げていたりという事もなさそうだ。ところが、よく見るとCPUが見えるのである。普通なら、CPUの上にはヒートシンクやCPUファンが取り付けられており、CPUは見えないはずなのだが、それが見えるのは明らかにおかしい。詳しく見て見ると、ヒートシンクの付いたCPUファンが本来の位置から半分ずれているではないか。しかし、転がっているCPUファンを見ても特におかしいところはない。そこで、CPUの周囲にある、CPUファンを固定するためのプラスチックのパーツを見てみると、取り付け金具を固定するプラスチック4つの内、1つが割れているのが分かった。割れた破片と取り付け金具は、本体を縦置きした時の底面になる部分で発見した。

CPUファンとヒートシンクである。写真でも、本来の取り付け位置(下の黒い枠)からずれているが、最初見たときはもっとずれていた。

底の方に落ちていた、CPUファン取り付け金具である。

CPUソケット周囲にある、取り付け金具を引っかける部分である。右のようになっているのが正しいのだが、一カ所だけ左のように上部が割れてしまっている。そのために金具が外れてしまい、CPUファンが外れてしまったらしい。

割れたプラスチックの破片は、底の方に落ちているのを発見した。

 つまり、今回の一連の出来事を推理するとこうである。弱っていたCPUファン取り付け用のプラスチックが、ついに割れてしまったのが始まりだ。そのため取り付け金具が外れ、CPUファンはCPUから外れ、重力に従って下に半分ずれてしまった。ゴトゴト、ガタンと言う音はこれである。CPUファンがずれてしまったので、CPUは冷却できなくなり熱暴走を起こし突然電源が切れてしまったというわけである。その後すぐに電源を付けたときは、CPUの熱が残ったままだったので、すぐにまた熱暴走したのだが、1時間置いてから起動させたときは、CPUが冷えていたので、少しの間動作したということだろう。
 詳しく見てみると、CPUファンが落ちるときに、周辺のコンデンサ等を傷つけてはいないようだ。そこで、パソコンを横置きし、そっとCPUの上にファンをのせて、電源を入れてみると、正常に動作した。30分ほど放置してみたが、電源が切れる事もなさそうだ。この状態で使い続けるのは難しいが、録画したTVのファイルなど、専用のファイル形式になっているためWindowsが起動しないとバックアップしにくいデーターを救い出す事はできそうだ。
 さて、このPCV-RX66を修理して引き続き使うか、買い換えかという事だが、簡単に修理はできそうもない。今回割れたのはマザーボード上にあるCPU固定用のプラスチックなので、このパーツだけを交換する事はできない。マザーボードごと交換すれば可能だが、メーカー製パソコンなので一般のマザーボードと正常に交換できるか分からない。かといってメーカに修理に出せば2〜3週間はかかるので、それも困る。既に4年半年が経過しているので、他のパーツも弱っている可能性が高いし、ここは買い換える事とした。

どの機種を購入するか

 購入するとなると、既に機種の候補は決まっているのだ。私の購入条件は次の3つだ。
   ・ダブルテレビチューナー搭載
   ・CPUはCore 2 Duoが望ましい
   ・専用のグラフィックボードを搭載
実は、PCV-RX66付属の液晶ディスプレイは既に壊れていたので、液晶ディスプレイだけ別の物に買い換えていたのだ(ロードテスト第31回参照)。これはそのまま使いたいので、今回はパソコン本体だけ購入したいのである。ところがNECやSONYといったメーカー製パソコンでは、ほとんどがディスプレイがセットになっているため、無駄が出てしまう。液晶ディスプレイがないとすると、まずDELLやエプソンダイレクト、ショップブランドなどの製品が思いつくが、これらではダブルテレビチューナーの製品はなかなか見つからないし、通販系の場合は商品が届くまで数日かかってしまうのもいただけない。それに感覚的なものだが、メーカー製の機種を店頭で実際に見て購入したいのである。
 そこで、以前より、デスクトップパソコンが壊れた時に向けて目を付けていたのが、SONYのVAIO TypeR Masterである。ダブルチューナーやCore 2 Duoの条件を満たし、珍しくディスプレイモデルもラインナップされているのだ。もちろん、グラフィックもGeForce 7600シリーズである。このように、私の条件を満たしているため、このシリーズに決定した。
 それにしても、1月29日の夜とは意味ありげな日である。あと数時間で1月30日となるが、この日はWindows Vistaの発売日なのである。これはWindows Vista搭載機を購入しろと言う神様の思し召しなのかと疑ってしまうようなタイミングだ。そこで、Windows XPの2006年秋冬モデルと、Windows Vistaの2007年春モデルを比較検討してみよう。

Windows XPモデルWindows Vistaモデル
品番VGC-RM50VGC-RM51D
店頭価格199,800円269,800円
CPUCore 2 Duo E6300
(1.86GHz)
Core 2 Duo E6300
(1.86GHz)
メモリ1GB
デュアルDDR2 SDRAM
1GB
デュアルDDR2 SDRAM
HDD400GB500GB
グラフィックGeForce 7600GS(256MB)GeForce 7600GS(256MB)
TVチューナ地上波アナログ×2地上波アナログ×2
地上波デジタル
BSデジタル
CS110度デジタル
ROMドライブDVDスーパーマルチドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows XP HomeEditionWindows Vista Home Premium

 このように違いはごくわずかである。ハードディスクが100GB増える事と、BS・CSチューナが内蔵されているかどうかである。しかし価格差が7万円もあるのは大きい。ハードディスクが増えるのは良いとして、BS・CSは元々見る事がないので、付いている意味がない。またWindows Vistaを発売日に購入するのはいささか勇気がいる。これらの理由から、Windows XPのVGN-RM50に傾きかけていたところに決定的なのが発売日だ。VGC-RM50は2006年秋冬モデルなので既に発売済みで在庫処分にまでなっているが、VGC-RM51はWindows Vistaの発売日より少し遅れた2月10日になるのだ。2月10日まで待つ事もできないので、VGC-RM50を購入する事に決めた。
 こうして、ヨドバシカメラマルチメディア梅田に出向き、購入した。店内はWindows Vista発売で湧いている中、Windows XP搭載機を指定して購入してしまった。199,800円で10%ポイント還元であった。2時頃に購入したところ、無料で当日配達が可能という事で、送ってもらった。

どの機種を購入するか

 夜になってVGC-RM50が届けられた。本体だけのわりに箱がずいぶん大きい。液晶一体型パソコンのような箱の大きさだ。とりあえず箱から取り出して設置してみよう。
 このVGC-RM50の特徴は、本体が2つに分かれている「ツインユニット」構成だ。マザーボードやCPU、メモリなどの主なパーツとHDD、グラフィックボード、TVチューナカードなどが内蔵されたメインユニットと、DVDスーパーマルチドライブやメモリカードスロット、イヤホン端子などが内蔵されたアクセスユニットに分かれる。分かれている理由として、騒音の元となるメインユニットは足下などに置く一方で、DVDスーパーマルチドライブや各種メモリーカードスロットなどの、アクセスの必要性のあるものだけを使いやすい位置に置くという事が考えられたためだ。この2つは幅と奥行きは近い物があるが、厚みはかなり違っていて、メインユニットの方がかなり厚い。また、この2つは、自由に設置する事ができる。先ほどの例のようにメインユニットを足下、アクセスユニットをディスプレイ下に置く事ももちろんだが、両方とも縦置きにしてタワー型パソコンのようにしたり、両方とも横置きにすると言う事も可能だ。そして私が取ったのが、メインユニットをディスプレイの横に縦置きにし、アクセスユニットをディスプレイの下に置くという方法だ。私のパソコンデスクはそれほど横幅があるわけではなく、足下にも余裕があるわけではない。そのために、両方とも縦置きにすると、これまでのPCV-RX66より幅が大きくなり液晶ディスプレイが載らなくなるし、両方横置きにしてその上に液晶ディスプレイを置くと、ディスプレイの位置が高くなりすぎてしまう。そこでこういった方法をとったのだ。

本体はメインユニットとアクセスユニットの2つに分かれる。パソコンデスクのサイズの関係で、メインユニットは右に立てて、アクセスユニットは液晶ディスプレイの下に設置した。

 本体はブラックで金属質だがマットな感じの塗装がされており、非常に高級感がある。他の機種とは一線を画す高級感だ。本体の脚も横置きと縦置きに併せて取り外しができるようになっていたが、高級感があるもので、本体の振動を吸収しそうな感じだ。残念なのは本体の色がブラックで、液晶の色がホワイトに近いという事だが、これはVGC-RM50の責任ではない。やはり、セット品でないとデザイン面では揃わないのは仕方がないのだろう。
 さて、電源を入れてみよう。電源ボタンはメインユニットにもアクセスユニットにも付いているので、どちらを押してもOKだ。動作音がPCV-RX66よりも静かに感じる。本体ファンがフル回転しても前のPCV-RX66のように耳障りな音が無く、かなり騒音が少ないような気がするのだ。
 初期設定が完了し使ってみた感想は、「速い」と言う事だ。前のデスクトップパソコンPCV-RX66は使っている内に遅く感じるようになっていたため、新しくなっただけでも速く感じるというのもあるが、特に遅いと感じていなかったノートパソコンVGN-S72PBと比べても速く感じるのだ。しかも、エンコードなどの重い処理ではなく、普段の作業をしていても速く感じるのはよっぽどだ。さすがCore 2 Duoというのもあるが、ハードディスクのおかげもあるようだ。ハードディスクは400GBなのだが、これは200GBが2基搭載されており、これがRAID 0に設定されているのだ。RAID 0は2台のハードディスクに分散して同時書き込みを行う事で、1台の場合よりも高速に読み書きできるようになるため、この辺りも「速い」と感じるのだろう。
 さて、本体の使い勝手はというと、非常によい。USBコネクタはメインユニットの前面に4つ、背面に4つ、アクセスユニットの前面に2つ、背面に2つの計12基も搭載されている。また、メインユニットの前面にビデオ入力端子があるので、ビデオカメラやビデオデッキなどを繋ぎやすそうだ。アクセスユニットには、DVDスーパーマルチドライブの他、もう1基の5インチベイが搭載されているため、将来Blu-rayドライブなどを内蔵する事もできるだろう。また、フラッシュメモリのリーダー/ライターも内蔵されており、SONYだからメモリースティックだけということもなく、SDカード、メモリースティック、xDピクチャーカードに加えて、スマートメディアやコンパクトフラッシュまで対応している。特にコンパクトフラッシュに対応しているのは、ザウルスを使う身としてはうれしいところだ。また、このメディアスロットやDVDスーパーマルチドライブ部分はカバーができるようになっているので、閉めておけばデザイン的にも美しい。カバーを閉めても電源ボタン(兼電源ランプ)やハードディスクのアクセスランプだけは見えるようになっている。このカバーはAV機器のように磁石で止まるタイプなのも、他のパソコンとは違い高級感がある。
 グラフィック機能も満足いくものだ。GeForce 7600GSは現在発売されているものとしては中の下といったものだが、グラフィックメモリが256MB搭載されており、これまで使っていたPCV-RX66のGeForce4 MX440(64MB)や、ノートパソコンVGN-S72PBのGeForce Go 6200 with TurboCache(128MB)よりもかなり性能が高いといえる。
 キーボードとマウスにもこだわりがあるようだ。キーボードは本体に合わせた黒のデザインだ。PCV-RX66の様にワンタッチでアプリケーションを起動できるボタンは用意されていないが、縦方向はかなりコンパクトだ。左側にはFeliCaポートが搭載されており、おサイフ携帯やEdyなどで買い物ができたり、SuicaやICOCAなどの残高や乗車履歴が見られたりする。私も最近Edyカードを利用するようになったため、非常に便利だ。キーボードにはフタができるようになっているが、これを二つに折る事でパームレストとなるのも気に入った。一方のマウスは、円柱を斜めに切ったようなデザインだ。デザイン重視かと思ったら、意外と持ち心地が良い。しかも、このマウスは「レーザーマウス」になっているのだ。光学式マウスよりも分解能が高く、光学式では操作できないような面の上でも使えるが、その分高価だ。メーカー製でレーザーマウスを採用しているという話はほとんど聞かないので、さすがハイスペックパソコンだけある。また、テレビ操作用にリモコンも付属している。残念ながらリモコンの受信部はUSB接続で外付けなのは面倒だ。

カードスロットやDVDスーパーマルチドライブはアクセスユニット側にあるので、メインユニットは非常にシンプルだ。右側にUSBとビデオ入力端子があるだけだ。前面の下半分は左右にスリットが入っており、放熱にこだわっているようだ。


アクセスユニットはかなり薄い作りだ。写真上のようにカバーをしておけば、前面からは何も見えず、デザイン的に美しい。カバーを開けると写真下のようになる。左側にフラッシュメモリスロットとUSB、イヤホン・マイク端子が並び、右側にDVDスーパーマルチドライブが配置される。その左にはもう一基ドライブが内蔵できる。

アクセスユニットの左側のアップである。SDとメモリースティックとコンパクトフラッシュ、スマートメディア兼xDピクチャーカードのスロットは独立している。様々なメディアに対応しているので、非常に便利だ。3.5インチベイに色だけ合わせたのリーダー/ライターを搭載しているのではなく、本体ケースに埋め込まれているのも細かいところではあるが高級感を高めている。

アクセスユニットの右側のアップである。何の変哲もないドライブだが、色はしっかり合わせてある。

キーボードである。ワンタッチボタンなどは無いが、左側にFeliCaポートが搭載されている。写真上のパームレスト部分は、写真下のようにキーボードカバーとすることができる。

独特の形をしたマウスである。パソコンに付属のものとしては珍しく、レーザーマウスである。

リモコンも付属している。

スピーカーは外付けの物を採用している。置き場所には困るが出力は5W+5Wと比較的高いので、音は良い。

TV機能の使い勝手は?

 ではVGC-RM50の機能の一つ、TV機能を使ってみよう。前のPCV-RX66は「GigaPocket」というTV視聴・録画ソフトを利用していたが、今回は「DoVAIO」という総合AVソフトを利用する事となる。このソフトは残念ながら使いやすいとは言えない。使い勝手としてはパソコン用のソフトと言うよりはHDDレコーダのようである。全体に文字が大きく、カーソルボタンだけで操作ができる。マウス操作もできるが、右クリックなどを利用せず、クリックして少しずつ階層を入っていく感じだ。確かにリモコンで遠くからでも操作しやすく、パソコンになれていない人でも操作できるが、逆にパソコン操作に慣れた人には使いづらく感じるのだ。「初心者にも使いやすく」と言われてしまえばそれまでだが、せっかくパソコンで録画するのだから、パソコンならではの軽快な操作をしたいと思う。例えばビデオを削除するにも、GigaPocketや他社製ソフトなら、アイコンやエクスプローラの一覧表示の様な感じで表示される「録画したテレビの一覧」から、削除するビデオをクリックし「Deleteキー」を押せば良いだろう。ところがDoVAIOの場合、最初の画面で「テレビ・ビデオ」をクリックし、次に「録画したビデオ」をクリックし、どういう順で並んだビデオファイルを表示するかを選択する。これでようやくビデオ一覧が表示されるのだが、縦に8つほどしか並んでいないため一覧性は低いのだ。スクロールバーも無いため、スクロールもしにくい。そしてその中から削除するビデオを見つけたら、その右端にある右矢印を押すと、メニューが表示され、ようやく「削除」を選ぶ事ができるのだ。しかも一度削除を行うと、表示が一覧の一番上に戻ってしまうのも不便だ。しかも、GigaPocketには付いていた編集機能が無くなっているのも残念だ。凝った編集はVideoStudioなどの編集ソフトで行うから良いとして、CMカットや不要な部分のカットをしてからDVDに書き込みたいと思っても、それができないのは不便と言わざるを得ない。
 便利なところがないわけではない。まず録画ファイルだが、前は専用形式になっていたため、他社のソフトで編集やオーサリングをする場合は、いったんMPEG2形式への「書き出し」が必要だったが、今回は録画フォルダにMPEG2のままで保存されており、書き出す手間がない。また、購入時の条件であったダブルチューナは、裏番組の録画や、2番組同時録画が行えて便利だ。また、前のPCV-RX66には無かった、3次元Y/C分離やノイズリダクションといった画質補正機能が付いているのもうれしいところだ。前面にビデオ入力端子があったり、インターネットの番組表が使えるなども便利である。TV機能の総評としては、DoVAIOは使いづらいが、全体の機能は良いという所だろう。

DoVAIOを起動して、「テレビ・ビデオ」を選択するとこの画面になる。テレビの場合はチャンネル数をクリックし、ビデオの場合は、どのようなファイルをどのような順番で並べるかを選択する。

ビデオの一覧表示画面である。縦に8〜9個ほどしか並ばない上に、スクロールバーも無いため、一覧性は良くないが、全てにサムネイル画像が表示される上に、選択中のビデオのタイトルはスクロール表示されるので、目的のビデオかどうかの確認はしやすい。

選択したファイルから右矢印をクリックすると、このようにそのビデオをどうするかの選択肢が現れる。

テレビの表示画面である。メイン画面はオーバーレイ表示なので、プリントスクリーンでは映っていないが、実際にはテレビが表示される。録画ボタンの他、一時停止ボタンも用意され、放送中の番組のタイムシフト再生が行える。またそれとは別に、ダブルチューナを利用して別チャンネルを子画面表示できる。

ベンチマークテスト結果

 それではベンチマークテストを行い、前の機種PCV-RX66とノートパソコンVGN-S72PBと比較してみよう。

VGC-RM50PCV-RX66VGN-S72PB
CPUCore 2 Duo E6300
1.86GHz
(FSB1066MHz)
Pentium 4
2.26GHz
(FSB533MHz)
Pentium M 740
1.73GHz
(FSB533MHz)
チップセットIntel P965 ExpressIntel 850EIntel 915PM Express
メモリ1GB
DDR2 SDRAM
(DDR2 667)
デュアルチャンネル
512MB
Direct RDRAM
(PC800-40)
512MB
DDR2 SDRAM
(DDR2 400)
ハードディスク400GB(200GB×2)
Serial ATA
毎分7200回転
RAID 0
120GB
Ultra ATA/100
毎分5400回転
80GB
Serial ATA/150
毎分5400回転
グラフィックGeForce 7600GS
256MB
PCI Express x16接続
GeForce4 MX 440
64MB
AGP4X接続
GeForce Go 6200 with TurboCache
128MB(内96MBはメインメモリから)
PCI Express接続
OSWindows XP Home EditionWindows XP HomeEditionWindows XP Professional


 HDBENCHはの結果から見てみよう。CPUの結果は興味深いもので、VGC-RM50は1.86GHzにも関わらず、2.26GHzあるPCV-RX66と比べてFloatで2倍強、Integerに至っては5倍弱の結果となっている。さすがCore 2 DuoはPentium 4と比べて、クロックあたりの性能が高いといわれているだけある。また、Pentium M-1.73GHzと比べても2倍以上となっている。もう一つ興味深いのはハードディスク性能だ。PCV-RX66やVGN-S72PBの3倍程度の性能差となっている。PCV-RX66やVGN-S72PBの5400rpmと比べてVGC-RM50では7200rpmに上がっているだけでなく、RAID 0の効果が現れているのだろう。


 HDBENCHの結果から予想が付くように、PCMark04のスコアも他の2機種を圧倒するものだ。ここまでの差があれば、使っていて「速い」と感じるのも分かる。


 Crystal Markの性能である。CPUはALUとFPU共に他機種の3倍前後、メモリ(MEM)も2.5倍、ハードディスクも3倍弱といずれも圧倒的だ。グラフィックの結果はGDIとDirecDraw(D2D)はそれほど差が付いていないが、2Dのテストのようなので、既に頭打ち状態になっていて差が付かないのかもしれない。それに対して、OpenGL(OGL)のテストは2.5倍以上の性能となっており、GeForce 7600GSの性能の高さが分かる結果となった。



 SandraやN-Benchの結果も他のベンチマークテストと変わらず、VGC-RM50の性能の高さを示す結果となった。


 円周率を419万桁まで計算する時間を計測する物である。バーが短いほど高速である。VGC-RM50はPCV-RX66の半分以下の時間で計算が終わっている。改めて驚かされる差である。


 3Dグラフィック性能を計測する3DMark 2001SEである。DirectX 8.1世代のテストなので、少し前のゲームのスピードを測るものだと考えられる。1024×768と640×480のどちらの解像度でも高い性能を示している。3世代も前のGeForce4 MX 440と比べて3倍以上高いのは分かるが、GeForce Go 6200 with TurboCacheと比べても圧倒的だ。


 FINAL FANTASY XIがどの程度快適に動作するかを計るテストである。かなりの性能差であるのはもちろん、公式ページの結果によると、Lowが7000以上は「計り知れないPC」とランク付けされるほどである。



 鉄道模型シミュレーターの実際の動作の快適度を測るテストである。VRM DirectXチェッカーはDirectX 7世代の性能を、VRM 4はDirextX 9世代の性能を測るものだ。やはりどちらも高い性能を示しているが、特にVRM 4の結果は、PCV-RX66やVGN-S72PBの17000という数値は「グラフィックカードなどの改善で向上する可能性があります。」という評価だが、VGC-RM50の38835は25000〜40000の「標準的な環境です。」の上位に属し、もう少しで「標準以上の比較的、高速な環境です。」になるほどである。このくらいあれば、最新の3Dソフトもストレス無く動作するだろう。


 ぐるみんというゲームの実際の動作の快適度を測るテストである。他のテストほどの差ではないが、やはり高い値を示した。

 このようにベンチマークテストをしてみると、改めてその性能の高さに驚いた。グラフィック性能は高いだろうと思っていたが、CPUやハードディスクまでここまでとは思っていなかった。想像以上にうれしい所だ。さらにここまでの性能がありながら、音が静かなのもうれしい。使い勝手も良く、なによりデザインが非常に高級感があるのが気に入った。ディスプレイ無しで199,800円と決して安い機種ではないが、「高い」というほどでもない割に、性能、使い勝手共に非常に満足と言える機種である。

(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
   SONY  http://www.sony.co.jp/ 

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