第59回
自由自在脚部三脚
JOBY Gorillapod Original
(2008年9月22日購入・2010年4月12日著)



便利な三脚を発見

 旅行や観光スポットに出かける際にはデジカメと共にミニ三脚を持ち歩いている。これがあれば、街中のちょっとした台の上にカメラを置いてセルフタイマーで撮影する際に、角度調整が出来て便利である。しかし、常にちょうど良い所に三脚の広げられる平面があるとは限らない。いや、実際には無いことの方が多いのである。ちょうど良い位置に物の置けそうな台が無いこともあるし、あったとしても三脚の足が広げられるほど広くはなかったりする。結果的に、地面に三脚を置いて、見上げるような変な写真になってしまったりするのである。かといって大きな三脚を持ち歩くのは大きくて重いし、毎回そんな三脚を広げるのも大げさである。
 そんな中で見つけたのが、JOBYの「Gorillapod Original」である。この三脚の特徴はなんと言っても脚の部分である。なんと自由自在に曲げられるのである。この脚の部分は、同じ形状のパーツが10個連なって出来ているが、よく見ると1つ1つは「球」と「中が空洞の半球」がくっついたパーツで出来ている。そしてその「中が空洞の半球」の部分に次のパーツの「球」の部分がはまっているため、その部分が自由に好きな方向を向けられるのである。そしてそれが10個連なっているため、自由自在に脚が曲げられる三脚となるわけである。
 脚が自由自在に曲げられると、ただの三脚と比べて自由度は大きく向上する。もちろん、通常の三脚のように使用することも可能である。各パーツのジョイント部分は適度な堅さになっており、ある程度力をかけないと曲げられないため、カメラの重さで脚が曲がると言う事は無い。かといって手で曲げる際に固すぎると言う事もなく、適度な堅さに調整されている。
 そして、前述のような三脚が置ける平面がないとしても、例えば木に巻き付けたり、金網に巻き付けたりして固定することが出来るのである。「Gorillapod Original」は基本的にはプラスチック製だが、脚の球の周囲にはゴムが付けられているため滑りにくくなっているし、前述のように適度な堅さがあるため、木などに巻き付ける際には、しっかりと巻き付いて固定できる。また脚の部分より上も脚と同じパーツ2つで出来ており、90度程度まで曲げることが出来るため、金網のような地面に垂直な所に巻き付けても、カメラを正面に向けることが可能である。
 またちょうど良い高さのポールがあったとしても天板が半球状になっていたりと、カメラが安定しておけない場合もあるだろう。この場合でも「Gorillapod Original」の脚をポールに沿わせるようにして伸ばしておけば安定してカメラを固定できる。また旅行などでキャリーバッグを持っている場合は、持ち手部分に巻き付けることで、ある程度の高さから撮影が可能になる。

脚を自由自在に曲げることもできるが、もちろん普通の三脚のように使用する事も出来る。脚の部分はしっかりしているので、カメラを支えることが出来る。

木の枝に巻き付けるとこのようになる。それぞれの一つ一つの球体の周囲にはゴムが付けられているため、滑ることなくしっかり固定できる。

金網に取り付けるとこのようになる。金網のような地面に垂直な所に巻き付けても、カメラを正面に向けることが可能である。

ちょうど良い高さのポールでも、ポールの天板が平面でないと普通の三脚は設置できない。しかし、このように天板の形に添わせることで、ゴムが取り付けられていることもあってしっかり固定できる。

 「Gorillapod Original」がもう一つ便利なのは、雲台部分が取り外せる事である。取り外す時は、側面の「JOBY」と書かれたボタンを押すだけである。そして、雲台はカメラの三脚穴にコインを使って取り付けることが可能だが、非常に薄型なので取り付けたままでも邪魔にならない。そして、いざ「Gorillapod Original」を使う際には、スライドしてはめるだけである。またこの「Gorillapod Original」は重量が45.3gと軽量であるため、デジタルカメラなどと一緒に持ち歩いても苦にならない所も良い点と言えるだろう。

「JOBY」と書かれたボタンを押すだけで、雲台部分を取り外すことが出来る。

取り外した雲台は非常に薄くて小型である。

雲台はカメラの三脚部分にコインを使って取り付けられる。非常に小型で薄型であるため、カメラに取り付けたままでも邪魔にならない。そしていざ「Gorillapod Original」を使う時は、スライドしてはめるだけである。



 このように一見するとおもしろ製品に見える「Gorillapod Original」であるが、非常に実用的で考えられた製品である。カメラと共に一つ持っておくと、非常に便利だろう。また「Gorillapod Original」は耐重量325gまでなので、コンパクトデジカメ専用となるが、耐重量800gの「Gorillapod SLR」や3kgの「Gorillapod SLR-Zoom」もある。こちらなら一眼レフデジカメやビデオカメラでも使用できるはずだ。ただ本体重量はそれぞれ165gと241gとなり重くなる上、脚も太くなるため、使うカメラに併せて製品を選んでいただきたい。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
JOBY http://joby.com/
Gorillapodのページ http://joby.com/gorillapod



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