第66回
煙式火災報知器
Panasonic SH6000P/SH6000YP
(2009年1月13日購入・2009年2月12日公開)



火災報知器を設置しよう

 各家庭への火災報知器の設置が義務づけられた。そして我が家のような分譲住宅の場合は、持ち主に設置義務があるらしい。家電量販店でも目の付く所に並べられるようになってきたため、我が家でも設置することにした。
 我が家の場合、寝室として使っている和室と洋室、ダイニングキッチンの3箇所に設置することにした。今回購入したのはPanasonic(旧National)のSH6000PとSH6000YPである。ヨドバシカメラマルチメディア梅田で1つ4,980円(10%ポイント還元)で購入した。他社製で3つ入り9,980円という機種も売っていたが、命に関係した機器だけにPanasonicというメーカーの安心感を取った。また、SH6000P/SH6000YPは薄型になった新機種であるが、旧機種との差が200円であったため、新機種の方を購入した。ちなみに、火災報知器には煙探知式と熱探知式の2種類があるが、煙探知式の方が火災時の反応が早いと言われているため、煙探知式の方を購入した。

SH6000Pの外見は

 SH6000Pの特徴は、本体の中央部に飛び出ていた煙検知部がなくなり、表面がフラット化されたことにある。おかげで厚みも26mmとかなり薄型になり、設置した際に目立たなくなったのである。表面を見ると、ボタンとスピーカーの穴しかないためすっきりしている。このボタンは警報が鳴った際に赤く光るため、異常が視覚的にも分かる。また警報を止める時にはこのボタンを押せばよい。スピーカーの方は従来の87dBより更に大きい90dBの音量で異常を知らせるという。この警報音は、ピューピューという「音」と「火事です火事です」という「音声」の両方で知らせるため、家庭内の様々な音に紛れてしまわないようになっている。しかも、高齢者にも聞き取りやすい0.3KHz〜4KHzの周波数帯を使うという細かい工夫がなされている。ちなみに、煙検知部が本体から飛び出なくなった代わりに、側面を見ると、円周上に3段のスリットが入れられており、こちらから煙を検知するようになっているという。デザイン的にもなかなかである。

SH6000Pの表面である。新機種になり表面がフラット化されたためすっきりしている。右にある大きな丸い所が、警報停止ボタン兼警報表示灯となっている。左側の穴はスピーカーで、ここから90dBもの大音量で警報音声と警報音が出る。

側面を見ると、3段のスリットがある。ここが煙検知部である。従来は表面の中心部から飛び出ていたが、側面に配置することで薄型化している。

 一方の裏面は、なにやら穴が開いている。実はこの裏面は「取付ベース」と呼ばれる部分で、押しつけながら回すと取り外すことが出来る。この取付ベースを天井や壁にネジ止めをした後、本体を回転させて取り付けるという方式であるため、簡単に取り付けることが出来るよう工夫されている。そしてこの取付ベースを見ても非常に親切に作られていることが分かる。まず本体から取り外す際に「押しつけながら回す」事が書かれている。また外す時の回す方向も書かれている。さらにこの取付ベースと取り付ける際にこちら側が天井側になることも書かれている。もちろん裏側には本体側である事が書かれている。さらに壁に設置する場合の上の方向も書かれている。これを見れば説明書無しでもいけるほどだ。

SH6000Pの表面である。これは本体に「取付ベース」が取り付けられた状態である。

「取付ベース」は押しつけながら回すと簡単に取り外せる。この「取付ベース」を先に天井面や壁面に取り付けておき、その後で本体を回して取り付けることで、簡単に取り付けられる。

取付ベースを見ると、本体から取り外す際に「押しつけながら回す」必要がある事、外す時の回す方向、取り付ける際にこちら側が天井側になること、壁面に設置する場合の上の方向など様々な情報が書かれてあり親切である。これなら間違わずに取り付けられそうである。


SH6000Pを取り付けてみよう

 では早速取り付けてみるとしよう。まずは付属のリチウム電池を取り付けなければならない。このリチウム電池は約10年保つので、頻繁に交換する手間が無く便利である。本体の裏側ののへこんだ所にリチウム電池をはめ込み、コードを接続する。本体裏側が黒色なのに対してコードを接続する所は白くなってて分かりやすい。また2本のコードは赤と白に色分けされており、コネクタ部にも「赤」「白」と書かれているため、接続する向きも分かりやすい。

リチウム電池から出ているコードを接続するコネクタ部である。コードは赤と白の2本で、コネクタ部にも「赤」と「白」と書かれており、接続する向きを間違えないよう工夫されている。

リチウム電池を取り付けた所である。くぼみにリチウム電池をはめ込み、コードを接続する。

 ところで、SH6000Pには照明器具のヒモのようなものが付けられており、これを引っ張ると本体のボタンを押したのと同じ動作となる。高い所に取り付ける場合などはヒモを付けておけば便利だが、ジャマだと言う場合は簡単に取り外せる。我が家の場合も天井に取り付けるが、椅子に乗れば届くのでヒモは取り外した。

購入時には、本体裏側からヒモが出ている。照明器具に付いているのと同じようなもので、これを引っ張ることで、本体表面の警報停止ボタンを押した時と同じ動作になる。手の届かない高い所に設置する場合は取り付けておいても良いが、邪魔なら取り外すことも出来る。

 続いて取付ベースを天井に取り付ける事になる。この際、通常は木ねじを使って固定するが、石膏ボードに取り付ける場合のために、石膏ボード用取り付けプラグが付属している点も親切だ。また、設置位置は慎重に決めなければならない。壁から60cm以上、照明器具から50cm以上、エアコンから1.5m以上離れた場所でなくてはならないためである。またタンスの真上や換気扇の近く、空気の吹き出し口の近くやコンロの上など火災ではない煙・上記のかかる場所を避けなければならないなど、説明書に細かく書かれているため、これを守る事が出来る場所を決める。また、SH6000Pは120gと軽量とはいえ、ベニヤ板などの薄い天井面ではしっかり固定できないため、野縁などの補強材の入った所を選びたい。
 場所が決まったら、木ねじで取付ベースを固定する。今回はキリで軽く穴を開けてからネジ止めした方がやりやすかった。取付ベースが固定できたら、あとは本体を取り付けベースのところで右に回し、取り付けたら完了だ。ちなみに、側面に設置日を書く欄があるので、ここに設置日を書いておけば電池切れの日などが予想でき便利だ。
 設置してみると、薄型でサイズも小さいためか意外と違和感がない。SH6000Pの表面もすっきりしているため天井がゴチャチャせずすっきりとした印象で、薄型タイプで良かったというところである。

SH6000Pの付属品である。左から「木ねじ」「石膏ボード用取付プラグ」、そして先程接続した「リチウム電池」である。

天井面の比較的しっかりした所に木ねじを使って「取付ベース」を取り付ける。この際、壁から60cm以上、照明器具から50cm以上離れた場所でなければならないなど、取り付ける場所には制限がある。

本体を回転させて取付ベースに取り付ける。カチッと音がするまでしっかり回して取り付ける。

設置が完了したSH6000Pを見る。薄型で本体表面もシンプルで、色も天井面と同じなのでそれほど目立たず良い感じである。


動作を確認してみよう

 設置が完了したので動作を確認してみる。「動作を確認」と言っても、実際に火災を起こして確認するわけではない。警報停止ボタンを押すと「ピッ、正常です。」という音声が流れ、警報停止ボタンが赤く3回点滅する。また警報停止ボタンを4秒以上押し続けると、押している間「ピュー、ピュー、火事です、火事です」という音声が流れ、警報停止ボタンが赤く点滅する。テストしてみると、無事に音声が流れた。これでスピーカー等が故障していないことは確認できた。
 ちなみに、SH6000Pには自動試験機能がある。煙検知部の自動試験を1時間ごとに行ってくれるのである。そして故障すると、「ピッピッピ、故障です」という音声が流れ、その後は40秒おきに「ピッピッピ」という音が流れる。また、故障の音声が流れた際に外出していた場合に備え、1時間に1度は「ピッピッピ、故障です」を繰り返してくれる。また同じように電池寿命が近づくと「ピッ、電池切れです」という音声が流れる。これなら、せっかく設置していたのに、実は故障や電池切れで動作していなかったということを避けられる。電池寿命は10年と長いため、滅多に電池切れを起こすことはないが、命に関わる機器だけに、故障時の事もしっかり考えられているのは安心だ。
 またここでも工夫がなされている。故障や電池切れになった場合、40秒おきに警報音が流れるし、1時間に1回は警報音声が流れる。しかし、すぐに対応できない場合もあるだろう。そんな場合は警報停止ボタンを押すことで止められるのだが、その場合に次回鳴るのは16時間後となっている。12時間でも24時間でもなく16時間とは微妙な時間だが、これにも訳がある。もし警報が鳴ったのが夜だった場合に次回は昼間になるようになっているのだ。例えば、午前0時に鳴った場合、次は午後4時である。また、朝6時に鳴った場合、次回は夜10時だ。2回目は眠りを妨げないように配慮されていると共に、警告が鳴ったことを忘れていた場合でも起きている時間帯なら取り外すなどの対処が取りやすいようになっている。ここまで細かく考えられているとは、はっきり言って驚きである。

和室に合うSH6000YP

 実は今回SH6000Pと共にSH6000YPを購入している。このSH6000YPはSH6000Pの色違いタイプで、和室の天井に合うようにベージュ色をしている。今回はSH6000Pを2つ、SH6000YPを1つ購入したが、確かに和室の天井には白いSH6000Pよりも、ベージュのSH6000YPの方が目立たず、良い感じである。

和室用のSH6000YPである。和室の天井の木目に合うようにベージュ色をしている。

 今回の火災報知器の設置は、思った以上に簡単に行えた事に驚いた。説明書がしっかりしていることもさることながら、機器自体にヒントが書かれているため、間違えにくい。説明書を読んで理解している2台目以降は、15分もあれば設置が完了した。また設置した時に意外と目立たないのも好印象だ。これは新機種の薄型化と、煙検知部が飛び出なくなったことが理由にあると思われる。そして自動試験機能など、設置後もちゃんと作動しているか確認できる点も安心である。これだけ機能が豊富ならば5,000円は決して高くはないだろう。ぜひご家庭にも導入していただきたい。


(H.Intel)


■今回の関係メーカー・ショップ
Panasonic http://panasonic.jp/
Panasonic火災報知器のページ http://ctlg.panasonic.jp/product/lineup.do?pg=03&scd=00005165



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