Chapter.40 最終調整
[Chapter40 制作物]

今回は、最終的な調整を行い、完成版として仕上げます。
(1) 細かい調整
  ・自機がダメージを食らったときに音が鳴らない場合があるバグを修正
  ・キーボードのキークリック音を消す処理を追加
  ・turboR の高速モードで動作させた場合に Z80モードに変更する処理を追加
  ・ラスボスのダメージカウントがおかしかったバグを修正
  ・ラスボスのレーザーが残骸として残る場合があるバグを修正
  ・全ステージ/ラスボス/ネームエントリーのBGMデータを追加
(2) MUSIC MODE を追加
(3) 実機で動作確認

■細かい調整
もし、市販のゲームの場合、開発した人が開発内テストを行います。
その後、テスターに渡して、ゲーム全体を通したテストを行う・・・・と思う
(ゲームメーカー勤務ではないので本当のところは知らない)

プログラムに関してはひとりで作ってるので、そこまで大々的にはできませんが、
幸いなことに MSXのソフトは規模が小さいので、ある程度ひとりでも把握できます。
問題は思い込みでテスト内容を絞りすぎてしまうことなので、少し時間をおいて
頭をリフレッシュしてから動作確認することで、テストとすることにしました。

真新しいものとしては、CHGCPU のところでしょうかね。
MAIN-ROM の 0x002D番地には、MSX-BASIC のバージョンが入っています。
0 なら MSX1, 1 なら MSX2, 2 なら MSX2+, 3 なら turboR といった具合です。
CHGCPU は turboR 専用の BIOSエントリなので、まずは 0x002D 番地をみて「3未満なら処理をスキップ」
という判定をする必要があります。
3以上なら CHGCPU を使って Z80 モードに切り替えます。
「3なら」ではなく「3以上なら」です。
turboR の後継機が万が一(笑)出るとしたら、それは 4 になっているはずで、CHGCPU も使えるはずだからです。

その他は、単なるバグ修正や調整だけなので、具体的にどのような修正を施したのかは、
chapter39 とのソース差分を見てください。

■MUSIC MODE を追加
今回、三毛乱ジェロさんからカッコいい曲データを提供していただきました。
ただ、ゲームの難易度が高く、せっかくステージごとに用意されている曲も、すべてを聞けないでおわる
人も少なくないと思います。
それでは勿体無いので、MUSIC MODE を追加しました。

タイトル画面でキーボードの Mキーを押してください。MUSIC MODE に切り替わります。

カーソルキーの左右で曲選択、スペースバーで再生です。

■実機で動作確認
今回の開発では、BlueMSX を利用しました。
強力なデバッガや、ディレクトリ内ファイルのドライブ挿入機能など、これのおかげでフルアセンブラといえども
大して苦労せずに組み上げることができました。製作者の方々には非常に感謝してます。

とはいっても、実機とは 100% 完璧に同じものではありません。
もしかしたら、BlueMSX では動くけども、実機では動かないというケースも有るかもしれません。

ということで、押し入れの中から FS-A1ST を引っ張り出してきて動作確認しました。

気になっていたポイントは、
 (1) タイトル画面のなめらか横スクロール
 (2) 割り込み処理
です。

動作確認してみたところ、両者とも全く問題なく動作してくれました。

■祝、完成!
本当はもっと短期間で作るつもりではいたのですが、なかなかそうも行かないですね。
あと、プログラムの細部を説明しながら作るというのが、非常に大変だという実感がわきました。
実際、各chapter のプログラムを作ってる時間よりも、そのchapterの文章を書く時間の方が圧倒的に多いです。
次に何かを作るときには、もうプログラム解説付きは辞めるでしょうね (^_^;

もはや市場が廃れてから久しい MSX のゲーム制作というマイナーな記事ですが、
ここまで読んでくれてありがとうございました。


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