件名: アップル通信54
送信者: たなか
日付: 2000/07/04 1:34


こないだ書いた茅ヶ崎市営浜須賀プールについて少し。
(またまた自分の世界にとっぷり)
 
そこは、海岸から松林を一つ隔てた静かな住宅地の中にあるのだけれど、そこだけ欝蒼とした木々に廻りを囲まれていて、それが周囲とプールの間に気持ちのよい距離感を与えてくれます。
木々の中には、7月から8月にかけてハイビスカスに似た赤い花や真っ白い花を“生命力のある夏の緑”を背景に咲かせるものがあって、プールサイドから眺めると“南の島”とか“永遠の夏休み”といった気分を醸し出してくれます。

建物や設備は基本的に僕の小学校時代から一切変わってなくて、錆の浮いたロッカー、ペンキが消えかけた注意書き“プールに入る前にはシャワーを浴び消毒槽に腰まで浸かる事!”、水色のペンキが厚く塗り重ねられた屋外シャワー。
プールは大人プール、子供プールにひょうたん型の赤ちゃんプールの3つ。

まだ夏の長い一日が始まって間もない朝9時ごろから大人プール第4コースの横に大判のビーチタオルをひいてから誰もいないプールに飛び込みます。
この時間帯、プールに差し込んだり、水面を飛び跳ねている午前中の陽のひかりは朝のトーストのように新鮮で素敵です。
プールサイドに腰掛け、足を水の中に入れながらボーと水しぶきと光の粒を眺めていると時間は本当にゆっくり流れ、世界は僕に微笑みかけてくれます。

ゆっくりしたペースでプールを10往復泳いでからビーチタオルの上であぐらをかいて朝刊を読みながらの日焼けです。 髪の毛からポタポタ水が落ちてきて新聞の色を変えていくのを活字を追いながら眺めているとそのうち眠くなってきます。あとは仰向け大の字になって寝ちゃいます。

波の無いときには波乗り仲間が浜須賀プールに集まります。ニューヨークでバスの運転手をしてた40過ぎの不良、ボルボに乗ってるこれも40過ぎの水道工事屋さん、それと僕と同じ学年のイギリス帰国子女のワタナベ君。カラフルな取り合わせです。
彼らと一緒に50Mの競争や200M個人メドレーをプール一杯に広がりながら泳いだりして遊びます。
まったくみんな小学生と変わりません。

陸トレ合宿でないのは残念ですが、これが僕の夏の原風景。

今年も土曜日からまた夏が始まりました。
 


返信者:ぎとう
僕の夏の原風景は、ブナ林に囲まれた山間の農村でセミの声の聞こえる木陰の坂道をゆっ
くりと登る、って感じです。
風に揺れる木々がサワサワと囁き、少し涼しい風が心をも洗い出し平穏な気持ちにさせて
くれます。
将来は、そういうところに住みたい。
ところでたなか、まだ日本に居るの?
 
返信者:たなか
うん。
でもなかなか退職金が富士銀行に払い込まれてこないんだよね。

君はもうパタゴニアからファレスに戻ったの?

アメリカじゃSOHOでオレゴン州とかイエローストーン公園とか環境宜しいところの人
口が急増してるみたいね。

環境の良いところで働ける別荘後片付け業は良いですね。
 
返信者:ぎとう
えっ 退職したの
 
返信者:たなか
有名だよ、
 
返信者:ぎとう
あなたのPCまだ時差ぼけしてるよ
 
返信者:うめむら
えぇーーっっ!!!
知らなかった。
ディン辞めて日本に帰ってきたんだ。
メイルアドレスはkaznet.kzのままだよね。
いま何してるの?
 
返信者:たなか
別荘後片付け業とお子様向おねーさん派遣業立ち上げ準備とぎとうの夏の原風景に感
化されてます。
ヒグラシの声って良いですよね。
それと木の騒ぐ感じ。
 
返信者:まこと
人事に確認したら、特に聞いておりませんが、とのことでした。
(勿論、非公式ルートです。)
 
返信者:ぎとう
でも、日本に居るんでしょ。
>今年も土曜日からまた夏が始まりました。
というくだりからして。先週の土曜から晴れたもんね。


返信者:うめむら
あーびっくりした。
 
返信者:たなか
いやいや。
うめむらぱぱの夏の原風景って何?
 
返信者:うめむら
弊員の小学校は家からとても遠く、毎日片道3kmも歩いてた。
夏の現風景は、学校の行き帰りに毎日歩いた御成街道(江戸時代に
将軍の鷹狩の為に作られた、ひたすらまっすぐな、だけど大きなアップダウンの
繰り返す一本道)に有る。
真夏の強い日差しのなかの帰り道、午後1時〜2時頃、
坂を登る度にアスファルトの上に浮かぶ逃げ水、
一本道のちょうど真ん中あたりにあたかもお茶屋然としてぽつねんとたつ蕎麦屋、
暑さとのどの渇きに耐えられずその蕎麦屋に飛びこみ水をせがむ、
冷水機から出される普通の水の美味しい事。印幡沼の水なのにね。
そういえば、小1の時その御成街道で友達が車に跳ねられ、半年間入院たことが有った。
引かれた瞬間20mくらい空を吹っ飛んでた。
ダンボールが踏み潰されるような音がして、
1年くらいダンボールの音恐怖症になったな。

なんかいい思い出じゃないなぁ。
 
返信者:表野
土日ともまずまずの天気だったから、近所のプールに行って
「国境の南、太陽の西」を読んだよ。読んでて暑くなると
ちょっと泳いで、また読んで、を繰り返して、丁度二日間で
読み終わった。

春樹ファンから見て、あの本はどういう評価?
なんか、表現方法とか文体は違うけど、片岡義男に出てくる
人達とイメージがだぶるね。貴君のあこがれる人種?
 
返信者:たなか
村上春樹と片岡義男って似てるよね。
片岡義男のほうが少しわかりやすいのかな。

あのね。あの本「国境の南、太陽の西」を読むと気持ちが震えますね。
まあ30歳過ぎてこういうのもなんだけど、どうも自分とオーバーラッピング
させてしまいますね。ああセツナイ。

ちょっと入りすぎてる気もするけど、結構好きです。 「国境の南、太陽の西」。
プールサイドで読むのだったら、風の歌を聴けから始まる4部作(1973のピン
ボール、羊をめぐる冒険、ダンスダンスダンス)がお奨めですね。