SWEAR BY KISS

side−大石

いつのまにかキスをしていた。
奪う様に深く、深く。
ぎゅっと瞑られた瞳が痛々しくて、
額に、瞼に、キスを落として、
英二の緊張をほぐしていく。
潤んだ瞳がオレを見上げていて、
めちゃめちゃにしてしまいそうで、
ちょっと自分が怖かった。
オレは英二にこの行為を嫌って欲しくないから、
傷つけたくないから。


傷跡に一つ
  それは英二への気持ち

傷跡に一つ
  それは己への誓い

想いを乗せてキスをする。


「好きだ」と「自分を嫌いにならないで」と「いつも笑っていて」と

「愛している」と「絶対に傷つけない」と「大切にする」と

想いを乗せてキスをする


名前を呼ばれ「何?」とキミの顔を覗きこんだら
「好きだよ」と告げられて。
英二の潤んだ瞳が「愛してる。」と伝えてきて。
愛しくて
この上もなく嬉しくて。
あらためてその唇にキスを落とした。



side−菊丸