2002年3月2日、私は中京競馬場のパドックの最前列で、馬を眺めていました。ジョッキーがまたがって、パドックを周回し始めたとき、私のすぐ後ろから、「がんばれ!」と声援が飛び、私の目の前を、ちょっと恥ずかしそうに笑いながら通り過ぎていくジョッキーがいたんです。それが黒岩君でした。しかも、ひょいと下を見ると、そこには黒岩君の応援幕が。後で知ったことですが、ご家族の方が、デビュー戦を応援するために、高知から駆けつけていたそうです。
きっかけなんて、そんなものです。それから今年で21年、良いときも悪いときも、いろいろありました。デビュー20周年の2022年にはついに重賞も制覇。そして2023年4月の中山グランドジャンプで悲願のG1制覇。10月の誕生日で40歳になりましたが、今の時代、身体を大切にすれば還暦まで騎手を続けることも不可能ではありません。これからも、どうか長く活躍し続けてくださいね。私もまだまだずっと、ジョッキーの黒岩君を応援し続けていられたら、幸せです。
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