Last update: 1997.09.15
アロワナは、熱帯魚のなかではかなり大きな部類にはいります。 飼育下でも60cm以上、自然界では1mを越えます。 水族館などでも、1mを越えるような大型の固体を目にすることができます。 アロワナは俗に古代魚といわれることが多く、 これは現生の魚類の中でも、かなり古い特徴を残しているためです。 確かにアロワナをみていると、 一億年も前の水中を覗いているような気にさせられます。
アロワナの仲間には、シルバーアロワナ (Osteoglossum bicirrhosum) [写真] 、ブラックアロワナ、ノーザンバラムンディ、スポテッドバラムンディ、 そして絶滅危惧種としてワシントン条約(CITES)で国際的な商取引が制限されている アジアアロワナ(※)がいます。
シルバーアロワナは南米のアマゾン川流域に生息し、 体型は細長く、帯のように縦に偏平なため、 amazon band fish とも呼ばれています。 全身は鎧のような大きな鱗に覆われ、銀色に輝いています。 そして一番の特徴は、なんといっても大きな受け口で、 フェリーのように顎がガバッと開き、大きな餌もひと呑みにします。 下顎の先端には2本のヒゲが付いていて、 ちょっとしたチャームポイントとなっています。 以下、私の飼育経験があるシルバーアロワナのことを、 単にアロワナと呼ぶことにします。
大型魚といえば、 どちらかといえば水底でおとなしくしているものが多いのですが (ナマズ、ハイギョ、ポリプテルスなど)、このアロワナに限っては至って活発で、 いつも水面すれすれをゆったりと泳いでいます。 この悠然とした動作が、その神々しいまでの容姿と相まって、 見るものを魅了させずにはおきません。 そして水面に虫などを見つけると素早く近寄り、 その大きな口を開けて一気に飛びかかるのです。 自然界では、水面上に張り出した木の枝にとまった虫を目がけ、 1m以上もジャンプして捉えるそうです。
※ 養殖が軌道に乗ってきたのか、はたまたバブルがはじけての影響か、 アジアアロワナの値段もずいぶん下がってきました。 先日など、10cm ほどの個体を4万ほどで売っているのを見かけました。 ようやく庶民にも飼える魚になってきたかな、という気がします。 (とはいえ、店によっては「スーパーレッド」とかで、 プレミア付きの相変わらずの高値です。 体色ってそんなに大事なんだろうか!? また、「ワイルド」などと宣伝している店もありますが、 ほんまにいいんかいな!?)