心の準備

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Last update: 1997.09.15

アロワナは、もちろん50〜60cmの成魚も売られていますが、 普通は体長数cmのベビーを購入して育てます。 アロワナは非常に成長が速く、1年で40〜50cm以上にまでなります。 小さなベビーから数十cmもの成魚まで育て上げるのは、 愛着もわきますし、感動もひとしおです。

体長10cmくらいまでなら45cm水槽で、 20cmくらいまでなら60cm水槽で育てることができます。 それ以上に成長すると、いよいよ120cm水槽が必要になります。 アロワナは遅かれ早かれ、必ずやこのサイズの水槽が必要になりますので、 幼魚を買う時点からそれなりの覚悟をしておいてください。 といっても、120cm 水槽セットがそんなにムチャクチャ高価なものでは ありません(後述)のでご安心を。 (なにしろ、貧乏学生の私でも飼えるくらいですから。:-)

ただ、ここで断っておきますが、 CITESの対象になっているアジアアロワナはともかく、 アロワナ自体は決して高価な魚ではありません。 (実際、幼魚なら季節にもよりますが1000円程度です。) それに対し、この魚をじっくり育て上げるためには、 何十倍、何百倍もの投資が必要です。 これがアホらしいと思う人は、絶対にアロワナを飼わないで下さい。 それを覚悟できる人だけが、アロワナ(に限らずですが)を飼う資格があります。

もうひとつ心の準備として、餌の問題があります。 アロワナなどの大型魚の多くは、餌として活き餌(生きた金魚など)を必要とします。 普通ならそれ自体観賞目的で飼うような金魚を、 別の魚の餌として利用するのに抵抗がある人も多いかと思います。 私もよく「熱帯魚にどんな餌をあげているの?」と人に聞かれますが、 金魚と答えると「ゲッ」という顔をする人もいます。 しかしながら、 他の生き物をそのまま餌にするというのは自然界では当たり前のことですし、 仮に活き餌でなく、クリルや配合飼料にしたところで、 原料はもともと何らかの生き物だったはずです。 ここは自分で納得して始めるしかありません。

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CITES
The Convention on International Trades of Endangered Species of Wild Fauna and Flora. 絶滅が危惧される野性動植物の国際的な商取り引きを規制する条約。 わが国も加盟している。 多くの種類の動植物が絶滅危惧種に指定されており、 このうちCITES Iというカテゴリーに属するものは、 原産国政府発行の許可証がないと輸出できない。 また日本国内では、CITESに指定された種を販売、 飼育することは法律により禁止されている。 (CITESはあくまで国際的な条約であることに注意) ただし例外として、環境庁長官発行の許可証があれば、この限りでない。

熱帯魚のなかではアジアアロワナがCITES Iに記載されており、 原則輸出入が禁止されているが、インドネシアで養殖が始められており、 ここで養殖された個体が年に数千匹程度輸入される。 これはもちろんCITESに基づいて輸入されているはずだが、 非正規ルートでもかなり入ってきているらしい。

熱帯魚屋さんで売っているものには必ず許可証がついているが、 密輸されたものに偽造許可証を付けて売っているショップもあるということだ。 (;_;)