安達太良山(あだたらやま)    77座目

(1,700m、 福島県)


別名「オッパイ山」といわれる安達太良山の山頂。


磐梯山から続く
1999年10月24日(日)

奥岳温泉〜薬師岳〜安達太良山〜鉄山〜峰ノ辻〜奥岳温泉

桧原湖の宿650-810奥岳温泉−エクスプレス終点駅818〜薬師岳〜930安達太良山950〜1025鉄山〜1100峰ノ辻〜1220駐車場

 朝、6時40分に桧原湖畔の宿を出たが、車のフロントガラスが霜でバリバリに凍ってしまい、出発まで10分近くもかかってしまった。
 今日は朝から青い空が広がっていた。しかし、磐梯山だけが雲がかかって見えない。もう磐梯山への未練をすてて、レイクラインを一路、岳温泉へと向かった。

 奥岳温泉8時10分着。思ったより早く着いたが、広い駐車場にはかなりの車があった。およそ100台。こんなに人がいるのかと驚いた。さすがは智恵子抄で有名な安達太良山だと思った。

 あだたらエクスプレスは、8時30分から運転すると聞いていたが、すでに動いていた。今日は観光客が多いので早めに運転したらしい。急いで乗った。


(ゴンドラリフトからの紅葉−1)

(ゴンドラリフトからの紅葉−2)

(ゴンドラリフト)

 エクスプレスの終点駅へ8時18分着。
 この辺は山というよりも遊園地という感じである。見るからに人、人、人。登山道は狭く一人ずつしか歩けない。

 歩き出してからすぐに薬師岳との分岐があった。せっかくなので薬師岳へ寄って行くことにした。右手を行くと小高い所に、標識らしいものが立っていた。それには、『この上の空が本当の空です』と書いてあった。思わず苦笑いをしてしまった。

 ここから見えるボッテリした山の上に、ポツンと突起物が見えた。それが安達太良山の山頂だった。何と平凡な山だろうと思った。


(薬師岳、この上の空が本当の空だという)

(突起物のように見えるのが山頂)

 再び縦走路へ出てドロンコの道を登って行く。霜柱を大勢の人が踏んで行くので道はドロだらけである。途中で下りの人に会った。もう下ってくるのかと驚いたが、「くろがね小屋」へ泊まった人達のようだった。
 下りの人達は、ドロンコ道でかなり苦戦を強いられていた。ここは下りにとらず登りにとるべきだと思った。

 私の前に、ラジオをかけているオジさんがいた。しかも競馬である。山に来てまで競馬を聞くこともないだろう。それよりも周りの人に迷惑を掛けていることに気付かないのだろうか。追い越したくても登山道が狭くて追い越せない。やっと広い高台へ出た時、この時とばかりに追い越した。

 しばらく行くと、正面に、乳首のように盛っこりとしたものが見えて来た。安達太良山の別名「乳首山」のドーム型の山頂である。

 そのドームは高さ10メートルほどの岩塊で、いかにもアルペン的だった。ドームをバックに写真を撮っている人や登っている人、ドームの上で手を振っている人、岩陰で休憩している人など大勢いた。


(山頂直下)
 私もドームの写真を撮ってから、すぐに登って行った。
 ドームの三角点へ、9時30分到着(写真右)。

 空は青く澄んでいるが、西側の沼の平の方から雲が流れ、展望は思ったより悪い。しかし、その雲の間から、矢筈ガ森や鉄山などが見えた。

 とにかく風が強くて寒い。北側は霜がエビのしっぽのように延びていた。真っ白になった霜がまるで雪山のようだった。急いで防寒具を着た。
 (写真右はエビのシッポで白くなった山頂)

 ここから磐梯山や飯豊山を見たかったが、ついにその雄姿を見ることは出来なかった。とにかく寒いので、すぐにドームから降りた。そして、そのまま鉄山へ向かった。9時50分発。

 稜線は風が強く吹き飛ばされそうだった。左手には爆裂火口跡が不気味に見えた。1997年にこの沼ノ平で硫化水素ガスで遭難しているが、そもそも、こんな所をよくも登ったものだと思った。たとえ道があっても、草木が一本もなく硫黄で一面覆われた所を私は登りたいとは思わない。(写真左、現在は通行止め)。

 牛ノ背という小さなピークがあった。稜線から4、5メートルほどの高さしかないが、名の通り牛ノ背中に似ていると思った。その牛ノ背を下った所に、鉄山と峰ノ辻へ下る分岐があった。

 鉄山からは直接くろがね小屋へ下るコースがあるが、現在通行止めなのでここまで戻って来なくてはならない。

 鉄山は、安達太良山より9メートルほど高く、見るからにアルペン的だった。

(左の写真の黒い岩塊が鉄山山頂)。

 鉄山の岩場を登り、あと一息で頂上だろうと思った時、左手から裏側へ周り込む。そしてなだらかな斜面を10メートルも行くと、ケルンが積んであった。そこが山頂だった。私はうっかりして先の方まで行ってしまい、戻って来た。
 鉄山10時25分着。

 何と味気ない山頂だろうか。山頂に立ったという歓びは全くなかった。写真を一枚撮ってすぐに引き返す。
(牛ノ背の分岐から鉄山往復45分)。
 牛ノ背の分岐では休憩することもなく、そのまま峰ノ辻まで一気に下った。11時着。

 ここは風もほとんどなく、格好の休憩場所だった。周りには大勢の人が休んでいた。テルモスのお湯でゆっくりとコーヒーを飲んだ。
 ここからは扇を広げたように右正面に安達太良のドームが見え、左手にリフトへ延びる尾根、右手に鉄山へ続く稜線が広がっていた。今、リフトの方から一列になってドームを目指して登って行く人達が小さく見える。ドームの下から真っ直ぐこっちへ下って来る人もいた。


(鉄山からの下りから見た安達太良山)

(峰ノ辻からの安達太良山)
 ここからは、一気に勢至平へ向かった。所々にドウダンツツジが紅やオレンジ色に紅葉していたが、全体的に紅葉する樹木が少なく、写真を撮るほどでもなかった。

 (写真左は勢至平で休憩している人達)


 勢至平からは林道歩きとなった。しばらく林道を下って行くと、登山道が現れた。その登山道を登って来る人がいたので、私もそこを下って行った。

 何度か林道と交差しながら下って行くと、渓谷へ出た。道を間違えたと思った。下から登って来た人に道を確認すると、「奥岳へ出るから大丈夫です」と言われて安心したが、途中から林道へ出た方が近道だったようだ。

 しかし、渓谷にはすばらしい滝が二つもあり、紅葉が美しかった。家族連れが大勢いた。


(渓谷の紅葉)

(滝と紅葉)

 駐車場へ12時20分着。
 予定していた時間より2時間も早く着いたので、ゆっくりと車の中で弁当を食べた。 (平成11年)