大ナゲシ(1532m)〜赤岩岳(1520m?) ・・・2/2

 いよいよ赤岩岳への挑戦である。

 私は正面の痩せた岩尾根(左の写真の中央)を攀じ登るのかと思ったが、何と左手の基部を下って行く。ちょっと調子抜けしたが、ここは手強いので気を引き締めて行く。

 すぐにルンゼ(岩壁にできた急峻な岩溝)の登りになった。


(写真左:赤岩峠付近から見た赤岩岳。右が正面岩壁、左が北稜)

(写真右:大ナゲシから見た赤岩岳。実際の登山コース)


(岩の基部を下って行く)

(ルンゼの登り−1)

(ルンゼの登り−2)

 ルンゼは、文字通り両側が切り立った岩壁で、不気味さえ感じる。足元は岩屑と木の根っこの上に落ち葉が重なり、道さえも不明確だが、とにかく上へ上へと登って行く。

 峠を出発して20分ほどでコルへ出た。
 ここには左右に踏み跡があったが、左のピークは展望台だろう。展望台は帰りに寄ることにして、右へ曲がって行くと、岩場があった(写真右)。ストックをデポしてフリーで登って行く。手がかりがしっかりしているので心配はなかった。

 その岩場を登るとケルンが積んであった。そこからは樹林帯の急登になり、息を切らせながら登って行く。こんな急では下りが思いやられる。

 登り切る手前で左へトラバース、大きな岩を巻いて行く。そして、ついに赤岩岳の山頂へ立った。
 しかし樹木が多く、西側だけしか展望はない。ここから赤岩尾根や両神山が見たかったのだが・・・。

 この山の標高は地図にも載っていない。赤岩尾根の岩峰の一つに過ぎないのだろうか。ネットに載っている標高もマチマチだ。

 山頂で軽く昼食を摂って、早々に下山する。
 ケルンの下の岩場は垂直に見え、最初は勇気がいるが、足場がしっかりしているので難なくクリアー。
 ストックを回収してコルから展望台へ行って見た。赤岩尾根の岩峰が恰好良く見えたが、何峰かは分からなかった。

 今登って来たばかりの赤岩の山頂は、逆光で見にくかったが、絶壁の上に樹木が生えた西上州特有の山容をしていると思った。この山は赤岩峠の方から見た方が迫力があっていい。

 赤岩峠を素通りして、そのまま下って行った。この辺は紅葉が良いらしいが、ほとんどが枯れて落ちてしまったようだ。その落ち葉を蹴散らしながら、せめて「夏に登ったのではない」という証に、わずかに色づいている紅葉を撮りながら下って行った。


 登山口近くで、一人のオジさんが登って来た。「え、これから登るの?」と思ったが、どうも地元の方のようで、キノコ採りかもしれない。今日会った唯一の人だった。

 帰りはR140で雁坂トンネルを通り、山梨県の勝沼ICへ出て帰って来た。