有明山 (ありあけやま)

(2,268m、長野県)  159座

安曇富士や信濃富士ともいわれる有明山。(大糸線・有明駅のホームから)

2008年8月22日(金)

有明荘から往復

有明荘〜登山口520〜635支尾根〜907八合目・稜線〜941北岳955〜1007中岳1050〜1103北岳〜1402登山口

 この山は信州・安曇野にあり、安曇富士や信濃富士、有明富士などと呼ばれている。北アルプスの表銀座と云われている燕(つばくろ)岳へ登る時、背後に 見える山である。

 山名は200名山のガイドブックに従って「ありあけやま」と書いたが、地元の人たちは「ありあけサン」とか「ありあけザン」と呼んでいた。

 この有明山を登るため、登山口にある有明荘へ前泊したが、隣の部屋に泊まった中国人の団体が夜遅くまで騒いでいて寝付かれず、朝は同部屋の人に3時に起こされてしまい、少々寝不足である。

 この時期は4時になってもまだ暗い。
 5時になるのを待って有明荘を出て、車をすぐ後ろにある第3駐車場へ移動した。この駐車場の脇が登山口になっている。ここは昨日のうちに確認しておいたが、登山ポストの脇に「熊出没注意」と書かれていた。こんなところにも熊がいるのだろうか。

 登山靴を履いて準備完了。だが茂みの中はまだ真っ暗である。しばらくタバコを吹かしながら時間をつぶす。

 5時20分発。昨日のうちに書いておいた登山計画書の出発時間を5時から5時20分に修正してからポストへ入れて登り出す。しかし、いきなりの急登ですぐに心臓がバグバグする。ゆっくりゆっくり登って行った。

(写真は前日に撮ったもの)

 登山道の周りは笹が生い茂っていたが、今月上旬に地元の山岳会が笹刈りをしたとのことで、朝露に濡れるようなことはなかった。

 15分も登ると、道がゆるやかになり、三段の滝との分岐へ出た。

(写真は下りに撮ったもの)

 ここから先は笹刈りをしたとは思えない、笹が茂った細い道になった。「やっぱり雨具のズボンを穿いて来れば良かったかな?」と思ったが、今日は曇っているせいか朝露に濡れることはなかった。

 ここからも急登は続く。ここを登った人のHPには、「急登につぐ急登でかなり手強い」と書いてあったが、まさにその通りだと思った。

 丸太の梯子(階段?)が現れた。(写真は下りに撮ったもの)

 そこを登るとガレた急登で靴がズレ落ちそうだ。こんな急登は笈(おいずる)ケ岳以来だ。木の根っこやトラロープに掴まりながら登って行く。

 周りは杉林で薄暗く、熊の心配もあるので時々ホイッスルを吹いたり、大きな声を出しながら登って行った。

 ここはトラロープなどは張られているが、登山道は全く手入れはされていない。それだけ自然が残っているとも言えるが、つい隣の燕岳の登山道と比べてしまう。アルプスは小屋の人達が登山道を整備しているが、ここはボランティアが整備しているらしいので贅沢は言えない。

 尾根らしいものが見えるようになると、シャクナゲの木が多くなった。花の季節はさぞかし見事だろうと思った。

 やっと支尾根へ出た。6時35分。ここで一本。ここは「日本200名山ガイドブック」では、登り5時間になっている。まだ5分の1でしかない。先が思いやられる。
 背後の燕岳の方は、上部がガスって見えない。

 支尾根へ出ると、急登はだいぶ和らいだ。そして道はよく踏み固められ、迷うようなことはなさそうだ。それに所々に標識や赤テープがあった。

 
支尾根のピークの手前から右側へトラバースして行く。

 大きな岩の下を潜り、クサリ場(写真左)を越えると、また急登になり、シャクナゲ(写真右)が俄然多くなって来た。

 誰かのHPに「シャクナゲ街道と名付けたい」と書いてあったのを思い出す。確かにシャクナゲのトンネルだが、こんなイヤらしい急登ではたまらない。

 「おお〜!」と思わず歓声を上げた。いつの間にか背後のガスが切れて、北アの稜線が見えて来た。燕山(えんざん)荘や燕岳、大天井岳も見える。早く森林帯から抜け出してアルプスが見たい。

 岩場の凄い急登になった。ロープと木の根や石に掴まりながら登って行く。背後の燕岳は北アルプスの表銀座といわれ、今日も何十人、何百人と登っていることだろうが、こっちは一人ぼっちで熊に脅えながらホイッスルを吹いたり、大きな声を張り上げながら急登に喘ぐ。

 大きな石にぶち当たった右手にクサリがぶら下がっていた(左の写真:奥が絶壁になっている)。クサリを伝って下る。

 ここから常念岳方面の稜線が、クッキリと見えた。(右の写真)

 もう稜線は近いハズだ。その稜線への最後の登りと思われる急登。木の根っこが滑って歩きにくい。
 さらに登って行くと今度はガレ場だ。両側にトラロープが張られている。こんなガレた急登は下りが心配だ。転げ落ちるような感じだろう。

 道端に傾いた八合目の石柱があった。9時07分着。この石柱から30mほどで清水岳から続く主稜線へ出た。

 ここからは、南東へ伸びた稜線をわずかなアップダウンを繰り返しながら進んで行くが、まだ森林限界を抜け出した訳ではない。

 突然、視界が開けた所があった。左手後方に鹿島槍が見事に見えた。バンザ〜イ!!