【奥多摩・奥武蔵】
棒ノ折山 (ぼうのおれやま)

(969m、東京都・埼玉県)

白谷沢しらやさわのゴルジュ(両側の岩壁が狭まっている谷、峡谷)帯を行く


2015年1月10日(土)

さわらびの湯P〜白谷沢〜棒ノ折山〜滝ノ平尾根〜さわらびの湯P


自宅−550相模原愛川IC-(圏央道)−狭山日高IC−(R347・R70・R53)−658さわらびの湯駐車場715〜743白谷沢登山口〜853東屋跡858〜911岩茸石〜940権次入峠〜955棒ノ折山1015〜1024権次入峠〜1040岩茸石〜(滝ノ平尾根)〜1205さわらびの湯駐車場


 昨日、さわらびの湯へ「道路に雪がないか」を尋ねてみると、「雪のカケラもありませんよ。安心して来て下さい」とのことだった。私は迷わず棒ノ折山へ行くことにした。この山は昨年行きそびれてしまったからだ。
 しかし、山に雪があるかどうかまでは聞けなかったので、念のため軽アイゼンをザックに詰め込んだ。

 そして家内に、「明日、この山へ行って来る」と言って地図のコピーを渡すと、「棒ノ折れ山って、面白い名前ね・・!」と笑う。そこで山名の由来について調べてみると、『坊主の尾根が転じた説や、武将畠山重忠がこの山を越えた時に持っていた杖が折れたことに因んで付けられたという説などがある』とあった。私は後者の方がこの山にふさわしいと思った。
 ちなみに、この山は東京都・奥多摩町と、埼玉県・飯能市との境にあり、棒ノ嶺(みね・れい)とも言われているそうだ。

 さわらびの湯の駐車場へ予定より30分も早く着いた。駐車場が広く、どこへ止めようかと迷いながら進んで行くと、第三駐車場があり、そこに「大型バス、早朝登山(温泉利用者専用)」という看板があった。

 すでに車が一台止まっていたので私もそこへ止めた。しかし、ここは下山後に温泉に入らないといけないようだ。
(写真左:中央奥の白い屋根がさわらびの湯)
 トイレの前を通って車道へ出て、左手の有馬ダム(名栗湖)へ向かって登って行く。かなり急な坂で「先が思いやられるナァ・・」と思っていると、すぐにダムの堰堤が見えて来た。

 堰堤で朝日を浴びた。今日も快晴で雲一つない。山には雪もなさそうだ。

 堰堤を渡って湖畔沿いに車道を歩いて行くと、後ろから愛媛ナンバーの車が来た。愛媛から来るとは驚いた。
 (写真は有馬ダム)
 湖畔沿いを10分も歩くと緑色の橋が見えて来た。白谷橋に違いないと思った。

 その白谷橋を渡った左手に登山口があった。右手には駐車場があり2台の車が止まっていた。

 まずは針葉樹の中の良く踏まれた道を登って行く。左手下に白谷沢が見え隠れしている。所々に岩場もあった。

 高巻いていた道が沢へ近づくと、最初の滝が現れた。これが藤懸ふじかけノ滝のようだ。

 この滝を巻いて、沢をわずかに歩くと分岐があった。沢を真っ直ぐ行きたくなるが、そこにはトラロープが張られ、標識には「キケン」と書いてあった。標識に従って左へ進んで行く。

 そして2、3分ほど経った時、思わず歓声を上げた。ゴルジュ帯が現れたからだ。ゴルジュとはフランス語(gorge)で「のどの意」で、両側の絶壁が狭まっている谷、峡谷をいう。そのゴルジュがまさに目の前に現れた。

 ここで、後ろにいた中年のご夫婦が来るのを待った。被写体になってほしいからだ。


(ゴルジュ帯を行くご夫婦)

 ゴルジュの写真が撮れて満足だった。
 しかし、そのゴルジュは、あっけなく終わってしまい、何か物足りなさを感じながら、大きな岩がゴロゴロした沢を登って行った。

 そして2、3分ほど登った時、登山道のすぐ右手に滝が現れた。これが天狗ノ滝らしい。

 さらに、そこから2、3分も歩くと、またゴルジュが現れた。こっちの方がスケールがでかい。「ヤッター!」と歓声を上げた。ここはまるで黒部峡谷のようだ。


 しかしこのゴルジュも、そう長くは続かなかった。魚止めのような小さな滝の所で、右側へ鎖で登って行く。


 この鎖場の足元にある石は、人工的に積み重ねてあった。こんな所に大きな石を積むのは大変だったろうと思った。このコースは皇太子さまが気に入られ2回登られているそうなので、その時整備されたのかも知れないと思った。