武奈ケ岳−2/2

 ゲレンデの跡地を下って行くと池があり、その周りのモミジが真っ赤に色づいていた。まさに目が覚めるようだ!
 さらに八雲ケ原を進んで行くと一段と紅葉が見事になって来た。

 それにしても誰もいないというのは、どうしたことだろうか。武奈ケ岳は紅葉の名所と聞いていたが人っ子ひとりいない。

 「イブルギのコバ」へ9時3分着。イブルギのコバとはどういう意味なのだろう。分岐のことだろうか。それにしても変わった名前だと思った。
 ここから橋を渡って小さな沢沿いに登って行く。紅葉が益々良くなって来た。

 紅葉の写真を撮っている時、背後から突然、人が現れたのでびっくりした。単独の登山者だった。登山者に会うのは嬉しいが、あまり驚かさないでくれよなぁ・・・。

 気がつくと周りはブナ林になっていた。やはり武奈ケ岳へ来たんだからブナがなくちゃあ・・・、と喜んでいると、正面右手に、ブナの間から武奈ケ岳が見えて来た。しかし、樹木が多くてシャッターは切れなかった。

 稜線へ9時36分着。写真を撮りながら登って行く。山頂の標識の隣に、さっき追い越して行った人が立っているのが見えた。


目が覚めるような紅葉

 山頂へ9時49分着。山頂からは伊吹山や琵琶湖が見えた。それにここから見る紅葉がいい。


山頂直下

山頂の石仏

山頂の標識と三角点

山頂からの伊吹山(中央奥)

山頂からの紅葉1

山頂からの紅葉2

 山頂でくつろぎながら先客と話をすると、まだ50代だという彼は飯豊山やトムラウシを日帰りしたという。どうりで健脚だと思った。それにしても飯豊山を日帰りするとは恐れ入った。

 後から70歳はとうに過ぎていると思われるオジさんが一人登って来た。反対側の御殿山コースから西南稜を登って来たという。このコースの方がはるかに楽チンだという。

 10時15分下山。
 紅葉を愛でながら細川越へ向かって下って行く。道はなだらかで歩きやすく、あっという間に細川越へ着いた。

 しばらく下ると小さな橋があり、それを渡ると湿原が広がり奥に大阪大学ワンゲルの山荘があった。そこから道が分からなくなりウロウロする。結局、橋まで引き返す。(この橋は渡ってはいけない)

 木道を歩いて行くと、両側に水ゴケが生えていた。少し家へ持って帰りたいと思った。
 丸太を2本渡した橋が現れた。が、これを渡らず飛び石で沢を渡った。すぐに右手に小屋があった。ログ風のいい小屋だ。同志社大の小屋らしい。
 ここからも沢沿いなので展望は利かない。紅葉の写真を撮りながら下って行った。

 右手の対岸に小屋が見えて来た。広谷小屋に違いない。すぐに左手に広谷の標識が現れた(11時8分)。

 山頂で一緒だった彼が追いついて来た。彼も道に迷ったという。私の姿を見て引き返して来たと言った。ここは落ち葉で道が分かりにくいのだ。

 やがて沢から遠ざかって尾根をトラバースして行き、涸沢へ出て左手の尾根を下って行くが、道が細く落葉で分かりにくく不安になって来た。本当にこれが登山道だろうか。わずかな踏み跡が真っすぐ沢の方に下っている。これは工事用の道か廃道に違いないと思いながらも、そのまま下って行った。

 木や枝に掴まりながらやっと沢近くまで下ると、そこに良く踏まれた太い道があった。あ〜あ、疲れるなあ〜・・・。私はどうも旧道か廃道を下ってしまったようだ。
 沢すじの太い道を下って行くと、すぐに見覚えのある標識があった。やれやれ、これでまずは安心だ。

 大摺鉢のロープと梯子を下って徒渉する。本来なら広谷コースは大摺鉢の下で合流するはずなので、私はかなり上流へ下ってしまったことになる。

「空戸の滝」の標識(唐戸の間違いか)の所で休憩。ここで昼食にしよう。山頂では昼食には早かったので途中で紅葉でも見ながら食べようと思っていたが、後半は緊張したので昼メシどころではなかった。もうここまで来れば安心だ。

 昼食を済ませ、さあ出発と立ちあがった時、43人もの団体さんが登って来た。道が細いので待たされた。団体さんはどのコースを登るのだろうか。スニーカーを履いたオバさんもいた。本当に大丈夫だろうかと心配になってしまう。
 ここからガリバー旅行村の登山口まで7分で着いた。

 キャンプ場へ戻ってテントを撤収し、次の目標である御在所岳へ行くため四日市へ向かって行った。