【槍穂を見ながら生ビールを飲もう!】
蝶ケ岳(ちょうがたけ)

(2,677m、長野県)



槍穂を見るならここ!蝶からの槍!


三股駐車場〜蝶ケ岳ヒュッテ(泊)〜蝶槍〜三股駐車場


2017年9月13日(水)

自宅−相模原IC−(圏央・中央)−525藤野P530−双葉SA−(長野道)−安曇野IC-830三股駐車場845〜900三股登山口〜937力水〜948ゴジラ953〜(昼食)〜1137まめうち平〜1207 2000m地点〜1334第二ベンチ〜1430最終ベンチ〜1503大滝分岐〜1515蝶ケ岳ヒュッテ

 今回の山行は、「蝶ケ岳ヒュッテで槍穂を見ながら生ビールを飲もう!」というのがキャチフレーズで、生ビールが缶ビールになってしまったが、モルゲンロートに染まった槍穂はもとより、南アルプスや御嶽山、富士山まで見ることができた。

 朝食後は蝶槍まで空身で散歩。まさに雲表の稜線歩きで、最高の贅沢だった。

 登山口である三股駐車場で朝8時30分待ち合わせ。我々は8時30分ジャストに到着。Aさんはすでに到着して待っていてくれた。

 心配していた駐車場(約70台駐車可)は、まだ7,8台の空きがあった。今日は平日で、しかも紅葉には少し早い中途半端な時期なので止めることが出来たが、連休や紅葉の季節は明け方から満車になるという。
 林道のゲートを通って登山口へ向かって行く。道端にキツリフネ(黄釣舟)が咲いていた。
 登山口から3,4分で常念岳との分岐があった。
 沢沿いの道を左岸、右岸と渡り返しながら登って行き、吊り橋を渡って行く。

 途中で最初の休憩を入れた。今日は暑くもなく寒くもなく、実に爽やかだ。落葉前の緑と澄んだ大気、そしてサラサラと流れる沢の音。山はこうでなくっちゃあ〜!

 一服して10mほど進んだ所に「力水」があった。「ここで休めばよかったなぁ〜」とボヤキながら、一口水を飲んで行く。


 階段が現れ、急登になって来た。

 水場から10分ほど歩いた時、この登山道のシンボルともいえる「ゴジラみたいな木」が現れた。本当に似ている!


(ゴジラみたいな木)

(似ている!)

(虫歯を治療!)

 この「ゴジラみたいな木」があることを知らなかった仲間は、大はしゃぎ!まさにサプライズだったようだ!

 私はゴジラの歯に虫歯があったので、治療してやった。(汚れた石を取り換えただけ!)

 このユニークなゴジラに元気をもらい、足取りも軽くなった。登山道もなだらかな唐松の並木になった。
「楽ちんだ!」と思ったのもつかの間で、この先から凄まじいほどの急登になった。

 展望もない急登を一歩一歩登って行く。道端にある赤いゴゼンタチバナの実が励ましてくれているような気がする。
 リンドウのような花をみつける。これなんだろう?
(帰宅してから調べてみると、ツルリンドウだったようだ)

「まめうち平」で昼食にしようと思っていたが、急登の途中で昼食にした。朝が早かったのでもうシャリバテだ!

 昼食を済ませ、気合を入れて歩き出す。しかし、腹が痛くて力が入らない。キジを撃ちたくなったが場所がない。周りは急斜面でササヤブばかり。

 仕方がなく昨日の雨で濡れたヤブを漕いで行くと、後から来た若者がジッと覗き込んでいる。
「お〜い!キジ撃ちなので早く通り過ぎてくれ〜!」というと、「ああ、そうですか!」といって通り過ぎて行った。ヤレヤレ。
 今日はこの後もキジを撃った。今日はキジ鍋かな?

 やっとの思いで、「まめうち平」へ着いた。ここは急斜面を登り切った所で、絶好の休憩場所になっている。イスもあった。そのイスに座っていた3,4人のパーティーが我々と入れ違いに登って行った。

 こから一旦下るような感じで進んで行くが、また急登になった。

 2000m地点を通過。「三股→3.3Km、蝶ケ岳ヒュッテ→3.1KMとある」。まだ半分しか来ていない。

 この辺は最近、道普請をしたようで、新品の階段が続く。こちらは息が上がって行く。

 2000m地点から30分も登ると第二ベンチがあった。ここはベンチといっても座れるような代物ではない。表銀座の合戦尾根のベンチとは比較にならない。イスはボロだが、蝶の絵が上手い!

 ここは展望もなく、ただ修行僧になったように登って行く。

 第二ベンチから一時間ほど歩いた所に、最終ベンチがあった。これもお粗末なもので、とてもベンチなどとはいえない。

「蝶ケ岳ヒュッテ、0.9Km」とあり、少し元気が出たような気がしたが、残りの900mがどれほどシンドかったことか!

 右手前方に、待望の常念岳が姿を見せた。「お〜!常念だ〜!」と歓声を上げた。

 大滝分岐へヘロヘロになって着いた。この辺は初夏ならお花畑になっていることだろう。その名残ともいえるハクサンフウロが一輪ポツンと咲いていた。

 オヤマリンドウが沢山あるが、花が開く前に霜でやられたようで、咲いているのが少ない。

 ボッテリしたハイマツ帯を登って行くと、ついに槍が顔を出した。「お〜!槍だぁ!」と歓声を上げる
 その槍を見ながら、蝶ケ岳ヒュッテの玄関を潜る。15時15分ヒュッテへ到着。


 早速、宿泊の手続きを済ませ、寝床を確保してから缶ビールで乾杯!

 今回は、
「蝶ケ岳ヒュッテで槍穂を見ながら生ビールを飲もう」
 
というのが目的であり、キャチフレーズでもあった。しかし、生ビールがないので缶ビールになってしまったが、まずは小屋へ無事到着したことを祝して乾杯! 槍穂は一杯やってからゆっくり見ればいい。

 一杯やってから、冥想ノ丘という展望台へ行った。槍穂には少し雲が掛かってしまったが、これだけの絶景が見られれば、言うことはない。
 それに、蝶槍へ行く斜面の一部が紅葉しているではないか!

 夕食後に夕焼けの槍穂を見ようと外へ出たが、槍穂の夕焼けは無理だった。(夕焼けは笠ケ岳方面がいい)。明日のご来光とモルゲンロートに染まる槍穂に期待しよう。