大無間山−2/2

2008年5月4日(日)

小無間小屋455〜511P3〜523P2〜552P1600〜728小無間山735〜800唐松薙810〜838中無間山845〜1033大無間山1050〜1208中無間山〜1305小無間山1320〜1520小無間小屋1540〜1730諏訪神社

 朝4時起床。4時55分発。Aさんはすでに10分ほど前に出発している。
 ここは鋸歯といわれ、このP4からP3、P2、P1、小無間山と4つのピークを越えねばならない。しかも、『ここには巻き道という言葉は無い。すべてのピークを踏んで行く』」とある人のHPに書いてあった。
 とにかく、そのピークを1峰ずつ丹念に登って行くしかない。

 まずは小屋の前から一旦ガク−ンと下らされる。そして今度は下った以上に、P3を登って行くことになる。
 そのP3へ5時11分着。まずはピークを1つ登ったぞ!

 岩と木の根っこに掴まりながら、P2へ立った。ここは頂部が広くなっている。どうも奥の方が少し高いようだ。
 朝日が昇り、今日もいい天気だ。ただ、ここは樹木が多く視界があまり利かないのが難点である。

(写真はP2の下りから見たP1と小無間山)

 ロープで鞍部へ降りる。3、4mのロープがぶら下かっていたが、特に危険な訳でもない。

 ここからはP1への登りになる。P1へ5時52分着。
 ここで休憩。小無間のピークを見ながら一服。
 ここまでは何なく来たが、ここからが天王山かも知れない。次は小無間山をめざして6時ジャストに出発する。

 ここから下って、いよいよ小無間の登りかと思いきや、登り切った先に小さなピークがあり、そこからガクンと下らされる。まだまだ小無間の取っ付きには辿り着けない。

 幾つかのピークに騙されながら、やっと小無間山へ着いた。7時28分着。この辺にはまだ残雪がいっぱいあった。残雪をほじって頬張った。

(P3〜P1には何の表示もなかったが、小無間山には黄色の表示があった→写真右)

 縦走路には「小無間山⇔井川」の標識があったが、ここからは「大無間山⇔小無間山」の標識に変わった。大無間山の標識を見ると嬉しい。

 小無間山からは左手のなだらかな尾根を下って行く。残雪がかなり多くなって来た。

 次になだらかな斜面を登って行くようになると、残雪が少なくなった。やはり日当たりの具合でだいぶ違うようだ。

 登り切った所が唐松薙(なぎ)の頭だった。突然、前方が開け、正面にあの「200名山を登る」のガイドブックに載っていた大無間山が見えた。感激!


 大無間山は、左に前無間山、右に中無間山を従え、まるで両肩をいからしているようで、いかにも堂々としていて貫禄がある。さすがは南アルプス深南部の名峰だ!

 とにかく大無間山が見えて嬉しい。わざわざ出かけて来た甲斐があった。しばらくここで撮影タイムとした。後はあのピークへ立つことだけである。

 ここからは斜面もなだらかになり、残雪もほとんどなくなった。一面残雪に覆われているかと思っていたので意外だった。

 しかし、そんな思いもつかの間で、また残雪が多くなって来た。今朝早く出発した人のトレースを頼りに登って行く。

 ボッテリした頂部へ出て、真っ直ぐ行こうと思ったがトレースがない。よく見ると正面にロープが張ってあった。ここは中無間山で左へ90度近く曲がって行く。ここで一服としよう。

 しかし、休んでいると風が冷たい。早々に出発した。

 しばらく下ると残雪が一面に広がって来た。トレースと赤テープを探しながら進んで行った。時々、膝まで潜ることがあったが、八ケ岳のような股間まで潜ることはなかった。

 ここからも夏道と残雪の繰り返し。GWに登ったという人のHPには、「小無間からはアイスバーンになっていた」と書かれていたので、全面的に凍っているのかと思ったが、そんなことはなかった。残雪の一部は凍っているところもあったが、アイゼンを装着する必要はなかった。アイゼンよりもカンジキがほしい位だった。

 やっと大無間山の頂上だ!と思って登って行くと、そこから左にもう少し高いピークがあった。ここでAさんとすれ違った。Aさんはバスに乗るため飛ばして来たという。

 今度こそ山頂だろうと思った小さなピークには、P4でキャンプしていた2人組がいた。てっきり大無間だろうと思ったが、「あと10分ぐらいです」と言われる。実は、この二人が今朝足跡を着けてくれたお陰で私は登って来られたのである。彼らのトレースがなかったら、私は登れなかったかも知れない。二人に感謝したい。


中央の双耳峰が池口岳。

南アルプス南部の山々

 このピークからは南アルプスが良く見えた。聖岳や光岳らしき山々は分ったが確信はなかった。今後のために池口岳と笊(ざる)ケ岳だけは確認して置きたかったが、それも分らなかった。(笊はガスで見えなかったそうだ)

 ここから下って、最後の登りになった。広い頂部へ出ると分岐点があり、大無間山は左手へ進んで行く。

 そして、ついに10時33分、憧れの大無間山へ立った。雪に埋もれた山頂。そして誰もいない山頂で、柏餅と缶コーヒーで昼食にした。

 下る途中、中無間山の手前で昨日P4でテントを張っていた5人組に会った。こんなに遅いとは昨夜よほど飲み過ぎたのだろう。

 中無間山からは右へ折れて小無間を目指して行く。ここは下りといっても登り返しがあるのでシンドイ。

 小無間山へ13時5分着。少し下った雪のない所で一本。
 下りは凄い急斜面に見える。よくもこんな所を登って来たかと驚く。

 P1を越えP2の下り頃からガスが流れ出し、視界は7、80mになった。P3を越え、最後のP4への登りは、「小屋へ着けばビールが飲める」という思いでいっぱいだった。

 小屋へ着くと、帰ったと思ったAさんがいた。バスの時間に間に合わなかったという。そして、「これから一緒に下りませんか」と言う。

 私はガスが流れ出したので、もう一泊してもいいかな? という思いもあったので、何はともあれ缶ビールでうがいをしながら考える。

 そして結局は、Aさんと一緒に下ることにした。急いでパッキングを始める。今なら日没前に下れるだろう。

 17時30分ごろ諏訪神社の境内へ着いた。浜松ナンバーの二人組も帰りの準備をしている所だった。

 私はAさんを静岡駅で降ろし、静岡ICから東名に乗ったが、途中、渋滞に巻き込まれ家へ着いたのは0時をとっくに過ぎていた。