コマクサ紀行
餓鬼岳 (がきだけ)
(2,647m、長野県)  169座

有明山から見た餓鬼岳(右側)と剣吊(けんずり:左側)

2009年8月7日〜9日

中房温泉〜燕岳〜餓鬼岳縦走

1日目:2009年8月7日(金)

中房温泉〜燕山荘(泊)
自宅430−相模湖IC−豊科IC−735しゃくなげ荘(駐車場)810−(バス)−850中房温泉900〜930第一ベンチ940〜1009第二ベンチ1015〜1052第三ベンチ〜1134富士見ベンチ1150〜1223合戦小屋1240〜1305合戦沢の頭1312 〜1357燕山荘(泊)

 数年前に、ある山小屋で知り合った方から、「餓鬼岳を登るなら燕岳から行くと楽ですよ」と教えてもらったことがあり、私も餓鬼岳へ行く時は燕岳から登ろうと思っていた。

 そして、どうせ行くなら燕岳にコマクサが咲く季節にしようと思い、じっとこの時を待っていたのである。

 朝4時30分に家を出た。いつものように近くのコンビニで弁当を買って行く。
 津久井湖付近で雨がバラついてきた。「ついてねぇなぁ・・・」とボヤいていると、相模湖付近で止んだ。しかし空はどんよりとした黒い雲が覆っている。今日はこんな小雨がバラつく天気かも知れない。

 中央高速に乗っても、南アルプスも八ケ岳も見えなかった。今日はとにかく雨が降らないことを祈るしかない。

 豊科ICで降りて穂高町にある「しゃくなげ荘」へ7時35分着。着いた時は小雨が降っていたが、出発の準備をしている間に止んだ。中房温泉行きのバス停は駐車場のすぐ近くにあった。

 「しゃくなげ荘前」8時10分発のバスに乗った。ここから乗ったのは10人位だった。
 本来なら、途中から大天井岳の稜線や燕岳の稜線が見えるはずだが、今日は雨に煙って見えない。

 中房温泉8時50分着。
 バスから降りると霧雨が降っていた。ズボンを濡らしたくなかったので雨具のズボンを穿いた。そして自販機で缶コーヒーを買って飲み、登山口で登山届を出して9時ジャストに出発。

(写真はバス停から見た登山口)

 登り出すとすぐに雨が止み、雲の間から薄日が差してきた。しかし、またいつ降って来るか分からないので、そのまま雨具のズボンを穿いたまま登って行った。

 ここは「北アルプス三大急登」の一つと言われているが、さほどの急登ではない。この程度の急登ならどこにでもある。

 ここを「北アの三大急登」などと誰が付けたか知らないが、昔は夜行列車で来て寝不足のまま登ったので堪えたのかも知れない。
 
 今はアプローチも良くなり、 登山道は完璧までに整備されている。何しろここは北アルプスの表銀座といわれる槍ケ岳や常念岳への玄関口なのである。

 ちょうど30分で第一ベンチ(写真左)へ着いた。ここで一服。ここは水場になっており10mほど下に小さな沢があったが、今日は雨で濁っているように見えた。

 雨も止んだので雨具のズボンを脱いでスパッツを着けで出発。

 昨日、燕山荘へ泊った人達が続々と下って来た。その中の一人に、「上で雨に降られましたか?」と訊くと、「ハイ、降られました!」とそっけない返事。

 第一ベンチから約30分で第二ベンチへ着いた(10時9分着)。ここで水分補給。

 ここから1、2分も歩くと尾根へ出た。さらに20分ほど登った時、大粒の雨が降ってきた。急いで雨具を着込む。
 雨具を着て2、3分も歩くと第三ベンチへ着いた。しかし、ここは写真を撮っただけで素通り。

 雨具を着ているとやたらと暑い。汗が流れ落ちた。

 もうボチボチ休憩しようかなと思った時、富士見ベンチへ着いた。標識に2200mと書いてあった。ここで休憩。 水分を補給し、オニギリを1個食べた。雨が止んだので雨具の上着を脱いだ。


(第二ベンチ)

(第三ベンチ)

(富士見ベンチ)

 ここからも時々小雨がパラついたが、空は明るい。

 合戦小屋へ12時23分着。到着早々、どこからともなく「お疲れさま、いらっしゃいませ!」との声が聞こえてきた。さすがは燕山荘オーナーの指導が行き届いている。(ここは燕山荘の荷揚小屋。休憩のみ)

 名物のスイカは高いので買わず、残りのおにぎりを食べた。

 ここは風向きによってトイレのニオイが漂う。
 弁当を食べ終えて一服していると、また小雨が降って来た。12時40分発。

 10分か15分も登ると、お花がチラホラ現れて来た。ハクサンフウロも咲いていた。やっと夏山へ来たという実感が湧いて来た。

 三角点がある「合戦沢の頭」へ13時5分着。
 本来なら、ここから展望が開けるのだろうが、今日は小雨が降ったり止んだりの繰り返しで展望は利かない。

 しばらく登るとイワカガミが咲いていた。もうとっくに終わってしまったと思っていたので嬉しかった。

 遠くで雷が鳴り出した。急ごう! 早く小屋へ着かないとヤバイ。

 ハイマツが多くなり、岩が出て来ると小さなピークへ出た。そこからはダケカンバが生えたなだらかな道になった。左の斜面にはチングルマやハクサンイチゲ、シナノキンバイなどが咲き乱れていた。