燕岳・餓鬼岳縦走−2/5

 雷が燕岳の真上で鳴った。やばい!!
 ついに大粒の雨が落ちてきた。これは今までの霧雨ではなく雷雨だ。もっと強く降ってくるに違いない。

 慌てて雨具を着込んでいる人が大勢いた。すでにズブ濡れになってから雨具を着ても遅いだろう。なぜもっと早く着なかったのだろうか。いくら小屋が近いからといっても雨で衣服を濡らしてはいけない。今日は幸い風がないからいいものの、風があったら大変なことになる。

 小屋が見えて来た。お花も多くなって来たが大雨の中では写真も撮れない。

 小屋着、13時57分。
 まずは乾燥室へザックごと持って行った。ザックカバーの肩口から水が浸み込んでしまったからだ。ザックを乾燥室へ置いてそのまま喫茶室へ行って生ビール。雨は一層強くなった。これから到着する人達は大変だろうと思った。

 生ビールを飲み終わった後は、談話室で北陸から来たというパーティーと山談義。彼らは明日は燕岳から東沢乗越へ出て中房温泉へ下るという。

 夕方になって雨が上がって晴れて来た。私もカメラを持って飛び出した。燕岳はもちろん槍や穂高まで見えた。

    

燕山荘からの燕(つばくろ)岳

燕山荘からの槍(右)と穂高(左)

槍ケ岳ズーム

裏銀座縦走路。
右から、烏帽子岳は雲に隠れている、三ツ岳、野口五郎岳(中央)、ワリモ岳、鷲羽岳(左端)

  2日目:2009年8月8日(土)

燕山荘〜燕岳〜北燕岳〜餓鬼岳〜餓鬼岳小屋(泊)

燕山荘540〜610燕岳620〜643北燕岳〜740乗越へ下る手前800〜854東沢乗越910〜1013東沢岳(昼食)1055〜1510餓鬼岳小屋1517〜1523餓鬼岳〜餓鬼岳小屋(泊)

 朝3時を少し回ったころに起床。今日は朝から濃いガスに覆われ、その中に細かくて冷たいものが混じっていた。昨日の夕立ちで今朝は完璧に晴れると思っていたのだが・・・残念。

 槍や常念へ行く人達はすでに出発の準備に忙しい。私は玄関先でタバコを吸ったり、小屋の中をウロウロしながら朝食の時間を待った。

 今日は燕岳から餓鬼岳までの縦走である。何とか晴れてほしいものだ。

 燕山荘5時40分発。出かける時は雨は上がっていたが、依然濃いガスに覆われていた。いつ降って来るか分からないので、雨具を着て出発する。

 燕岳へ向かって行くと、左斜面に待望のコマクサがポツンポツンと咲いていた。それにしても株が小さい。こんなに小さい株のコマクサを見るのは初めてだ。

 (左は燕岳へ向かう人達。右はコマクサ)

 道端にはコマクサ以外にもイワギキョウやエゾシオガマ、シャクナゲなども咲いていた。

  

   頂上の手前で昨夜談話室で山談義をした北陸から来たというパーティーが追いついて来た。彼らとほぼ同時に山頂へ立った。せっかく立った燕岳の山頂だったが何も見えなかった。本来なら槍穂はもちろん裏銀座の山々も見えるはずだが、今は燕山荘さえも見えない。


登って来る途中で奇岩を振り返る

燕岳山頂

   三角点を囲んで彼らと記念写真を撮った。このパーティーは結局、東沢乗越へ行かずに合戦尾根を下ることにしたという。せめてコマクサが咲く北燕岳まで行くことをお勧めしたが、もうここから引き返すという。その彼らと別れ私は一人北燕岳へ向かって行った。