御在所岳−2/2

 「7合目1000m、かもしか広場」へ8時6分着。右手前方に見えるのが国見岳で、その右奥に見えるのが釈迦ケ岳だろうと思った。


国見岳

釈迦ケ岳?

見事な黄葉

 ここからは岩場の急登を登って行く。山頂も大分近づいて来た。それに左手に見えるあの三角錐の鎌ケ岳が格好いい。ぜひチャンスがあったら登ってみたいと思った。

 大きな岩の下に「8合目、1100m」の表示があった。ここから見る右斜面の紅葉がいい。

 3、4段の階段を登ると展望台のような所へ出た。ロープウェイの奥に、岩場に立っている登山者の姿が見えた。あれは一の谷ルートだろうか。私も帰りにあの岩峰に立ってみたいと思った。


中央の岩峰をズーム→→→→

登山者が見えますか? 見えない方は⇒こちら

 右にレストラン・アゼリア、左にロープウェイ山上駅の標識に従って左手へ進んで行く。すぐに観光客で賑わう山上公園へ出た。

 この山上公園からは、晴れていれば白山や御嶽山、北アルプス、中央アルプス、南アルプスまで見えるらしいが、今日は遠望が利かない。釈迦ケ岳を見て我慢しよう。

 ここはまだ本当の山頂ではない。山頂はスキー場のリフトの先にある(左の写真)。その山頂へ行こうとしたが登山道が分からなかった。近くの登山者に訊くと、ロープウェイ駅の中を行くという。山頂へ行くのに建物の中を行くとは・・・一体どうなってるんだろう。

 とにかく一旦下ってロープウェイの建物の中を通って外へ出る。そしてレストラン・アゼリアの前を通って舗装された道を観光客と一緒に歩いて行く。この道は紅葉真っ盛りで、まさに紅葉のトンネルだった。

 途中から右手の階段を登って行く。山頂へ9時25分到着。ここは観光地のようだった。ここまでロープウェイとリフトが動いているのだから当然といえば当然なのだが・・・。伊吹山の山頂の賑わいを思い出した。

 ここには立派な標識が立ち、標高が1211.95mと書いてあった。私が持っている地図では1209.8mとなっているが、どっちが正しいのだろうか。きっと三角点の位置と実際の最高点が違うのだろうと勝手に解釈した。

 東屋の脇でパンと缶コーヒーで昼食を摂り、今日は展望も利かないので早々に下山することにした。9時46分下山。
 レストラン・アゼリアの前まで戻り、レストランを右手に見て、一の谷新道を下って行く。ここは紅葉がいい。特に赤い紅葉が見事だ。

 しばらく下ると分岐が現れ、左手に「大黒岩」だったか「恵比寿岩」だったかの標識があった。しかし、私は迷わず真っすぐ下って行った。

 これが大失敗だった。少し下って左後方を見ると、絶壁のような岩峰に人が立っているのが見えた。「あれはなんだ!登って来る時に見た、あの凄い所に人が立っていた岩峰ではないか!」。私も絶対に登ろうと思っていた岩峰に違いない。しかし、今さら引き返す訳にもいかない。

 私は一の谷新道を下れば、あの岩峰に立てるものだと思っていたが、どうも違うようだ。そうと知っていれば絶対に立ち寄ったのだが・・・。本当に残念でならなかった。

 一の谷新道は展望も利かず、しかも急登だと聞いていたが、まさにその通りである。木の枝や根っこに掴まりながら下って行く。
 時々、登って来る人に会うが、ここを登るのはシンドイだろう。

 途中に、おばれ石のような大きな岩が立っていた。ここからは両手両足をフル活用、四駆で下る。斜面は90度以上のハング状態である。そこを多少のジグを切って下って行く。それにしても、すさまじいほどの急坂である。私はここを登らなくて良かったと思った。

 山頂から約1時間ほどで、やっとなだらかな尾根へ出た。しかし、ここからも時々急な斜面が現れる。
 今まで森林に覆われ展望が利かなかったが、一瞬だけ右手に鎌ケ岳が見えた。山屋には登高欲を奮い立たせるような山だ。

 とにかくここは展望が利かず標識もない。ただ、もくもくと下るしかない。登山道は中道に比べ何と差があることか。まったく整備されていない。もっともこれが自然の登山道ではあるのだが・・・。

 突然、道の真ん中に男性のシンボルのような岩が現れた。

 しばらくすると左手下に赤い屋根が見えて来た。山の家だった。想像していたより、はるかに立派な小屋だった。こんないい小屋なら泊まればよかったと思った。小屋から数十メートルで中道と合流し、駐車場はもう目の前だった。駐車場着11時12分。
 駐車場は満車で、止められない車が私が帰るのを待っていた。一服する暇もなく急いで明日登る予定の大日ケ岳の山麓にある「ひるがの高原」へ向かって出発した。
 道路には路肩駐車が500m以上も繋がっていた。